久々に「貝」を買いました…。
とはいっても、漆芸用に加工されたいわゆる「擦り貝」(※貝殻の美しい真珠層を薄く均一に研いだもの。厚貝・薄貝がある)ではなくって野趣あふれる「原貝」です。

工房にやって来た、10個のメキシコあわびたち。

この貝の外郭は、虫に喰われて細かい穴でびっしり。
珊瑚のようになってます。
この無骨な殻を削って磨くと、中からブラックオパールのような美しい虹色が姿を表すんです! しかも磨くたびにどんどん景色が変わっていって…。まるで夢の中を漂うようなこんな美しい色を、貝が持っているなんて本当に不思議です。

自然のものなので、形も大きさもまちまちです。
(むぎ君のお尻を背景にしています… ^^:)
(むぎ君のお尻を背景にしています… ^^:)
真ん中のウロコのようになった丸い斑紋部分が、貝柱のくっついていた部分ですね。(でっかいなあ)

う〜〜ん、きれい…。
このアワビさんの育った海もこんな色なんだろうなあ
このアワビさんの育った海もこんな色なんだろうなあ

色味も大きさも輝きもまちまちで惹き込まれてしまいます…。楽しくって「どれが一番キレイか」なあんて見比べてみるけど、個性それぞれで分かりませ〜ん。(きっと中身も美味しいんでしょう)
この「メキシコあわび」、メキシコの海で採れているのかと思いきや、数が減って、今はニュージーランド産が大半なんです。
(この子たちは残り少なくなっているメキシコ産)
以前、夜光貝の取材に奄美大島や徳之島に行って貝の美しさの虜になったのですが、やはり海中環境の変化で貝たちの暮らしも厳しいんだそうです。(滞在中に、夜光貝の貝柱のお刺身をいただいたんですが、美味しいのなんの。贅沢なお味でした)ほんとうに、漆工芸って自然の恵みを受けているんだなあと感じました。
この貝たちは、カットして自然の色や造形を生かした作品にしたいと思っています。(それにしても、ほんとうに原素材が好きですね、私たちって…
