2007年01月19日

■砥石を漆で“固め”しました。


引き続き、砥石のことです。
きのう松本が買った天然砥石たちですが、どれも割れやすそうな「顔」をしていたので、漆で固めました。どんな方法でその作業をしたかというと…

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リグロインで薄めた漆(岩手県産・裏目精製漆)を砥石にしみ込ませます。ラップに砥石を包み、そのラップの中に薄めた漆を流し込み充填させます。しばらくするとクラック(亀裂)の中やピンホールに薄めた漆が入ります。
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1時間程度置けば、木材ではないので十分石のすき間に漆が浸透すると思います。ラップを外して、余分な漆をウエスで拭き取ります。(しばらく置くと残ったリグロインはすぐに揮発します)
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漆を焼き付けするほどでもないので、ふつうに「室」に入れて乾かします。(石のきめが違うので、吸い込む漆の量が違ってそれぞれ色の濃さが変わっています)

全体に漆を施しましたが、砥石の使う面は「面出し」するので、漆の塗膜はすぐなくなってしまいます。(石自体にはほとんど吸い込まない) 天然石に隠れているクラックやホールを漆で埋めて過剰な水の出入りを止め、剥離を押さえる効果があります。
※この作業は2〜3回繰り替えします。

・・・・・・・

この前、「うわー」という叫び声が流しから聞こえてくるのでビックリしました。何ごとか?と思ったら、松本の使っていた小さなコッパ(天然砥石)の一つが、なんの前触れもなく?割れてしまったらしいのです。(割れた、というよりも二つに剥がれたという感じです。とにかくリアクションが大袈裟で驚いた)ホントにきれいに二つの砥石になってしまってたので、ちょっとおかしくなりました iモード



posted by 宮崎佐和子 at 21:24| Comment(2) | TrackBack(0) |   道具
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