2007年08月31日

■漆のリップペンダント。

8/31漆のリップペンダント1
「リップペンダント」2007年8月制作 
漆/岩手県産うるし使用 


赤い花びらかくちびるみたいな、軽やかな形のペンダント。
今までのものと、あまりにも造形が違ったので思いあぐねて木地を塗り重ねした状態のまま、ずーっと置いていたものですが…。
「とにかく完成させよう」と思い立ってシンプルに仕上げました。
朱漆と淡い金で、やさしい感じになったと思います。


8/31漆のリップペンダント2
このペンダント、こうして見ると
ハート型に見えるんです。^^

この「リップペンダント」、木地は松本が彫りました。
本当に気まぐれで作ったものなので、もう二度と作ってくれないだろうなあ。


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posted by 宮崎佐和子 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 和うるしの作品

2007年08月30日

■作品展、ぶじ始まっています。

高島屋京都店での「和うるしの器展」がぶじ始まりました。^^
初日から来てくださった皆様、ありがとうございます。

8-30 matumoto1
今回も、松本は彫りの実演をしています。
(愛用の刃物や砥石をいっぱい?持参してます)

8-30 matumoto2
手始めはスプーン製作。楽しそう…。

一昨年と昨年の実演で彫りためたスプーン木地が、やっと完成品となって、今回はたくさん並べられています。いつも来てくださるお客様に「こんなにスプーンが選べるほど並んでいるなんて初めて見たわ」と言っていただいたくらいです。
でも、これらもどんどんなくなっていくことでしょう…(また作らなきゃあせあせ(飛び散る汗)

さて、いつも会場には、漆かきの資料を持っていくのですが…。
今回、京都の会場に来た漆の木さんはこの子です。^^
8-30 urusinoki
松本が平成13年に徳島で
漆掻きをした時の阿波漆の木なのです。
(いっぱいいい漆が出たなあ…)


そういえば、今月の2日に注文していた保多織さんのランチョンマットをいただき、今回の展示でさっそく使いました。(保多織さんも同じ高島屋京都店さんでの催事「この道ひとすじ日本の伝統工芸展に出店されています)
なので、初日に「これ…」と保多織の店主さんが上の会場からわざわざ持ってきて下さったのでした。笑
8-30 botaori2
8-30 botaori3
この保多織のランチョンマットは、
組み物の作品のセットにも一部入れています。
8-30 botaori1
これも保多織さんのコースター。
ただし浴衣のはぎれなので、
少ししか手に入りませんでした。

めんばの弁当箱の袋は、もう少しかかるそうです。楽しみだなあ。


さて、京都もずいぶん暑かったそうなのですね。
でも昨日の朝に雷雨があって日中雨が少し降り、そのおかげか少しだけ暑さがやわらいできました。
たぶん私たちは会期中は会場と宿の往復で、せっかくの京都らしさを味わう機会が少ないと思いますが…。
京都の皆さまに十分楽しんでいただけるよう、がんばりますね。

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posted by 宮崎佐和子 at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) |   作品展の様子

2007年08月29日

■漆のフリーカップとパンプキンスープ。

松本が実家から、じゃがいもと大きなかぼちゃをもらってきたので、冷たいスープを作っていただきました。

フリーカップとパンプキンスープ1
スープって簡単にできて美味しいですね。^^
かぼちゃとじゃがいもを輪切りにして塩ゆでし、コンソメスープと牛乳を入れてミキサーにかけて、塩こしょうで味を整えるだけ。
とろり野菜の甘みがうれしいスープの出来上がりでした。

フリーカップとパンプキンスープ2
さて今回使ったフリーカップは、木地溜めに色漆で丸紋をランダムに描いたかわいらしいもの。木が透けて見えますが、すり漆ではなくって、しっかりと漆を塗り重ねています。

暑さに弱った身体には、ありがたい一品となりました。^^






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posted by 宮崎佐和子 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) |   今日の漆フリーカップ

2007年08月28日

■高島屋京都店での作品展のお知らせ。

和うるしの器展
8月29日(水)〜9月4日(火)

