2007年11月17日

■漆のめんぱ二段重箱と保多織の袋。

7月ごろから漆の作業にとりかかった、めんぱの弁当箱の一部が出来上がったのでちょっとご紹介しようと思います。 
※作業の様子1 ※作業の様子2

11/17 めんぱ弁当箱1
「めんぱ二段重箱(4寸 5寸)」2007年11月制作 
漆/岩手県産うるし使用
木地固め すり漆・2006年大森清太郎 貴太郎 盛辺漆 
中塗り・2005年 大森俊三 末辺漆 
上塗り・2004年大森俊三 盛辺 精製漆  
木地/サワラ、ヒノキ

中のうつわに合わせて、箱の袋もオーダーで作りました。この袋は、保多織さんが丁寧に作ってくださったもの。おかげで、身体にぴったりの服を着せることができました。^^ (上の写真は、柄合わせのうち上から2番目と3番目の組み合せの袋。こんな感じになったんですよ)

11/17 めんぱ弁当箱2
中を開けると、こんな感じです。

11/17 めんぱ弁当箱3
奥が小(4寸)手前が大(5寸)の重箱です。
4寸は径12センチ、5寸は径15センチくらい。
めんぱ(曲げわっぱ)は軽くて柔らかい手当たりです。

今回のめんぱ達は、木地溜めの素朴な仕上げにしていますが、少し変化が出るように、天板にはうすく『鎬』を入れています。そして中は、渋めの朱溜めの変わり塗りをほどこして、少し表情をつけました。

11/17 めんぱ二段重箱の小
小さい方の箱と袋。
この袋の柄合わせも気に入っています。ムード

11/17弁当箱の小を開けたところ
袋はリバーシブルになってます。
無地を面にして、開けると柄が見えるのもいいな。

こういった器は、使う時にわくわくしますね。小さめの重箱なので、ちょっとしたお弁当箱にもいいと思います。
さて、この重箱以外に一緒に作った兄弟たち(合せ小判型の弁当箱、合せめんぱ弁当箱、船弁当箱、丸めんぱ弁当箱)も、徐々に仕上がっていきます。
また、そのうちご紹介しますね。ハートたち(複数ハート)


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posted by 宮崎佐和子 at 20:07| Comment(10) | TrackBack(0) | ■ 和うるしの作品

2007年11月16日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより 12

今年の浄法寺うるし掻き長期研修生の竹内さん。竹内さん


先日、うるし掻き体験記をご紹介した輪島キリモトのmaさんは、5日間だけでしたが、長期研修生は毎年定員2名だけで、5・6月頃から11・12月頃まで滞在して、最初から最後まで、しっかりとうるし掻きの作業一連を勉強します。
その竹内さんから、いよいよ追い込みの仕事の報告がありました。
漆の木の伐採裏目うるし掻きの仕事です。


10/9〜11/3までの間の約1ヶ月のうち、二十日ほど裏目を採りに畑をまわった。〈竹内さん〉
木の幹から採取する、最後の漆が「裏目」と呼ばれ、辺漆(初辺・盛辺・末辺)とは区別されています。※裏目漆について
裏目うるしは、他の辺漆(初辺・盛辺・末辺)と比べると質が落ちると言われていますが、必ずしもそうではありません。竹内さんの
師匠(そして松本の漆かきの師匠でもある)大森俊三さんの採る裏目漆は、たいへん使いやすい漆で、工房でも重宝しているのです。

その後はチェーンソーで、木を伐採して幹の上方から漆を採り、枝切りをして枝を採っていく。残った材は一部支柱に使うくらいでほとんどは薪になる。持ち帰った枝は池に立て、11月7日で五十束になり水を張った。今年は百束の予定なのでいい所だけ枝を採り、あとは伐採してかたづけていく。〈竹内さん〉

あいにく、裏目うるし掻きの写真が入っていませんが… 
記事の最後に、竹内さんの裏目漆かきの動画を付けているので、ぜひ見て下さい。(その前に伐採のシーンが入っています)

