この時代のものに、憧れない方はいないのではないでしょうか? ホントにそう言い切ってしまいたいくらい、当時から日本人は美しいもの、創造力に満ちたものをたくさん作っています。
今から6年ほど前ですが、青森県の是川遺跡に松本と行ったことがあります。ここの遺跡は、日本でも代表的な籃胎漆器(竹を編んで作った漆器)が出土したことで有名です。(残念ながら、この時は籃胎漆はほかの催事に行ってしまってて出会えませんでしたが… その数年後、再度訪れた時にとやっと見ることができました)
漆を見に来た、ということで縄文学習館の学芸員さんが、漆の出土品をいくつか出してきてくださいました。

朱漆を塗った土器。数千年前のものとは思えない美しさです。
ここの出土品で使われる朱漆の顔料は、水銀朱とベンガラの両方が使われている…とのことでした。水銀朱は、高価な顔料でとても鮮やかで美しい朱色が得られます。ベンガラは酸化第二鉄が主成分の顔料。やや地味な色合いの赤色になります。
でも、ここの出土品のベンガラ漆は、とっても華やかできれいなんです!
(それは、学芸員さんもおっしゃってて…。どこで産出されたベンガラなんだろう。当時はまだ分からないと言われてましたが)

破片ですが、手に取って見せてくださいました。
縄文時代の漆に触れることができて、感激!でした。
この破片は、一番上の写真の土器の内側です。(口が広くすごく平たい器でした)
「この器の内側って、どうやって塗ったのでしょう?」と学芸員さんに聞かれて、松本は「指で、じゃないですか」。
私も手に取って、ひとさし指で器の口の内側をなぞると、本当に指が届くところぴったりに漆が塗られてました。
驚いてふと見ると、私の指の先に明らかに指先と思うようなかすれた塗り跡があって… 一瞬、これを作った人とリンクしたように思いました。

是川遺跡・縄文学習館の中にある、縦穴式住居。
中に私が入っているの…わかりますか?
なかはたき火をしていて、不思議とくつろげる空間でした。(^_^)