10時〜20時 ※最終日は17時まで。

会場/高島屋京都店 6階
特選工芸ギャラリー
椀、酒器セット、丸重箱などのほか、漆絵、アクセサリー等。
日本産漆の資料も展示いたします。


※会期中は松本和明・宮崎佐和子が在廊しますので、お気軽にお声かけくださいませ。^^
8/28 京都作品展
※お知らせ。
朝日新聞 8/29水曜夕刊「A+1」に和うるしの器展の予告が掲載されます。配布地区は大阪・京都・奈良・滋賀・和歌山です。

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posted by 宮崎佐和子 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ お知らせ

2007年08月27日

■あした、いよいよ搬入です。

いよいよ高島屋京都店さんで、作品展が始まります。
今日は、荷造りをしてネコさんたちを実家に預けてきました。^^
京都は1年ぶり…。楽しみです。
年によっては、台風と重なって瀬戸大橋が渡れるか心配することがよくあったのですが、今年は天候に恵まれて調子よく発てそうです。




さて、漆スプーンを「回転室」に入れて乾かしている動画です。
「回転室」とは、塗った器物を固定した桟が、一定の時間で上下逆になるよう回転しては一定時間止まり、また上下逆に回転して止まるという、漆室のことです。
うちは、個人の工房としてはかなり大容量の回転室なのですが、今回ばかりはその室の中がスプーンでいっぱいになりました。

それにしても、お箸やスプーンみたいな細長いもの、どうやって乾かしているのかというと… こんなふうにしてます。笑
お尻の面に、樹脂でつく棒を付けて一気に塗ってしまうのですね。


では明日、忘れ物のないように出発したいと思います。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:46| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆のスプーン制作

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより7

岩手県浄法寺で漆かき研修をされている、竹内さん。
8月下旬の様子を、知らせてくれました。晴れ

本日十二辺二日目。最近天気は安定し、気温は高いがカラっとしている。しかし、朝晩は涼しい。
二十三日に十一辺が終わり、十一辺では漆が一貫百四十匁採れたことになる。
漆はほんの少し赤みがかり、粘りのあるいい漆だ。漆の量も多く、ジワーっと出てくる。十二辺目は場所により急に出る量が減り、漆の色は白っぽくなった。
大森俊三さんの話ではこの時期、急に木がしまるのでいったん出なくなる、樹皮の厚さが半分になり硬くなるということ。冬になると皮はさらに薄く硬くなる。〈竹内さん〉



11辺では漆が一貫百四十匁採れたそうで…、この量は4キロ275グラムになります。夏の漆らしく、やっといい漆がたくさん採れたそうですが…。
もう木は秋の準備を始めて、樹皮が締まってきているみたいです。
東北は、夏が短いのです。
私たちのいる四国はまだまだ残暑で夏という感じですが、岩手はこの後すぐ秋になり、そして長い冬が待っているのです。

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posted by 宮崎佐和子 at 22:42| Comment(2) | TrackBack(0) |   竹内さん研修報告(2007年)

2007年08月26日

■京都での作品展のお知らせ。

和うるしの器展
8月29日(水)〜9月4日(火)

10時〜20時分 ※最終日は17時まで
会場/高島屋京都店 6階
特選工芸ギャラリー

椀、酒器セット、丸重箱などのほか、漆絵、アクセサリー等。
日本産漆の資料も展示いたします。


※会期中は松本和明・宮崎佐和子が在廊しますので、お気軽にお声かけくださいませ。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ お知らせ

■茶櫃(ちゃびつ)が仕上がりました。

以前ここで制作途中をご紹介した茶櫃が完成しました。
注文を頂いて1年少し…やっと、お客様のもとへいきます。^^

8/26茶櫃1
トチ材、尺一(径33センチ)の大きさの茶櫃。
いい感じの艶消しの木地溜めになりました。

「溶剤を全く使わない、100%国産漆ものを探していた」という東京のお客様だったのですが…(うちの工房のコンセプトそのままですね)とにかく漆の匂いを十分飛ばしてほしいとのことで、一回の工程が終わると、漆の匂いが飛ぶまで置いてから次の工程へ進んでいました。