さて、この裏目うるしが終わると、うるし掻きももう一区切り…といった気分になります。
11/16漆の木の伐採2
悪天候にもかかわらず、今年もいっぱい漆を出してくれた漆の木。
役目をほぼ終えたこの木を、切り倒します。(木が可哀相とは言わないで下さいね)
今年掻いた木は伐採する。切った株からは春になると新しい芽が勢いよく出てくる。株からちょっと離れたいい芽を選んで伸ばしてやれば、やがて成長してまた掻けるようになる。親と同じ漆が出てくる。孫まで三代は良いが、その後は育たない。〈竹内さん〉  
11/16漆の木の伐採3
切った切り株からも、うるし樹液がにじみ出ます。
「根うるし」と呼ぶ漆。これも大事に採取します。

11/16漆の木の伐採4
トラックに積み込まれた漆の枝たち。100束作る予定だそうですが、この荷台には8束積まれているみたいですね。^^
竹内さんの言葉どおり、切った木は大半は薪になります。が、調子がよさそうな枝を100束集めて、それは『枝うるし』を採るのに使うのです。※池の枝うるし採りについて
これも大変な作業ですが、最後の最後まで、出るうるしを活用しようという、うるし掻きさんの工夫なのです。
(↓竹内さんの聞き取りです)
俊三さんの昔の話…裏目の後、ちょうど今頃の時期に止め掻きをしていたが今はやらない。止め掻きでは、裏目のキズの間にさらにキズをつける。裏目の半分も三分の一も採れない。真っ白な漆が採れる。その後、ナタで枝を全て落とし、幹だけにしてから木を倒す。 枝のいいところは三尺くらいに切り、束ねてから二十日間ほど池に浸けた後、枝漆を採る。昔は雪の降る頃まで枝を集めて、春先まで枝掻きをした。また、さらに細かい枝は池には浸けず包丁でキズをつけて瀬〆漆を採った。それだけ注文があったし、手間になった。今はとても手間にならないから、そこまでやる人はいない。昔は捨てるところが無かった。伐採した幹は栗よりも腐りにくく小屋や畑の支柱、土手や田などの崩れ止に使った。また、材の赤身の部分を使って漁網の浮き(アバ)としての需要もあった。〈竹内さん〉 



さて、いよいよ漆の木の伐採と裏目うるし掻きの様子の動画です。(松本が先月、浄法寺に行った時に撮りました)
前回の記事では、動画のメモリが足らなくなって、竹内さんのシーンが数秒しか入りませんでしたが…あせあせ(飛び散る汗) 今回は後半からちゃんと入っています。
前半/漆の木の切り倒し(大森俊三さん)
後半/竹内さんの裏目漆掻き(竹内義浩さん)
          ※約1分半ほどあります



…それにしても、山の仕事は体力が要りそうですね。たらーっ(汗)
これに冬の寒さも加わってくるのですから、身体に気をつけて今年の仕事を無事終えてほしいものです。

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posted by 宮崎佐和子 at 20:10| Comment(5) | TrackBack(0) |   竹内さん研修報告(2007年)

2007年11月15日

■仲良くしたいのに…。

ミルミルに甘えたい、そして思いっ切りどんっ(衝撃) 噛み付いてじゃれあって遊びたいうり坊…。
しかし、ミルミルはうり坊のことが嫌いじゃないですが、そこまで体力を使って相手にする気はありません。いつもお外で戦っている勇者ミルミルは、家では休息が必要なのです。


11/13 ミルを襲ううり坊。
ひえ〜〜〜(おとといの写真)


今日も、うり坊は何度も彼女にアタックしましたが、ミルミルにはふられっぱなしです。^_^: 年上の女性に相手をしてもらうには、うり坊にはちと早すぎるようです。

↓相手にしてもらえない、うり坊。
僕のこと嫌いなの??

僕のこと嫌いなの??
by waurusi

…ちなみに
ミルミルはアラジンストーブの横でくつろいでいますが、その後ろに置いてあるのは、漆の桶です。

posted by 宮崎佐和子 at 19:53| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2007年11月14日

■長野からマダ(シナ)の木が届きました。

さて、先日、ちょっと変わった仕事をしていました。^^
長野のもと漆掻き職人のおじいさん、和田佐七さんに以前頼んでおいた、マダ(別名シナ)の生木の丸太がどっさり届いたのでした。

11/14和田佐七さん
今年で85才になる和田さんです。
70になるまで漆かきをされていました。

このマダの木は、漆掻きさんが自分の道具として『タカッポ(別名カキダル)』を作ります。(上の写真で和田さんが手に持たれている道具ですね。山で掻き採った漆を溜めるのに使います)
松本は、このマダの木を和田さんに山で切ってもらい、湿った生木のままで送ってもらったのです。
このマダの木の肉厚の「皮」が今回のお目当てなんです。


