2006年10月30日

■気まぐれな漆。

うるしの樹液は、いつもは大きな木桶で保存しています。
そして仕事に使うぶんを取り出して茶碗などに入れて仕事の机の上や棚においているのです。
10/30うるし入り茶碗
いろんなうるし。産地別、季節別、生うるし、精製うるし、顔料を練り込んだものなどたくさん茶碗の中で置いてます。
いれたうるしの表面にはラップでぴっちりふたをしており、硬化するのを止めています。
うっかり隙き間があって、空気が触れたら大変。そこからうるしがだんだん固まって、せっかくのうるしが使えなくなってしまいます。

ところで、数年前に私は「乾かない漆」を持ってました。
いや「乾かなくなった」という方が正確かも。
「もう使えないな〜」と思いつつも、せっせと木から採取した貴重な漆…。捨てるとうるしの神様の罰が当たりそうで、そっと置いてたんです。
仕事には使えなくっても、キライな人の玄関のノブに塗っておくとか自転車のサドルにとか、使い道があるかもしれないと思い(あ、ウソです〜本当に罰が当たりそうあせあせ(飛び散る汗)
ずーっと何年も乾かないまま、ラップもせずに茶碗に入れたまま放ったらかしていたんですが…。

10/30ちぢみ1

なぜか!半年前から乾き出しました。
(厚みのありすぎるうるしは、表面が縮みます…ちょっとすごいでしょ??)

10/30ちぢみ2
完全に膜が張って、ぜんぜんびくともしません。
つついてみると弾力があるので、
中身はゲルorゴム状になっているのだと思います。

5年前は、オイルのようなさらさらだったのに…。
このうるしは、もともと水銀朱を練ったきれいな朱漆でした。しかし、その顔料とうるしが分離してしまい(水銀朱は非常に重いので時間が経つと沈殿する)しかも顔料と反応して乾かないうるしになってしまいました。
(水銀朱の朱漆は、時間の経過とともに乾きが緩慢になり、最後は不乾になる)
なので、沈殿した顔料だけを取り出して使っていて、この変質したうるしが残ってしまったのです。

でも、何年も乾かないままだったのに、なぜ今頃よみがえったのでしょう?? 松本はpH値が変わったからかなあ、と言っていましたが…。
まるで『僕のこと、忘れていたでしょ?』と言っているようです。(笑)
posted by 宮崎佐和子 at 20:37| Comment(20) | TrackBack(0) | ■ 和うるし(漆)について
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