2007年05月31日

■今年の「漆かき」研修生の皆さん。

さて、いよいよ漆かき(漆樹液を採取する作業)のシーズンが今年もやってきます。^^
今からはや7年前、松本は2000年に、文化庁の委任団体「日本うるし掻き技術保存会」の研修生として岩手県に赴き、漆かきの技術を習得しました。
さて、今年の長期研修生の二人のうち一人として、長野県在住の竹内義浩さんが6月上旬から行くことになっています。
竹内さん、実は漆芸研究所の修了生で私の1つ学年が上でした。なので私の先輩、そして松本には後輩にあたる方です。
以前から研修希望されていたんですが、なかなか空きがなくて、数年待ってたという待望の研修なのです。

ほか、知人の研修生として広島の新宅さん(短期研修が超人気のため?やむなく自費で研修だそう)、京都の臼杵さんが短期研修で行かれます。(お二人とも木工芸の方ですね^^)


ここ最近なんだか、人気が高まっている?らしい漆かき研修。
松本が行った当時は、希望者が少なすぎて即入れたんですが…。あせあせ(飛び散る汗)
しかも「漆かきの勉強のために岩手に研修に行く」と言っても周囲の皆さんからは、『何しに行くん?』
というクールな反応だったのですがたらーっ(汗)(実は私もけっこうびびってた)あれから数年、今はこんなに漆かきを学びたいと言う人が増えるなんて…
漆という素材に対する理解が、少し広まってきたように思います。
そんないきさつだったので、今回、漆芸研究所の同じ修了生が浄法寺に行くのは、私たちにとってもうれしいことなんです。
さて、竹内さんからは、浄法寺の漆かきの様子をブログ用にお知らせしてくれるとのこと。
今年のシーズンは、香川県と岩手県、両方の漆の木の様子を皆さんにお知らせできそうです。晴れ



5/31お地蔵さんおまけ。
浄法寺町の天台寺(瀬戸内寂聴さんが住職をされたことで有名なお寺ですね)のお地蔵さん。
浄法寺と聞くと、このお地蔵さんの顔を思い出します。ハートたち(複数ハート)


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※ひとことコメント
posted by 宮崎佐和子 at 21:04| Comment(8) | TrackBack(0) |   竹内さん研修報告(2007年)

■ブログメンテナンス終わりました。

この「和うるし日記」が登録している「さくらのブログ」さんが5/30はメンテナンスのため、終日ブログが閲覧できない状態になっていました。
メンテナンスが無事終了し、通常どおりに見られるようになりましたので、今後ともよろしくお願いいたします。^^

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posted by 宮崎佐和子 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ お知らせ

2007年05月29日

■漆の葉っぱに異変が…?

さて、今晩から少し雨が降り始めて…
すこしホッとしています。
先日ちらりとふれましたが、香川県は早くから「渇水」の恐れがあって節水対策がとられていました。雨量が少ないのは香川県の宿命なのですが…

5/29 漆の葉1
漆の葉っぱにもう黄色い葉っぱが。

ここ最近、こんな黄色い葉があちこちにあって…。
本来なら、漆の黄葉は「真夏になったよ」という漆の木のシグナルのひとつでもあるんです。(去年は7/26の日記に黄葉が出来たことに触れています)

5/29 漆の葉2
しかも黄色い葉ばっか散って…ナゼ? ふらふら

5月末にこんなことがあるなんて、漆の木を見続けてから初めてじゃないかと思います。
今年も異常気象だったらどうしよう…
(すでに今年は暑い夏、との予想が出ていますが)
なんとも気になる出来事なんです。

5/29 アシナガバチおまけ。
今年も肉だんごを作るママハチ。
(巣の中には美味しそうな幼虫さんが…)


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posted by 宮崎佐和子 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ ウルシの木の記録

2007年05月28日

■はつりの一人飯器。

さて、ただいま新作をいろいろ仕込み中の工房ですが…
その中でも、私がとっても出来上がりを楽しみにしているものがあるんです。

小物入れ1
それは、この「飯器」。
まだ、中塗りの段階ですが…

以前、紹介したトチの木の飯器と同じく、香川県で約35〜40年前に挽かれた古い木地です。
ラインは同じタイプなのですが、表面に独特のはつりがあっていい感じ。それと、心憎いのはこの大きさなんですexclamation