さてこれがいただいたマダの丸太ですが…exclamation
あれっ、真っ白??つるつるですが…。
11/14丸太の中身です
バッド(下向き矢印)はい、肝心の皮はこちらです。
みごとなまでにスッポリと皮だけなんです。
11/14木の皮の腕輪?
あれれっどうしたら、木の皮がきれいにはずれるんでしょう? 何か特殊な薬品でも使ったのでしょうか。
…いえいえ、ちょっと下処理をすれば、木の皮ははずれるんです。
私も今回初めて見ましたが…
詳しく紹介したいと思います。^^


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11/14ドラム缶でゆでる
木は、直径20センチ前後、長さ30〜60センチ前後に切ったものが10本くらい。
この木をドラム缶に入れて水で茹でます。

庭でゆで始めたのが夕方。
お湯になるのに時間がかかって、作業は夜になってしまいました。11/14皮むき1
1時間くらいゆでました。アツアツのゆでたて(ボイルしたじゃがいもみたい)を取り出して、カッターで切り込みをいれます。
11/14皮むき2
11/14皮むき3
わわっ面白い!それだけで、皮がツルリとはずれます!
(でも手があつ〜いあせあせ(飛び散る汗)

11/14丸太の皮と中身
ゆで上げた時点で、じつは皮と身はほとんど
はずれているんですね。切り込みを入れずに
丸太のまま、抜くという方法もあるんです。
(チクワみたいですね、一度見てみたい!)

あ、ちなみに一番上の写真の、和田さんが手にされているタカッポは、丸のまま抜いたマダ皮だそうです。

今回は、生木をゆであげて皮をはずしましたが、時期を選んで6月初旬〜中旬ごろ(岩手県の場合)に木を切ると、そのままで皮がむけます。
この初夏のころが木の年輪ができる季節で、皮と身の間がゆるんではずれやすくなります。
今回は、虫のこない晩秋に木を切って、皮を取りましたが… 山で伐りたての木の皮をはぐのも楽しいでしょうね。


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朝になって…晴れ
11/14皮勢揃い
きのうの戦利品、勢ぞろいです。
ほんとうにきれいに剥けるもんだなあ…。

このマダの木は白くてくせの少ない木で、その樹皮は肉厚で面白い表情をしています。実は、この皮を使った注文をいただいていて、おかげで楽しい材料がいっぱいできました。

さてしげしげとこの皮たちを観察しましたが…
11/14皮の裏と面です
外皮に枝のあと?がある部分には、内側の身に皮が食い込んだようになってます。
いろんなところに、木の生きていた証が残っているようです。

おまけ。
11/14うり坊万華鏡?
トンネルを出るとうり坊の顔が…?
わーい(嬉しい顔)



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posted by 宮崎佐和子 at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) |   素材

2007年11月13日

■maさんの浄法寺漆かき体験記/5

さて、5日間の研修もついに最後の日です。
今日は初日とおなじ佐藤春雄さんの研修です。現地だけでなく、資料館や滴生舍に連れて行ってくれたりと、文化面を補強するとても考えたスケジュールにして下さったみたいです。

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2007年8月25日(土)

●佐藤春雄さん(浄法寺市浄法寺町) 
 ・佐藤さんの漆かきを見学
 ・ヘラで漆を採る
 ・滴生舎・資料館を見学


早いものでもう最終日。
まずは、佐藤さん自宅近くの畑の際にある漆の木4本を掻きに向かいました。
数が(注※本数が)少ないのでなかなか掻けずにいたそうで、約30年経った幹はとても太く、漆も溢れるように採れました。(ma)

8/25 30才の漆の木を掻く佐藤さん。
約30年の大きな漆の木です。
佐藤さんが梯子を使って高い所まで
丁寧に掻いていきます。(ma)

うーん、とっても立派な木です…。
もう浄法寺でもこんな大木はなかなかお目にかからないのではないでしょうか。きっと漆の木も、早くうるしを採ってもらうのを待っていたんではないかと思ってしまいます。

60才のウルシの木
約60年経った漆の大木も見せていただきました。
佐藤さんが小さく見えます。この1本から普通の
30本くらいの量が採れたとのことです。(ma)

