二人とも、木屑だらけ、粉だらけです。^^

松本が、作品展中の「実演」で彫り溜めていたスプーンの木地…。彫りあとを残さない金属のカトラリーのようなつるつるのテイストのスプーンなのですが、このタイプは、この段階から研磨して完成木地にするのが、とっても大変なのですね。(和うるし作品「漆のスプーン」の右タイプですね。左のようなテイストは研磨仕上げの工程がないので、そこまで時間はかかりません)
なので、松本がもうひと工程加えて、彫り上げた木地をさらに細かく刃物で松本が整形することにしました。今までは、木地づくりは最初から最後まで、松本だけしかできなかったのです…。(漆仕事に入れば、私も仕事ができるんですが)
これが、漆スプーンを少ししか作れない一番の理由でした。
しかし今回、工夫して、ひと手間かけて整形をさらに精密にすることで、なんとか私もスプーンの研磨仕上げができるようになりました!


今まではこの状態が「仕上げ彫り」でした。しかし、今回からさらに精度を上げた下の写真の状態を「仕上げ彫り」としました。

溜まった仕上げ彫りの木地。ここまで精度を出してくれていると、私でも研磨で整形仕上げできます。

手前が研磨仕上げを途中までした木地。他は、いろんな漆の工程にに入っているものです。(いちばん奥のスプーンたちはもう行き先が決まっています)
さてさて、漆の仕事に取りかかれる状態の木地を、今の時期に集中してある程度作っておこうということになりました。
…それにしても、一枚板からここまで形作るのって、手間がかかります。それに、この形にするまでにたくさんの木材を削り捨てている…ということでもあるのです。木が大きく育つ年数を考えると、木と漆のものって、本当に贅沢だなあ〜と思います。
もしこの漆スプーンを手にされる機会がありましたら、そういったことを思い出していただければ、漆も木も喜ぶと思いますよ。^^