小物入れ2
ほら、こんなに小振りで可愛らしいのです ハートたち(複数ハート)

あまりに愛らしさに、すかさず私は松本に赤い仕上げをリクエストしました。笑 
松本によると、これは「一人飯器 (いちにんばんき)」という器だそう。名前の通り、ひとり分のご飯を入れた器なのです。
「飯器」なんて、一部の旅館さん以外はめったに使わなくなったような器ですが…。
わずか数10年前は、こんな可愛らしい飯器が愛用されていたんですね。^^ 今なら、小さなとっておきのお菓子をそっと入れるような、使い方をされるんでしょうか…。手にされる方におまかせしようと思います。
これは朱溜めになる予定ですが、単なる朱溜めでなくて古い木地らしく、深みのある味のある赤い器に仕上がると思います。

出来上がりまであと少し…楽しみだなあ。^^

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posted by 宮崎佐和子 at 20:28| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2007年05月26日

■蓋付き椀に桜を描いています。

さて、来月の東京展(日本橋三越さん)に向けて、工房は追い込み中です。ご案内状もそろそろ出来るし…。いよいよって感じです。^^

5/26桜の椀1
さて、今私が手がけているお椀です。

きゃしゃな作りの上品なお椀で、どんな図にしようかなあと悩んだのですが、満開の桜をイメージして描いています。

5/26 桜の蓋付き椀2
まだ絵は途中なんだけど、蓋付きになると、こんな感じ。
見込みが広く浅くて、繊細な感じのお椀です。5個組なのですが「図案」って感じできっちり図を決めずに、桜の花柄はそれぞれ入り方が異なるように気ままに描いています。ムード
銀泥の蒔絵ですが、塗り立てにする予定。(磨きをしないので、落ち着いた仕上がりになると思います)

それにしてもここ最近、ずっと細かい仕事をしているので、もう肩コリコリだあ。(><)
湿布貼ったり(ネコさんが匂いを嫌がって近寄ってこないあせあせ(飛び散る汗))軽く体を動かしたり、ちょっとお酒飲んだりしでるんだけど… 気温の変化が大きいせいなのか良くならないなあ。
頭が痛くなったり食欲も落ちてきたり、うーん困ったなあ。
肩凝りは日本人の国民病みたいなものですよね…。皆さんはどんなふうに凝りをほぐしてらっしゃるんでしょうか。iモード

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posted by 宮崎佐和子 at 22:48| Comment(8) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2007年05月25日

■漆の花に実が付きだしました。

先日、お知らせした漆のかわいいお花。
実は少し前からもう実がなってきているんですよね〜。^^

5/25漆の実1
花びらはもう枯れてきて…
実になってきてるの、わかりますか??

5/25漆の実2
もっとアップ。
ほら、ふくらんできているでしょう?


5/25漆の実3
これなんか、もうすっかり実らしくなってます。


5/25漆の実4
さて、先日「木によって花が違う」と書きましたが、こんなふうに違うのです。左の花は、清楚な感じですが、右のお花は黄色くおおきなしべがついていて、たっぷり花粉を出します。(この花粉がハナムグリさんが大好き)
そうなんです!
この花粉を出す黄色いしべのお花は「雄花」らしいのです。
なので、この「雄花」たちはもう枯れてしぼみかけているのが大半ですが、左のタイプ「雌花」たちに、緑色のかわいらしい実が実りつつあるのです。ムード 
(漆の木には、やっぱり雄の木・雌の木があるらしいことが、ここ数年の観察で分かってきました)
ちゃんと実がつくのも、せっせとハチさんやハナムグリさんが通ってきてくれたおかげだなあ。

去年、できた種を撒いた発芽も30個くらいになって、双葉ちゃんの兄弟がどんどん増えてきています。(毎日、新しい芽が登場してるんですよ!)