8/25 漆カキにチャレンジするmaさん。
最終日、ということで特別に今日は違う
場所の漆の木の、キズから出た漆をヘラ
で採らせてくれたんだそうです。  

出のいい漆を手早くカキタルの中央に落と
すのは何度やっても難しかったです。(ma)

それから佐藤さんがせっかくだからと勧めて下さり、滴生舍浄法寺歴史民俗資料館を見学に。滴生舎では塗師の小田島さんが工房の中を見せて熱く説明して下さいました。
中でも、国産と中国産の漆の樽の匂いに違いにかなり驚きました! 国産がいかに匂いが少なく、良質かを再認識させられました。
資料館では、ビデオを観て、漆掻きについて復習することができ、頭の整理になり、良かったです。
今回の研修を通して、更に漆への関心が強まり、必ず守り通していかなくてはいけない文化だと強く思いました。
たくさんの方に良くしていただき、充実した研修でした。本当にありがとうございました。(ma)


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さて、maさんの見学した滴生舍をご紹介したいと思います。
8/25滴生舎
浄法寺御山の天台寺のほど近くに建っている「滴生舎」は、浄法寺塗りを展示販売している施設です。
滴生舍の中
浄法寺塗りの工房を兼ねていて、作業を見学できるほか、漆絵付体験教室も行っています。


浄法寺歴史民俗資料館では、浄法寺の文化的な資料をたくさん保存しています。小さい施設なのですが、その生々しい資料品の数は圧倒的。古いお椀等もたくさんあります。
8/25 資料館の椀
資料館の資料ではありませんが…
これは「ひあげ」と言われる浄法寺の片口。
maさんが泊まった「天台荘」にありました。
(天台荘は私も1ヶ月間お世話になりました)


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あっと言う間の5日間を過ごしたmaさんですが…
「大変だったけど、すごく楽しくてためになった。浄法寺の人にとても良くしてもらえた」と言います。
この体験をもとに、作る人とつなげる仕事をしたいそうです。
そして輪島キリモトでも「なにか発展させたいなあ」と。
いいですね。^^
楽しみにしていますよ!


さて、maさんのでっかい浄法寺みやげ。
8/25 お土産の漆の木
佐藤さんが、最後に漆の木を切ってくれたそうです。
持ち帰るのが大変だったけど「いい記念になった」。
…今、その木は彼女の自宅玄関のオブジェになってます。


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さて、maさんの5日間の漆かき体験記、いかがだったでしょうか。この体験記を寄せていただいたのに合わせて、maさんから写真と報告書を送っていただき、何度も彼女と連絡を取りあい、打ち合わせして、ずいぶん時間がかかってしまいましたが、ここまでまとめました。(体験記中の写真は、すべてmaさんより提供)
maさん、ありがとうござます!
そして本当におつかれさまでした。^^


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…思えば、私が最初に浄法寺に行ったのは、2000年。
今からもう7年も前のことです。
この体験記を見ながら、いろいろ感じたことがたくさんあって、とっても感慨深いものがありました。
一つは、当然なのですが浄法寺の漆かきさんたちが、うんと年を取ってしまったこと。もちろん、今も現役でがんばっており、ひよわな若い人にはまだまだ負けないと自負されてらっしゃると思いますが… やはり7年の間に老け、そして残念ですが実際亡くなられた方も何人かいらっしゃいます。(ベテランと若手両方…とても惜しい職人さんでした)
また、実際にお話していると、体の不調をふともらす方もよくおいでます。
今でこそ最高の漆掻き技術、そして浄法寺漆が簡単に見ることができますが、こうした産地の長い蓄積による余力も、みるみる衰えていくのが目に見えていて、やきもきする気持ちは隠せません。
そして、他に感じたこともあります。
浄法寺が外からのお客さんを受け入れるのがうまくなったなあ…と。笑
松本が行った時は、県外研修生は初めてで「四国?そんな遠くからなんでわざわざ何しに来たんだ?」と浄法寺の方に言われたもので(笑)、いろいろスムーズでないことも多かったのですが、今は短期研修で都会の女の子が一人で飛び込んでも、うまく受け入れ体制が機能しているようです。

