2007年11月13日

■maさんの浄法寺漆かき体験記/5

さて、5日間の研修もついに最後の日です。
今日は初日とおなじ佐藤春雄さんの研修です。現地だけでなく、資料館や滴生舍に連れて行ってくれたりと、文化面を補強するとても考えたスケジュールにして下さったみたいです。

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2007年8月25日(土)

●佐藤春雄さん(浄法寺市浄法寺町) 
 ・佐藤さんの漆かきを見学
 ・ヘラで漆を採る
 ・滴生舎・資料館を見学


早いものでもう最終日。
まずは、佐藤さん自宅近くの畑の際にある漆の木4本を掻きに向かいました。
数が(注※本数が)少ないのでなかなか掻けずにいたそうで、約30年経った幹はとても太く、漆も溢れるように採れました。(ma)

8/25 30才の漆の木を掻く佐藤さん。
約30年の大きな漆の木です。
佐藤さんが梯子を使って高い所まで
丁寧に掻いていきます。(ma)

うーん、とっても立派な木です…。
もう浄法寺でもこんな大木はなかなかお目にかからないのではないでしょうか。きっと漆の木も、早くうるしを採ってもらうのを待っていたんではないかと思ってしまいます。

60才のウルシの木
約60年経った漆の大木も見せていただきました。
佐藤さんが小さく見えます。この1本から普通の
30本くらいの量が採れたとのことです。(ma)

8/25 漆カキにチャレンジするmaさん。
最終日、ということで特別に今日は違う
場所の漆の木の、キズから出た漆をヘラ
で採らせてくれたんだそうです。  

出のいい漆を手早くカキタルの中央に落と
すのは何度やっても難しかったです。(ma)

それから佐藤さんがせっかくだからと勧めて下さり、滴生舍浄法寺歴史民俗資料館を見学に。滴生舎では塗師の小田島さんが工房の中を見せて熱く説明して下さいました。
中でも、国産と中国産の漆の樽の匂いに違いにかなり驚きました! 国産がいかに匂いが少なく、良質かを再認識させられました。
資料館では、ビデオを観て、漆掻きについて復習することができ、頭の整理になり、良かったです。
今回の研修を通して、更に漆への関心が強まり、必ず守り通していかなくてはいけない文化だと強く思いました。
たくさんの方に良くしていただき、充実した研修でした。本当にありがとうございました。(ma)


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さて、maさんの見学した滴生舍をご紹介したいと思います。
8/25滴生舎
浄法寺御山の天台寺のほど近くに建っている「滴生舎」は、浄法寺塗りを展示販売している施設です。
滴生舍の中
浄法寺塗りの工房を兼ねていて、作業を見学できるほか、漆絵付体験教室も行っています。


浄法寺歴史民俗資料館では、浄法寺の文化的な資料をたくさん保存しています。小さい施設なのですが、その生々しい資料品の数は圧倒的。古いお椀等もたくさんあります。
8/25 資料館の椀
資料館の資料ではありませんが…
これは「ひあげ」と言われる浄法寺の片口。
maさんが泊まった「天台荘」にありました。
(天台荘は私も1ヶ月間お世話になりました)


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あっと言う間の5日間を過ごしたmaさんですが…
「大変だったけど、すごく楽しくてためになった。浄法寺の人にとても良くしてもらえた」と言います。
この体験をもとに、作る人とつなげる仕事をしたいそうです。
そして輪島キリモトでも「なにか発展させたいなあ」と。
いいですね。^^
楽しみにしていますよ!


