2007年01月14日

■漆芸研究所の後輩が見学に来ました。


今日は、珍しくお客さまです。
香川県漆芸研究所の研究生4人(ぴかぴかの1年生ばかり)が「日本産漆が知りたい」と言って工房に見学に来たのでした。
昨年からそう申し出があったのですが、ずっと仕事が忙しかったので年明けて今日にしてもらったのでした。

ふふふ…うちの工房に来るなんて、ただではすみませんよー。

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まず、自分の「へら太刀(へら木を削るための刃物)」を見せてもらいました。この道具を見ると、持ち主のクセや仕事の出来ぐあいがよーく分かるのです。(こわっ)
彼女たちのへら太刀を手に採ってにまにまする松本… 何を思っているのでしょうか。

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次はいろんなランクの日本産うるしを見てもらうために、漆部屋へ。まず出したのは「枝うるし」→下、「裏目うるし」→中の下、そして日本で最高の「盛りうるし」。
まずテスティング… 匂いの違いを感じてもらいました。(きちんと採った日本産うるしは臭くないのです。そして香りにもそれぞれ特長があるんです)
あっ、みんな顔近付けすぎです。(^^;) ちょっと危ないです。

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そして「うるしは使ってみないと違いが分からんやろ〜」と、それぞれの漆を実際に使って木地固めをしてもらいました。

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木地固めできました! 漆の違いが感じられたかなあ。


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最上の「盛り漆」を濾す体験もしてもらいました。
この漆は、生うるしでもまるで極上の梨地漆のようにキレイなのです。


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帰りぎわに、工房の庭の漆の木を紹介。
(冬に見ても木はハダカで面白くないねあせあせ(飛び散る汗)


ここ最近のお客さまは男性ばっかりだったので、今日はとっても賑やかな1日になりました。(なんだか授業みたいな感じになったかも?)
でも後輩が、和うるしや工房の仕事に興味を持ってくれるのはうれしいものです。私たちも最近の漆芸研究所の様子を聞いたりして「へえ〜」と思ったり。笑  
研究所も、入所する生徒は相変わらず県外・大卒の女の子が多いみたいです。授業内容は、私がいた時よりもうんと科目が少なくなってラクになっているみたい。(当時はハードでした…私はいまだに課題の作品ができなくて徹夜する当時の夢をみます)
でも、これも考えようで消化するゆとりが出来たともいえば、わるくないなあ。

それとやっぱりみんな、修了後(卒業後)はどうやって生きて行くかとても不安に思っているみたい…。でもまだ1年生だし地道にやっていけばいいからね。

最近、こうした漆に関心のある若い人から、話を聞かせてほしいと言われる機会が少しずつ増えてきました。漆をめざす人には、私たちはきちんと仕事をまわしているプロに見えるんだなあ、としみじみ実感しました。
でもそんな私自身、自分の方向性を見いだす数年前まで、彼女たちのようにきちんと仕事をしている作家さんや先輩の工房に行き、話を聞かせてもらったりいろいろ教えてもらっていたのでした。(そう、松本はその道25年のベテランですが、私は27で研究生になったというロースタ−トだったのです)だから、彼女たちの不安もとってもよく分かります。

きょうは仕事らしい仕事はできませんでしたが、私たちもとってもいい刺激になりました。後輩たちに「漆をどんどんやっててもいいんだ」と勇気を持ってもらえるよう、これからも頑張らなきゃ!と思った1日でした。


posted by 宮崎佐和子 at 23:07| Comment(4) | TrackBack(1) | ■ 日記

2007年01月13日

■漆刷毛の切り出し/1


漆の仕事で欠かせないものの一つに「刷毛」があります。
これは特殊な道具で、まっすぐに梳いた女性の髪を糊漆でぴったり固め薄い板で貼り合わせ作ったものです。
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まだ一度も使っていない、全通し(端から端まで毛の通った刷毛のこと)の刷毛。
力をこめる仕事が多いので、補強を兼ねて麻布を漆で貼って朱漆を塗っています。
このままでは使えません。持ち主自身が先を切って毛を出し刷毛の用をなす部分を作らなくてはいけません。それを「切り出し」と呼んでいます。
その仕事の出来いかんで、その後数年間以上におよぶ漆の塗り仕事の質に影響が出るので、慎重かつ丁寧にやらなくてはいけません。