そして一番大きいのは「日本産うるし」に世間の関心がかなり高まってきているということでしょうか。
研修生の定員枠は長期も短期も(長期は2名のみ)すでに先までいっぱいですが、松本の時は長期研修生も定員割れしている状態で、すぐ入れたものです。ほんとうにわずかの間に様変わりしているのを感じます。
時に浄法寺は、公共事業で、現在降って湧いたような「バブル」が始まっています。今まで顧みられずだぶついていた日本産漆は、にわかに脚光を浴び、今後数年間は一般には入手困難になります。
今まで見向きしなかった人・企業が急に「使いたい」と思っても、残念ながらもはや手に入りにくくなっているのです。しかし、それは仕方のないことかもしれません。「漆はいいものだ」と言う一方で、日本産漆を顧みずここまで産地を疲弊させてしまったのですから。急に必要だから、と言い出しても、漆の木はすぐ大きくならないし、漆かき職人さんは増えません。そして、「無いもの」の無理な要求は、産地を退廃させる原因を作ります。それだけは覚えていてほしいと思います。

この数年限りの「バブル」が、浄法寺にどんな影響を及ぼすのでしょうか…。
期待と不安をこめて、その結果に残った良いことも悪いことも、私たちはすべて、しっかりこの目で見て行こうと思います。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(4) | TrackBack(0) |   maさん研修報告(2007年)

■水槽を大きくしました。

去年、友人から魚の入ったアクアリウムをもらいました。30センチほどの小さな水槽だったのですが、この初代アクアリウムにむぎ君と松本がもう夢中になりました。

この水槽です。(初代アクアリウム)
10_7_mugi_4_.jpg
いっぱい何かが動いているにぃ〜。むぎ君談

そして1年のうちにこの水槽の住人たちも、少しずつ入れ替わり、そして水槽もちょっとずつ大きくなっていったのです。
最初もらった時は、ネオンテトラが入ってたのですが、今は保温不要の淡水魚水槽。今の住人は、ヒメダカとタナゴが数匹、ヨシノボリ1匹、エビ2匹、二枚貝2匹、タニシ君少々の素朴なアクアリウムです。

11/13 60センチの水槽
そしてついに! 
先日、60センチの水槽にお引越しをしたんです。
なんか、気分がもやもやしていた時、アクアリウムの中もいっぱいでもやもやしてたので、心も水槽の中もスッキリさせたい…と衝動的に?行きつけのお店に行ってもっと大きい水槽を買ってしまいました。あせあせ(飛び散る汗)(翌日がお店の5倍ポイントデーだったのに我慢できなかった私)

11/13 水草
ことの発端?はこの水草。たぶん、ウィローモスだと思うのですが、入っていた流木から最近伸びてき出して、密林状態になったからでした。(こんなに伸びるなんて…もう流木が見えないや)
でも60センチ水槽と一緒に、浄化ポンプも大きくなって、スッキリです。

さて、この中身で松本の一番のお気に入りは…

11/13貝
この二枚貝さんです。(名前は忘れました…)
動かない貝のどこがいいのか?うーん??
11/13エビさん
密かな猛者、エビさん。ママエビなんです。
もう10回以上は抱卵したでしょうか。でも卵
たちの末路はいつも謎のままです…(夫エビ
と仲睦まじく、見習いたいものがあります)


水槽も、うちにはこの長辺60センチサイズがもう限界だと思います。小さなものしか飼っていないし…。
あまり派手ではないし手もかけていないアクアリウムですが、部屋の中に水と緑があるのは、なんだかオアシスのようでほっとしますね。^^


あまりほっとしないおまけ。
11/13 ミルを襲ううり坊。
うり坊に襲われるミルミル。

ミルミルはもう災難続きです。たらーっ(汗)
きのうは野良犬3匹の群れに追われて、本当に危なかったんです。(たまたま松本が庭にいたので助かった)
ひさびさのハンティングで捕まえたネズミも飼い主に見せようとして逃げられるし…。
そして家に戻ると、うり坊の強烈なアタックが待っていて、気の休まるひまがありません。
うり坊は、ミルミルに遊んでほしいのです。
野外では友達だったミルとうり坊ですが… 家の中となるとそうはいかないみたいなんです。がんばれ、ミルミル。


posted by 宮崎佐和子 at 18:39| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 日記

2007年11月12日

■maさんの浄法寺漆かき体験記/4

5日間の短期研修も、もう後半になりました。
今日は大森清太郎さんの2回目の講習です。さてさて、どんな内容だったのでしょうか。

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2007年8月24日(金)