さてさて今日はひさしぶりの雨で、緑にとっては恵みの雨でした。
ご存じの方もおいでると思いますが、香川県はさっそく渇水で節水対策がとられています。
今日の雨も水不足解消にはいたらないそうだけど… 木々やカエルたちが喜んでいるのがよく分かります。iモード

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posted by 宮崎佐和子 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ ウルシの木の記録

2007年05月23日

■美味しいパンの玉手箱。

東京のお客さまから、先日、パンの贈り物を送っていただきました。
その方が言われるには「漆で例えるなら松本なみの変わり者が作っている」パンだそうで…。ええっいったいどんなパンなのでしょうか??

5/23 パン1
わったくさん入っています!

その数8種類… マニアックなオーラに満ちています。
パンが好き(おいしいパンに限る)な松本はもう大喜びです。「ふわっと粉のいい香りがするぞ。これは製粉から気を使っているパンかな?」ともうチェック入れてます。
私はそんなことは分からないんだけど「わ…パンのパラダイスだあ…」と思いました。

5/23 パン2
松本が特に気に入っていたパン。
何かの穀物が入っています。

平たい円盤状のパンでした。「これだけ皮が厚いな…焼きに少し時間をかけているな」軽くトーストすると、ややもっちりしてお餅を感じる風味でした。

5/23パン3
私はミーハーなのでチーズ入りパン。ハートたち(複数ハート)

これは2種類のチーズ(ブルーチーズとカマンベール)が生地に盛り込まれていて、これだけでワインがすすんじゃいます。このチーズがとってもおいしい。しかもこの濃厚なチーズの味にパン生地が負けてないんですよね〜。


松本はこのパン屋さんのいろんなこだわりを感じたそうです。
パン生地の中のいろんな素材がしっとりなじみ、よく発酵できて肌理もきれい(各パンの断面をにらみながら食べてましたあせあせ(飛び散る汗))、力があるのに軽く柔らかく、小麦粉の持つよい香りがする…。おそらくいいものだがけっこう癖のある素材を使っているのではあるまいか。それをうまく使いこなして仕上げている。以上/松本談。

私は、味オンチなのでそこまで分かりませんが…。^^:
食べ慣れたふつうのベーカリーのパンは、ふわふわで綿菓子みたいに感じます。(市販のパンはなんとかという調整剤が入っているんだそう)
このパン、松本と違って柔らかいとは私は思わなかったな…しっかり食べごたえがあって、食事用に十分満足できるものでした。
素材や製法にこれでもかと心配りをしているのに「ほら凄いだろう!」という派手な主張は一切なし、毎日食べて飽きないまるで某讃岐うどん屋のようなパンなのです。

都会には、こんなパンの良さを理解して買い支えるお客さまがいるんだなあ。地方だとそうはいきません。「めんたいこフランス」とか「おにぎり入りパン」とか、分かりやすいパンじゃないと注目されないし、以前、工房の隣町にけっこうこだわりの渋いパン屋さんが出来たですが、あっという間に軟派なラインナップに変わってしまって松本とがっかりしたことを思い出しました。

なんだか、漆と共通するものがあって、つくづく考えてしまいました。iモード

追伸/これは伊勢原市の「ブノワトン」というこのパン屋さんでした。お近くの方は一度試してください。^^

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posted by 宮崎佐和子 at 20:47| Comment(13) | TrackBack(0) | ■ 日記

2007年05月22日

■漆の芽が次々と…^^。

5/22漆の芽

きょう見たら、発芽したものが増えてきました。ハートたち(複数ハート)
徳島の漆の方が、早いらしくてもう4〜5個くらいあるのに、岩手の漆の方はまだ一つ。新芽が出るのも遅かったので、おくてなのかもしれません。
夕方見ると、朝にはなかったところに芽が出ていたりして、すごく気になります。

蒔いた種は相当あるので、まだまだ出るはず…
(かいわれ大根状態になるはずなんですが)
とっても待ち遠しいなあ iモード





posted by 宮崎佐和子 at 19:38| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ ウルシの木の記録

■漆の仕事でご飯が食べられるのか/2

なぜ、「漆の仕事では生活ができない」と言われるのでしょうか。
さてさて、まずは「漆の仕事」と言っても、いろんなケースがあります。

・漆の企業さん。(漆器の量産販売をする会社、工房が小規模な企業となった会社など形態は様々です)
・漆の職人さん。(工程が細分化されているので多くの職種があります)
・漆の作家さん。(美術工芸家、クラフト、木工等、作風や師事する先生によっての系統があります)
・漆に関連する仕事。(漆の道具の制作、漆掻き等)