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完全に毛の通っていない端っこは角度を付け切り落とし、切り口を鉋などで揃え、それを基準面とします。

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刷毛の毛の長さを決め、毛引きでその長さ分切り込みを入れて、印をつけます。この長さ決めは、塗り仕事の内容や刷毛の厚みなどによって自分で決めるのですが、その“きめどころ”は微妙です。

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「へら太刀」でまず片面、板を削ります。

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返してその裏の面も同様に削ります。

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側面から見ると凸型に切り出せました。
(次回続く)


この「切り出し」の仕事は、自分の道具のメンテナンスの一つなのですが、めったにする機会がありません。
なのでこの機会に記事で様子を紹介していきたいと思います。


posted by 宮崎佐和子 at 23:18| Comment(7) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2007年01月12日

■トラブルその後。


風邪の方は松本は全快、ばりばり仕事しています。ひらめき
私のほうはひきかけから大事にいたらず、よかったんですが、
まだボンヤリしています。(気のせいか視界が狭く感じるよう…)
さっそくお鍋のフタを落として割ってしまい…ショボン。今日はおとなしくしています。

壊れたハードは、さっそく新しいものを二つ買うことにしました。一つは常用で一つはバックアップ用。また、モノが増えるなあ。それにあわせて松本がパソコンのソフト環境を整備したので、ちょっと使いやすくなったかもしれません。
今まで使えなかったブログの機能が使えるようになりました。

運送事故の方は、もう電話かかってこなくなったのでぶじ処理が進んでいる…?と思います。

そういえば!
2日前に食材を買いにスーパーに行ったのだけど、アレ〜納豆さんが一個もないよexclamation&question 納豆コーナーにいつものパックが一つもなく不毛地帯になっている不気味さに「もしかして大豆になにか危機が」と思いつつも、別のお店に寄る元気もなく帰ったのだけど、その理由を知ってびっくり。
やっぱりテレビの影響力ってすごいなあ。
ダイエットしたい人が納豆をガバッと買い占めているんだ… 

納豆食べたかったなあ〜〜。

(きょうはユルユルですみませんあせあせ(飛び散る汗)
posted by 宮崎佐和子 at 19:59| Comment(6) | TrackBack(0) | ■ 日記

2007年01月10日

■どうもツイてない日々です。


松本の風邪は快方に向かっていますが、こんどは私の方がひきはじめたみたいですバッド(下向き矢印)
しかも!パソコンのハードディスクが壊れてしまいました。ががーん。しかもトドメをさしたのは私らしいです。ここ2年間のデータが音も無く消失…??ホント?ツラ過ぎます。がく〜(落胆した顔)
工房はじまって6年、その関係の危機は何度も遭ったんですが。今度はそうとうデカイかも…。いちばん辛いのは、写真のデータだなあ〜もう二度と撮れないからなあ。

・・・・・・・・・

しかも、以前お知らせした作品の搬送事故ですが、運送屋さんとのやりとりがストレスになってきてます。
かなり前、ネコの名前の運送屋さんでも搬送事故があったんですが、その時は迅速に動いてくれたうえに支店長さんがあいさつに来てくれました。
今回は…!?
面倒なんであんまりくわしくは書きませんが、きちっとした会社組織とは思えないシロウトっぽい対応にビックリしてます。
ドライバーさんに説明しても事故担当と思われる女性にはまったく伝わらず、その女性は同じ社のドライバーに聞かずひっきりなしにうちに電話していろいろ聞きまくってきます。(しかもその聞き方が要領を得ない)
しかもその女性は急に「壊れた棚の写真を出せ」とうちに言ってきたことがありました。おかしいな〜と思って後で問いただしたら、その壊れた棚をずっと資料に預かっていたにも関わらず、写真も撮らずにうちに先日帰したそうです。そして破損の写真が要り用になったのだとのこと。
なんで、うちが日中の仕事の時間を割いて、その社内書類用の写真を用意せねばならないのexclamation&question
しかもその女性は「棚、直さないんですか〜?」ということを、悪意があるのかないのかナチュラルに聞いてくるので疲れます。ふらふら  