●大森清太郎・貴太郎さんの漆掻き指導
(二戸市安比山/約140本/11辺)
 ・カマズリ、傷付けの練習
 ・ヘラで漆を採る


本日、初めて道具一式を貸していただき、腰に巻いて1日中作業をしました。
以前に京都からの研修生が(注※宇治市在住の木工家、臼杵さんのこと)練習したという木2本で、カマズリから採取まで漆かき体験をさせていただきました。
ジワ〜と白い漆が」にじみ出てくるのを、自分の手で掻き取った瞬間、なんともいえない感動でした。(ma)


以前、工房に来られたことのある臼杵さん。
臼杵さんは8月1日から10日間、短期研修を受けて、大森清太郎さんにもついていたのですが、その臼杵さん掻いた木をmaさんも掻かせてもらったなんて、なんだかほのぼのします。

さて、しっかり身を固めて仕事する勇姿が、これ。
8/24 漆かきをするmaさん
大森清太郎さんの道具をお借りしました。
カンナやヘラ・カマの形や持ち手の柄の
長さも職人さんによって異なり、使いや
すいよう改良されているそうです。(ma)

…このmaさんが右手に持っている筒はタカッポ(=カキタル)と呼び、木の皮でできています。(ホオ、シナ等)日本手ぬぐいで手下げを作っており、軽くできています。
この筒の中に、掻いた漆を落とし込み、溜めていくわけです。

今日は、傾斜の大きい広い山を一日中歩き回って、かなりへとへとになりました。が、大森さん親子は何くわぬ顔で淡々と作業を続けていました。体力無しにはできないと痛感しました。
この山は親戚の方の山だそうでフカフカと肥えた4haの土地に5000本もの漆の木が植えられており、向いの山にも1000本ほど植林されているそうで、見渡す限り漆の木、という眺めは爽快でした。
しかし、今年の漆は7月の冷夏と8月の猛暑と湿度の低さで、清太郎さんが漆掻きを始めて45年、一番、質・量ともに良くないかもしれないとのこと。
地球温暖化が大きく影響しているのだと思い、ショックでした。(ma)



8/24採った漆
maさんが採った漆(半分くらい)
が入ったカキタル。持ち帰らせて
もらったそうです。


…この、maさんが大森清太郎さんから聞いて衝撃を受けたように、今年はたいへん気候に恵まれず、内容も生産量も追いつかない不作の年でした。
ここ数年、そんなに良い年はなかったのですが… 時には台風、時には日照不足、と毎年何かと気象に恵まれず、今年に至りました。
浄法寺はこれから数年、大量に漆が必要とされるのでたいへん気になる状況なのです。
こういったことも、ぜひ多くの方に知っていただきたい…と私も思いました。

8/24漆の苗
帰りに清太郎さんが育てている
漆の木の苗畑を見せていただき
ました。よく漆が採れた木から
栽培するそうで、その中でも丈
夫に育った苗を選んで植林する
そうです。(ma)


大森さんご夫婦には、本当にお世話になったそうです。
うちの工房にも、大森清太郎さん、貴太郎さんそれぞれ別に採ってもらった漆が着きましたが…今年の漆は、こんなふうに採られたのかと思うと、とても感慨深いものがありました。

8/24大森さんの犬さんおまけ。
大森さんちのわんちゃん。


さて、maさんの大森清太郎さんによる研修は名残り惜しいけど今日で終わりです。
あしたはいよいよ最終日… 佐藤さんと過ごします。ラスト1日、十分たんのうして下さい。^^

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ちょっと余談ですが…
臼杵さんとmaさん、双方のお話を聞いていると、やっぱり女の子が行く方が、漆かきさんもうれしいのかな?とやっぱり思いました。笑(そんなん、当たり前やん!と松本)
臼杵さんは「忙しい時に来てくれて、もうダッシュ(走り出すさま)」っていう感じでしたが(もちろん臼杵さんはそんなことに臆する人でないんですが)maさんだと、手取り足取りで佐藤さんや大森さんも、忙しいながら楽しそう。
きっとmaさんがいた期間の浄法寺は、ちょっとだけ華やかだったんでしょうね。


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posted by 宮崎佐和子 at 19:13| Comment(0) | TrackBack(0) |   maさん研修報告(2007年)

2007年11月11日

■maさんの浄法寺漆かき体験記/3

三日目の8月23日。
今日は佐藤春雄さんが講師になってくださいます。この日もお天気がよさそうで、いい漆がいっぱいでそうで楽しみです。

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2007年8月23日(木)

