今日は大森清太郎さんの2回目の講習です。さてさて、どんな内容だったのでしょうか。
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2007年8月24日(金)
●大森清太郎・貴太郎さんの漆掻き指導
(二戸市安比山/約140本/11辺)
・カマズリ、傷付けの練習
・ヘラで漆を採る
本日、初めて道具一式を貸していただき、腰に巻いて1日中作業をしました。
以前に京都からの研修生が(注※宇治市在住の木工家、臼杵さんのこと)練習したという木2本で、カマズリから採取まで漆かき体験をさせていただきました。
ジワ〜と白い漆が」にじみ出てくるのを、自分の手で掻き取った瞬間、なんともいえない感動でした。(ma)
以前、工房に来られたことのある臼杵さん。
臼杵さんは8月1日から10日間、短期研修を受けて、大森清太郎さんにもついていたのですが、その臼杵さん掻いた木をmaさんも掻かせてもらったなんて、なんだかほのぼのします。
さて、しっかり身を固めて仕事する勇姿が、これ。

大森清太郎さんの道具をお借りしました。
カンナやヘラ・カマの形や持ち手の柄の
長さも職人さんによって異なり、使いや
すいよう改良されているそうです。(ma)
カンナやヘラ・カマの形や持ち手の柄の
長さも職人さんによって異なり、使いや
すいよう改良されているそうです。(ma)
…このmaさんが右手に持っている筒はタカッポ(=カキタル)と呼び、木の皮でできています。(ホオ、シナ等)日本手ぬぐいで手下げを作っており、軽くできています。
この筒の中に、掻いた漆を落とし込み、溜めていくわけです。
今日は、傾斜の大きい広い山を一日中歩き回って、かなりへとへとになりました。が、大森さん親子は何くわぬ顔で淡々と作業を続けていました。体力無しにはできないと痛感しました。
この山は親戚の方の山だそうでフカフカと肥えた4haの土地に5000本もの漆の木が植えられており、向いの山にも1000本ほど植林されているそうで、見渡す限り漆の木、という眺めは爽快でした。
しかし、今年の漆は7月の冷夏と8月の猛暑と湿度の低さで、清太郎さんが漆掻きを始めて45年、一番、質・量ともに良くないかもしれないとのこと。
地球温暖化が大きく影響しているのだと思い、ショックでした。(ma)

maさんが採った漆(半分くらい)
が入ったカキタル。持ち帰らせて
もらったそうです。
…この、maさんが大森清太郎さんから聞いて衝撃を受けたように、今年はたいへん気候に恵まれず、内容も生産量も追いつかない不作の年でした。
ここ数年、そんなに良い年はなかったのですが… 時には台風、時には日照不足、と毎年何かと気象に恵まれず、今年に至りました。
浄法寺はこれから数年、大量に漆が必要とされるのでたいへん気になる状況なのです。
こういったことも、ぜひ多くの方に知っていただきたい…と私も思いました。

帰りに清太郎さんが育てている
漆の木の苗畑を見せていただき
ました。よく漆が採れた木から
栽培するそうで、その中でも丈
夫に育った苗を選んで植林する
そうです。(ma)
大森さんご夫婦には、本当にお世話になったそうです。
うちの工房にも、大森清太郎さん、貴太郎さんそれぞれ別に採ってもらった漆が着きましたが…今年の漆は、こんなふうに採られたのかと思うと、とても感慨深いものがありました。

大森さんちのわんちゃん。
さて、maさんの大森清太郎さんによる研修は名残り惜しいけど今日で終わりです。
あしたはいよいよ最終日… 佐藤さんと過ごします。ラスト1日、十分たんのうして下さい。^^
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ちょっと余談ですが…
臼杵さんとmaさん、双方のお話を聞いていると、やっぱり女の子が行く方が、漆かきさんもうれしいのかな?とやっぱり思いました。笑(そんなん、当たり前やん!と松本)
臼杵さんは「忙しい時に来てくれて、もう

きっとmaさんがいた期間の浄法寺は、ちょっとだけ華やかだったんでしょうね。