・・・・・・・・・


でもやっぱり大きいのは、失ったデータでしょうか。
(そして新しいハードディスクを買う予算)

しかしまあ、戦後の焼け野原から始まることを思えば、バーチャルのデータの2年間が消えたことなぞちっちゃいことです。
早くよけいなことを片付けて、こつこつ復興していこうと思いますiモード
posted by 宮崎佐和子 at 20:04| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 日記

2007年01月09日

■工房内に、研摩ろくろが入りました。


年末から続いている、工房の改造。おかげさまでやっとおさまりました。
今回、いちばん使い勝手がよくなったのは、漆の研摩作業でしょうか。塗り重ねの際、塗面を軽く研摩するという欠かせない作業ですが、かなり時間のかかるものです。そこで丸もの(お椀等の丸い木地)は、研摩用の回転ろくろを使います。
今回は、その研摩用ろくろを室内に移動したのでした。
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松本の漆仕事部屋の奥の小部屋を改造して、室外の木工場に置いていたろくろを設置しました。このろくろ、松本の父が使っていた古いものですが、健在です。
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さっそく頼んで、丸重箱を研摩をしてもらいました。
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ずっと室外に研摩ろくろがあったので、忙しい時は深夜あかあかと電灯をつけてちょっと怪しい人に見えたり(笑)、夏は蚊取り線香が欠かせず、冬は寒くて仕事がはかどらなかったりしていました。
でも、室内で仕事ができるようになって、とっても楽になりました!
しかしながら今回の改造は、計画・設計・施工と松本がほとんど1人でしたので、けっこう堪えたみたいです。(私はネコさん同様あまり役に立ちませんダッシュ(走り出すさま)

さて、すぐ薬を飲んだのが良かったのか、松本の風邪は良くなっています。よかった〜^^。
仕事場が整ったので、新たな気分でやっとやっと仕事にのぞめます。今月の後半に今年最初の作品展があるので、気をぬかずにがんばりたいです。
posted by 宮崎佐和子 at 19:08| Comment(2) | TrackBack(0) |   道具

2007年01月08日

■松本が風邪をひいてしまいました。


松本はいま、風邪ひきさんです。バッド(下向き矢印)
先日、松本の母と妹が続けて工房に来て、わいわいとニギヤカに仕事をして楽しかったのです。が、二人ともは風邪が治ったばかりの状態だったのでした…!
(松本が電話で、母と妹とまったくおなじ症状であることを確かめて「おまえは〜パンチ」と怒りつつも「やっぱり同じ遺伝子やのー」と妙にナットク)^^笑



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さて、ネコさんお気に入りの松本作業スペースの木屑入れの箱。なななんと、今度は二匹が一緒に入っています(箱がこわれる〜〜)

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最初ミルが寝ていたところ、むぎが襲撃・
巨体をむりむり押し込んだもようです。

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いつになくゴキゲンのむぎ。

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あっ、ミルがウツロな目をしている…


この箱(フェリシモの段ボール)は、二つの肉塊を支えきれずやっぱり壊れてしまいました。^^: でも「そんなに気に入ってるんなら」とガムテープでなおしてやり、ふたたびネコさんたちが入れ食い状態で出入りしているのでした iモード
posted by 宮崎佐和子 at 22:32| Comment(6) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2007年01月06日

■漆の木の根っこについて。


ものごとは、表面化しているもの・目立つものばかりに気をとられがち。漆の木でもそうです。葉っぱや幹や枝の成長ぐあいにまず目がいきやすいのですが、漆の木にとって同じくらい大事なのが地下の根っこです。

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漆の根。先端部分の細かいところです。

木の根といえば、地下に深く入り込んでいるようなイメージがありますが、漆の根っこは、比較的地表近くを広範囲に伸びるように走っています。

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漆の根を掘り出す様子。
以前、分根して作った苗木から根を採ってます。