確かに、どれをとっても難しそうなものばかりです。
事業の規模が大きいと大きいなりの厳しさが、小さいと小さいなりの厳しさがあります。(たいへんだ…あせあせ(飛び散る汗)

では、なぜ厳しいんでしょう??
実際に詳しくリサーチしたわけでもないのですが、しばらくこの世界を見聞して感じるのは、この不景気もありますが、やはり伝統工芸のお客さまが少なくなったことでしょうか。
本物を見極める目を持った方、嗜好がはっきりしてそれをとことん求める方が、減ったことが大きく関係しています。
そんなお客様が少なくなると、材料の良し悪しはだんだん問われなくなってきます。そして質のよい漆、いい漆の副資材も需要がすくなくなり、するとそれを生産されている所は疲弊して、仕事を畳むことになります。(こういった技術は一度途絶えるともうもとには戻りません)
そういった伝統工芸の底辺を支える部分がぜい弱になって、やがて漆工芸全体が閉塞していくことになるように思います。ふらふら
(とはいいつつも、お客さま自体が減っているので、全体の顧客層が沈んでいるといえます)
そんな状況で、昔はできたいわゆる「のれん分け」、弟子や分家の子供に仕事と顧客を分けるという余裕もなくなってしまい、広がることも難しくなりました。ということは、ますます先細りという自体になっていきます。
……そんな状況に、なんの理由もなくいきなりなったわけでなくって、ちゃんと歴史背景があるのですが、また別の機会に、ということで…。

また、漆をされる方が「食べて行けない」と言われる理由に、別の見方もできます。
個人でのお仕事の場合なのですが、漆工芸というと特殊な匂いがしますが、突き詰めればフリーの自営業なのです。なので、当然、営業や宣伝、信用、人とのつながりというものが欠かせなくなります。
だから、そういった観念がないまま「漆工芸は特別な仕事だ」と考えて漫然と物づくりをしているだけでは、行き場のない作品がたまる一方になることに…。
また、そうは思っていなくっても、いわゆる物づくりばかで、そういったおつき合いが苦手な方も難しかったりすることもあると感じます。(でもそういう方の作ったものはけっこう面白かったりして…)

さてさて、ごく表面的なことを、思いつくまま書いてしまいましたが (^_^;)(たぶん、同じ疑問を持っている方と話をしたらきっと話題が尽きないことでしょう)
「食べていけない」と言われるゆえんは、社会全体の事情とそして漆工芸という、一見特殊に見える仕事とどう向き合うか、という個人の姿勢との両方が、関係しているように思います。

でも、こういった状況は、漆工芸に限らず他の工芸、そして他の分野の職種にも言えることかもしれません…。

とにかくこういったことを「食べていけない」と嘆くだけではなくって、前向きに「知ってもらおう」という努力は忘れないようにしたいなあと思います。iモード

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posted by 宮崎佐和子 at 14:14| Comment(6) | TrackBack(0) |   思うこと

2007年05月20日

■漆の種から芽がでていました!

5/7 に播種(種まき)をした漆の種。東京から戻るとひとつだけ、発芽していました exclamation

5/20漆の発芽
まるで“モヤシ”そっくり…!?


今回は、脱ロウがうまくいったかとても心配だったのです。
(漆の種は周囲にロウが厚く巻き付いていて、自然発芽が非常にしにくい)
なので、発芽にはロウの除去が欠かせないんですが、経験が少ないのできちんと処理できたかハラハラ。
脱ロウしたあとは、水に漬けて皮を柔らかくするのですが、それがなかなかいい状態にならず、昨年よりもうんと長い期間水に漬けていたんです。

「なかなか発芽しないねえ」
「ちょっと水に長く入れ過ぎたかなあ…」
「でも、これなんかもうだいぶ皮が割れてきているよ。もうちょっとじゃない?」

とかいいながら。笑
まだ、確認できたのは一つだけだけど、心強い1本です。
どんどん次から出て来てこないかなあ。





posted by 宮崎佐和子 at 20:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ ウルシの木の記録
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