2006年10月05日

■縄文の漆に触れた思い出。

今の工房の活動力のひとつに、縄文時代をはじめとする漆文化の憧れがあります。
この時代のものに、憧れない方はいないのではないでしょうか? ホントにそう言い切ってしまいたいくらい、当時から日本人は美しいもの、創造力に満ちたものをたくさん作っています。

今から6年ほど前ですが、青森県の是川遺跡に松本と行ったことがあります。ここの遺跡は、日本でも代表的な籃胎漆器(竹を編んで作った漆器)が出土したことで有名です。(残念ながら、この時は籃胎漆はほかの催事に行ってしまってて出会えませんでしたが… その数年後、再度訪れた時にとやっと見ることができました)
漆を見に来た、ということで縄文学習館の学芸員さんが、漆の出土品をいくつか出してきてくださいました。

10/5縄文土器2
朱漆を塗った土器。数千年前のものとは思えない美しさです。


ここの出土品で使われる朱漆の顔料は、水銀朱とベンガラの両方が使われている…とのことでした。水銀朱は、高価な顔料でとても鮮やかで美しい朱色が得られます。ベンガラは酸化第二鉄が主成分の顔料。やや地味な色合いの赤色になります。

でも、ここの出土品のベンガラ漆は、とっても華やかできれいなんです!
(それは、学芸員さんもおっしゃってて…。どこで産出されたベンガラなんだろう。当時はまだ分からないと言われてましたが)


10/5縄文土器1
破片ですが、手に取って見せてくださいました。
縄文時代の漆に触れることができて、感激!でした。


この破片は、一番上の写真の土器の内側です。(口が広くすごく平たい器でした)
「この器の内側って、どうやって塗ったのでしょう?」と学芸員さんに聞かれて、松本は「指で、じゃないですか」。
私も手に取って、ひとさし指で器の口の内側をなぞると、本当に指が届くところぴったりに漆が塗られてました。
驚いてふと見ると、私の指の先に明らかに指先と思うようなかすれた塗り跡があって… 一瞬、これを作った人とリンクしたように思いました。




10/5縦穴式住居
是川遺跡・縄文学習館の中にある、縦穴式住居。
中に私が入っているの…わかりますか?
なかはたき火をしていて、不思議とくつろげる空間でした。(^_^)


posted by 宮崎佐和子 at 22:04| Comment(10) | TrackBack(0) |   漆の出土品について

■申し訳なく思うこと。

秋は、じっくりと文化的なものを楽しみたい…と感じる季節です。
作品展や発表会も「秋に」ということが多いのではないでしょうか。
うちの工房にも、知り合いの作家さんやギャラリーさんからご案内がたくさん届いて、とても楽しいです。

でも…

なかなか、見には行けないのですね… (^_^:)
もともと出無精な上に、自分達の作品展で忙しい季節でもあるんです。
(先日もひとつ、お世話になった先生の展覧会に行きそびれてしまいました。ホントに行くつもりだったのに…がっかりもうやだ〜(悲しい顔)
もっとだんどりが良ければ、こんな時期でも動けるのでしょうが… 要領がわるいので困ったものです。
posted by 宮崎佐和子 at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日記
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