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出てきた漆の根。


この根を使って、また漆の苗を作ることができます。これは“分根”という方法で親木と同じ遺伝子の苗を得られます。(いわゆるクローンですね)
この根っこを切断するだけで、その切り口から“ひこばえ”が出てくることも。研究生時代、徳島の漆かきさんと一緒に山に漆の根を採りに行ったことがあるのですが、漆の木のある土地の奥さんが「漆の木、いらないからどんどん採って」と言ってくれ、たくさん根っこを切って持って帰りました。しかしその数年後、奥さんの思惑とは裏腹に、漆の木のひこばえがさらにいっぱい生えてきて、往生したという話を聞きました。(^^;)
思わぬ木の生命力にびっくりするとともに、その奥さんが気の毒でならなかったです iモード
posted by 宮崎佐和子 at 21:01| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 和漆の木について

2007年01月05日

■漆のフリーカップ。


工房の定番となったフリーカップ。作るようになって4年ですが、まるくてやさしい形が好まれるのか、もう確実に2000個くらいは作っています。

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「フリーカップ」Kazuaki Matsumoto
漆/岩手県産うるし使用 木地/トチ


漆のベビースプーンと一緒に使うと、ほっこりあたたかい漆のやさしさが肌感じられます。
工房でつくるものは、木地が作りきりのもの、以前紹介した飯器のように欲しくても木地が現存するものしかないもの、また気まぐれで作ってもう再制作したくないもの・できないもの…といろいろあって、安定して作っている器はたぶんこのフリーカップくらいでしょう。
たくさんの方に漆の良さを知っていただくために、このカップは当分作っていこうと思います。

・・・・・・・

※工房の作品は基本的に作品展会場のみでの販売ですが「OMエコショップすが」さんでのみ一部ネット販売しています。(ずっと作品追加できていないので少ないですが、フリーカップのみ少数あります)
また、ほかにも環境や心にやさしいアイテムがたくさんありますので、ごらんになってください。


posted by 宮崎佐和子 at 22:03| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ 和うるしの作品

2007年01月04日

■珍しく親子で仕事しています。


さて、きのうの仕事の続きです。
松本の亡くなった父の時代からの、漆の頼まれものを仕上げるべく、松本の母が工房に来て仕事をしました。今回は主に研摩。松本が「研ぎさえやっといたら、あとは塗っとくけん」(←この研ぎの下仕事がけっこう手間なんです)
…という具合で、義母に上塗り前の研摩をしてもらったのです。

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珍しく三人でのショットです!
(松本は木地削り、私は会計中…)


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松本の母テルコさん。

う〜〜ん、ひさびさにテルコさんの濃いさぬき弁を間近で聞きました。世代を経るにつれ、方言の密度が落ちているような気がしました。

とりあえず今日は研摩がぜんぶ終わり、一安心。(でもこれからが塗りにはいるまでが時間かかるんだよね) テルコさんいわく「まだうちにお盆とか残っとったで」ってまだ頼まれ仕事がたまっているようです…あせあせ(飛び散る汗)

“職人さん”がどんどんいなくなる、という話はあちこちで聞きますが、身近でこう様子を見るとなかなかせつないものがあります。義父はまだ若くて体は健康だったので「そろそろ工房の仕事も手伝ってもらおう」と思っていた矢先で、松本は今なお「親父〜死にやがってこの〜」と怒っています。笑 
義父は腕が確かな人だったので、ほんと今でも惜しいです。

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さて、きのうから松本の母と妹が工房にいるので、ネコさんたちは緊張の連続です。^^; 年末に私の実家に預けられて、甥っ子二人の洗礼?を受けて人なつっこい“むぎ”までもがビビリネコになっています 晴れ
posted by 宮崎佐和子 at 22:30| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2007年01月03日

■きょうのできごと。


きょう、松本の母と妹がたくさんの荷物を持って工房にやってきました。その荷物とは、漆の頼まれ仕事の数々。おととし亡くなった松本の父あてに来ていたものです。
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お盆や木彫の鏡とかいっぱいあります。


義母も漆の仕事はできるのですが、義父なきあとは一人ではなかなか進まないので、うちに来て一緒に仕上げることになりました。
…ということで、明日は親子で仕事をする予定なのですあせあせ(飛び散る汗)


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今度は、ミルミルが松本の作業スペースで寝ています…
posted by 宮崎佐和子 at 20:55| Comment(2) | TrackBack(1) | ■ 工房の仕事
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