たいていは、若い記者さん、ライターさん。
漆工芸の存在を根底から問うような、素朴でしかも大胆、でもふだんこういったものを意識していない方にとってはふと問いたくなるような疑問なんだなあ、と気付かされます。
漆の器でなくても、ご飯は食べることができるし…
なぜ、器に漆を塗るのか。
なぜ、漆で絵を描くのか。
いったいなぜでしょう?? (゚.゚)?

それは、皆さん持っている「答え」は、きっと違うと思います。
「漆は美しいから」「水、酸、アルカリに強い塗料だから」「漆はいいものだから」「抗菌性があるから」「高級感があるから」「天然素材で安心だから」等、いろいろあると思います。

私たちは、こうおたずねされた時は、
「日本人だからです」と答えています。^^
日本人が何千年もの昔から、大事に使ってきた、高級ですばらしい素材なんですよね…。私は「漆」が日本そのものに思えることがよくあります。
松本は「日本人のやせ我慢やなあ〜」とよく言っていますが…。笑
使って心気持ちよく、しっとりとした気分になれるのも漆のいいところですが、それを感じる感受性を持たない人にとっては、漆は関係ないものになります。
漆って、それを必要をする人のために今もあるのかもしれません。
それにしても、若い方の質問にはびっくりすることがたまにあります。
お椀を持って、「このどこの部分が漆ですか?中の木ですか?」とお聞きされたことも

漆って「よく分からないけどかぶれるもの」というくらいしかご存じなくって、木の樹液で塗料と知らなければ、「じゃあいったいこのお椀のどこの部分が“漆”になるんだろう」と思われるのは当然なのかもしれないなあ。

いやいや世の中、びっくりすることはまだまだあるみたいです。