●佐藤春雄さんの漆掻き指導(二戸町外山/約80本/14辺)
 ・漆掻きの資料を読む。
 ・それをふまえて、佐藤さんの作業を見学。
 ・「カマズリ」を習う


8/23佐藤さんとmaさん
佐藤さんとmaさん。
今日もがんばってください!笑 


今日は、車で30分ほど行ったところにある「外山」へ。(※注)
前日の大森さんがまだ11辺をやっていたところを見ると、14辺目を掻く佐藤さんはペースが早めなのあだと思いました。
午前中に佐藤さんが持ってきて下さった資料や本などを見て漆掻きの勉強をしてからは、作業の流れや意味がよく分かり納得しました。(ma)


8/23高い所に傷を付ける佐藤さん
佐藤さんは、木の高い部分にも、くいに乗ってキズを付けて掻いていましたが、人によっては高い部分まではキズをつけない人もいるとのこと。
長年の経験から自分がいいと思う方法で掻いていくそうで、たくさんの漆かき職人さんを見比べてみたいと思いました。
途中で「カマズリ」(注※)のやり方を教わり、実際にやってみましたが、低い部分、また逆に高い部分は力の入れ具合が難しく、コツを掴むにはもう少し時間が必要だと思いました。(ma)


さて「カマズリ」とは…ちょっとご説明します。
8/23かまずり
カマズリとは、幹のキズを付ける部分の樹皮を
この「つ字型」の掻きカマで削り取る作業のこと。
掻きキズを均一に付けることと、出た樹液が樹皮に
吸われないようにするために行われます。

カマズリは、研修生が講師の漆掻き職人さんについてよくお手伝いする仕事ですが(実際のうるし掻きは、仕事上なかなかさせてもらえない)単純なようで、意外と難しい仕事です。
皮を剥きすぎると木を傷めてしまいます。

さて、maさんは「殺し掻き」をした漆の木のその後を見て写真を撮っていますので、ぜひ紹介したいと思います。
8/23漆の木のひこばえ
殺し掻きをし、伐り倒した切り株から
何本もの芽が出て大きく育っていました。
状態のいいものを選んで残すとのこと。
枝の間の数を数えれば何年経った木かわかるそう。
(ma)

漆かきの方法にとして、おおまかに言えば、ワンシーズンで漆を採り切り木を切り倒してしまう「殺し掻き」と何年かごとに少しずつ漆を採る「養生掻き」があります。
日本では「殺し掻き」が主流。これを初めて聞く人は「木がかわいそう!」とびっくりするものですが、大丈夫。
ちゃんと残った根っこには、次世代の芽が育ってきます。
私たちも数年前に徳島で漆かきをした時、木は殺し掻きにしました。その3年後にその後を見たら、びっくり。立派な木に育っていました。

こうしてちゃんと山は循環しているですね…^^
人間の一方的な価値観でははかりしれないものを感じます。

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…さて、maさんは禁断の味覚にも挑戦しています。
なんと!佐藤さんに薦められ、漆樹液を大胆になめてしまったのでした。がく〜(落胆した顔)
8/23 漆の味見
初日には、漆をなめてみましたが、
場所や木によって味が違うということです。
今日の木(注※二戸町外山)は試してみると
「甘い!」調子に乗ってたくさんなめたら、
舌が黒くなってヒリヒリしました。(ma)


きゃ〜〜っ (>_<) やりましたね。
…この漆が「あまい」というのは本当です。
木で作られた糖分(これが木の活力です、まわり回って漆にもなります)木のコンディションによって、糖分の量も違うので「場所や木によって味が違う」というのも、理にかなっているんですよ。
ただ、漆はふつうの木の樹液ではないので…ただですまない可能性が十分にありますが…
「あ、なんとも無かったですよ〜ぴりぴりしたくらいで。笑」というmaさんですが、それを聞いた大森清太郎さんに「漆を舐めるなんてダッシュ(走り出すさま)」と怒られたり(でも佐藤さんにすすめられたのに〜 笑)松本に「内臓までかぶれていたかもしれんぞ〜」と脅かされたりと、おっかなびっくりの後日を過ごしたのでした。




posted by 宮崎佐和子 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) |   maさん研修報告(2007年)

■うり坊が「シアワセ太り」…?