8/26茶櫃 2
一工程すむと、こんな風に蓋を開けて
しばらく置いていました。

8/26茶櫃3
8/26茶櫃4
この静かな風合い… 
気に入っていただけるといいなあ。

仕事としてはすり漆を5回、塗り込み3回です。
すり漆に使った漆は、大森俊三さんの2005年採取の盛り漆(生うるし)、
上塗りは同じく大森俊三さんの2004年採取の盛りの精製漆を使いました。(それぞれのリンク先で紹介している漆です)
今年の漆が工房に届いていますが、このように数年寝かせて熟成させた漆を主に使っているのです。

さて、いよいよ搬入の日が近づいて来ました。
仕事のもれがないよう、気をつけたいと思います。

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posted by 宮崎佐和子 at 21:02| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2007年08月25日

■今年の茨城産の漆が届きました。

今年の、採りたての新鮮な漆が届きました。
茨城県の茨城の漆かき職人、飛田祐造さんの漆です。
飛田さんの去年の漆は、9月に届いたので、本当に採りたてのホヤホヤ漆です。^^
8/25茨城の漆1
量は今年も1貫(3.75キロ)。
今年の盛り漆、しかもど真ん中の漆です。

「ど真ん中」、とはどういうことかいうと…。
真夏のピーク、漆の木がいちばん充実した時期に採った漆のことです。机上のデータ、テキストでは「8月20日頃」とされていますが、実際はその年の天候・採っている人の技術や流儀などによって左右されます。
(採っている方でも、意識されないと自分の漆のピークが分からない方もいらっしゃいます)
これは、うん、本当にど真ん中。真夏の香りの漆です。

8/25茨城の漆2
中身をチェック。
良かった、去年よりかなり出来のいい漆です。
今年の茨城は当たり年みたいです。
8/25茨城の漆3
うちの工房で使っている漆の中では
若干固め(粘い)です…。(これでも)

色はやや灰汁色、イゴソ(漆かき中に入る木くず等のごみ)は極端に少ない。そして乾きは相当早い。水分量は少なめのようです。


開封して、中身を確認した時の様子を動画にしました。
もう、わくわくしながら開けましたヨ。^^

漆樹液の桶を開封・8/25 茨城産 盛り漆
[和うるし日記]
漆樹液の桶を開封・8/25 茨城産 盛り漆
by waurusi



さて、今日もかなり暑かった…。
この夏の猛暑に、私はだいぶやられています。あせあせ(飛び散る汗)
8/25ネコさん1
珍しくミル&ムウ(むぎ)が一緒にお昼寝。
8/25ネコさん2
可愛いけど… 暑苦しい光景です。笑


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posted by 宮崎佐和子 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) |   工房に届いた漆たち

2007年08月24日

■入れ子の五つ椀の様子。

いよいよ京都の作品展が近づいて来ました。
今、ご案内状の宛名書きをしています。^^
きっと京都も、まだまだ暑いんだろうなあ。たくさんの方に見ていただけるとうれしいです。

8/24 5組椀
製作中の入れ子の五つ椀です。
塗り重ねの最中ですが、だいぶ雰囲気が出て来ました。


お椀の仕事って「家作り」に似ているなあと思う事があります。

うちの工房では、日常使いのお椀の場合は、布着せや本堅地はしないです。
漆は吟味して「これはいい」と思う日本産漆だけを使い、漆を溶剤で割ることも一切しません。
溶剤を使わない日本産漆だけでしっかり木地固めをしたあと、さらに純粋な日本産漆を何度も塗り重ねていきます。

家作りの工法がいろいろあるように、漆の仕事もいろんな流儀があります。使う素材や重ね方もさまざま。
でも、どんな作り方でも願いは一つ、「丈夫で良いものができますように」という思いがこめられているのでしょう。
私たちは、それにプラス「この漆をうまく生かしてやりたい」という気持ちをこめて作っています… 漆の木や漆を採って下さった方の顔を思い浮かべながら。

なかなか思うようにいかないことばかりですが、頑張っていこうと思います。

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posted by 宮崎佐和子 at 19:34| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ 工房の仕事
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