さて、うり坊がうちの子になって、二ヶ月近く。
しょっぱなから、ものすごい大食漢ぶりを披露して、私たち(飼い主含む先住猫二匹)をおののかせました。フードの袋やぶりはするし…あせあせ(飛び散る汗)
「こんな食欲でもギャル曽根ちゃんみたいに太らないとしたら、うらやましいなあ」
…と思ってたら、うり坊も自然の摂理にはかないませんでした。

9/11うり坊2
ノラネコ時代はこんなに
ウエスト細かったのに…
11/11お腹の肉の出たうり坊。
ありゃっ、どうしたのそのお肉…たらーっ(汗)

着実にうり坊は、体の体積を増やしているみたいです。^_^; (変貌ぶりに驚いて、最近はうりぶうと呼んでいます)去勢手術もしたし、あんまり太らないように気を付けてやらなくちゃ。

おまけの動画です。(ミルミル初出演)

定番、ネコキック (笑)
定番、ネコキック (笑)
by waurusi


posted by 宮崎佐和子 at 00:23| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2007年11月10日

■maさんの浄法寺漆かき体験記/2

さて、二日目です。
ベテラン漆かきの佐藤春雄さんのとても濃厚な1日を過ごしたMaさんですが、今日の講師は、浄法寺の「親子鷹」、大森清太郎さん・貴太郎さんです。(maさんは研修期間中、初日の佐藤さんと大森さんそれぞれから各日で講習を受けることになります)

さて、今日はどんな具合でしょうか…。

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2007年8月22日(水)

●大森清太郎さん・貴太郎さん親子の漆掻きを見学。
 (青森県猿辺開拓/約150本/11辺)


8/22 大森さん親子
二日目の講師、大森清太郎・貴太郎さん親子。
いつも父子一緒に山でお仕事をされてます。

二日目は約1時間、車で移動し、約300本の木が植林されている猿辺開拓へ。大森さんが今年掻いている中で、一番遠方だそうで(注※)そのうち約150本を親子で分担して手際よく作業を進めていました。
大森さんは、3代続いて漆掻き職人をされているそうで、後継者不足に喘ぐ現在、貴太郎さんの存在は名前の通り貴重なものだと感じました。私と同世代ということもあり、いろいろな現状についても貴太郎さんは教えてくれました。(ma)


貴太郎さんとmaさんは、年が一つ違い。
若くてもすでに12年のキャリアを持っています。
15才の時から、父に付いてずっと仕事をしているという貴太郎さんの生き方を聞いて「今まで迷ってばかりいた私とは違うんだなあ」と、ふと考えさせられたそうです。

8/22大森さん親子の漆かき作業風景
手前で仕事をしているのが、貴太郎さん。
シャイなので、カメラは苦手なのです。笑

8/22 漆かきに使うくい
大森さんは漆かき中の木の下に「くい」を打っています。(高い所の仕事を楽にするため。たいていは梯子ですが、持ち歩きしなくて良いので、職人さんの間で流行ってます)そのくいに乗ってみるmaさん。笑(乗りたくなりますよね〜)

この日のお昼前、急に激しい雨となり作業を中段し避難しました。雨が降るとキズをつけられない(雨が入ってしまうと木が病気になる、漆が出なくなるとのこと)
雨の降る直前は漆がよく出るようになることなどを教わりました。知れば知るほど神秘的な木だと思いました。しばらくして雨があがり、日が照って木の幹が乾くのを待ってから作業を続けました。「乾いた」という判断も難しそうだと思いました。(ma)


8/22漆まみれになった蛾
「カキタル」の中に入ってしまった蛾。
虫はカブレないのだろうか?(ma)


ところで、その日に大森清太郎さん宅におじゃましたmaさん。
思わぬものを見せていただいたそうです。

8/22 大森さんの漆の花器
大森さんの自宅で見せていただいた花器。
カキタル内に残った漆や不純物などを固め
たもので、もちろん国産漆100%です。
とても珍しいものを見せて頂きました。(ma)

…わあ。^^ 現場に行くと、こういった珍品が見られるんですね。職人さんの無邪気な遊び心が感じられてとても楽しいです。

さて、二日目も無事終了。お疲れさまでした!
明日も佐藤春雄さんによる講習となります。




posted by 宮崎佐和子 at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) |   maさん研修報告(2007年)
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