さて、maさんのでっかい浄法寺みやげ。
8/25 お土産の漆の木
佐藤さんが、最後に漆の木を切ってくれたそうです。
持ち帰るのが大変だったけど「いい記念になった」。
…今、その木は彼女の自宅玄関のオブジェになってます。


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さて、maさんの5日間の漆かき体験記、いかがだったでしょうか。この体験記を寄せていただいたのに合わせて、maさんから写真と報告書を送っていただき、何度も彼女と連絡を取りあい、打ち合わせして、ずいぶん時間がかかってしまいましたが、ここまでまとめました。(体験記中の写真は、すべてmaさんより提供)
maさん、ありがとうござます!
そして本当におつかれさまでした。^^


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…思えば、私が最初に浄法寺に行ったのは、2000年。
今からもう7年も前のことです。
この体験記を見ながら、いろいろ感じたことがたくさんあって、とっても感慨深いものがありました。
一つは、当然なのですが浄法寺の漆かきさんたちが、うんと年を取ってしまったこと。もちろん、今も現役でがんばっており、ひよわな若い人にはまだまだ負けないと自負されてらっしゃると思いますが… やはり7年の間に老け、そして残念ですが実際亡くなられた方も何人かいらっしゃいます。(ベテランと若手両方…とても惜しい職人さんでした)
また、実際にお話していると、体の不調をふともらす方もよくおいでます。
今でこそ最高の漆掻き技術、そして浄法寺漆が簡単に見ることができますが、こうした産地の長い蓄積による余力も、みるみる衰えていくのが目に見えていて、やきもきする気持ちは隠せません。
そして、他に感じたこともあります。
浄法寺が外からのお客さんを受け入れるのがうまくなったなあ…と。笑
松本が行った時は、県外研修生は初めてで「四国?そんな遠くからなんでわざわざ何しに来たんだ?」と浄法寺の方に言われたもので(笑)、いろいろスムーズでないことも多かったのですが、今は短期研修で都会の女の子が一人で飛び込んでも、うまく受け入れ体制が機能しているようです。

そして一番大きいのは「日本産うるし」に世間の関心がかなり高まってきているということでしょうか。
研修生の定員枠は長期も短期も(長期は2名のみ)すでに先までいっぱいですが、松本の時は長期研修生も定員割れしている状態で、すぐ入れたものです。ほんとうにわずかの間に様変わりしているのを感じます。
時に浄法寺は、公共事業で、現在降って湧いたような「バブル」が始まっています。今まで顧みられずだぶついていた日本産漆は、にわかに脚光を浴び、今後数年間は一般には入手困難になります。
今まで見向きしなかった人・企業が急に「使いたい」と思っても、残念ながらもはや手に入りにくくなっているのです。しかし、それは仕方のないことかもしれません。「漆はいいものだ」と言う一方で、日本産漆を顧みずここまで産地を疲弊させてしまったのですから。急に必要だから、と言い出しても、漆の木はすぐ大きくならないし、漆かき職人さんは増えません。そして、「無いもの」の無理な要求は、産地を退廃させる原因を作ります。それだけは覚えていてほしいと思います。

この数年限りの「バブル」が、浄法寺にどんな影響を及ぼすのでしょうか…。
期待と不安をこめて、その結果に残った良いことも悪いことも、私たちはすべて、しっかりこの目で見て行こうと思います。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(4) | TrackBack(0) |   maさん研修報告(2007年)

■水槽を大きくしました。

去年、友人から魚の入ったアクアリウムをもらいました。30センチほどの小さな水槽だったのですが、この初代アクアリウムにむぎ君と松本がもう夢中になりました。

この水槽です。(初代アクアリウム)
10_7_mugi_4_.jpg
いっぱい何かが動いているにぃ〜。むぎ君談

そして1年のうちにこの水槽の住人たちも、少しずつ入れ替わり、そして水槽もちょっとずつ大きくなっていったのです。
最初もらった時は、ネオンテトラが入ってたのですが、今は保温不要の淡水魚水槽。今の住人は、ヒメダカとタナゴが数匹、ヨシノボリ1匹、エビ2匹、二枚貝2匹、タニシ君少々の素朴なアクアリウムです。

11/13 60センチの水槽
そしてついに! 
先日、60センチの水槽にお引越しをしたんです。
なんか、気分がもやもやしていた時、アクアリウムの中もいっぱいでもやもやしてたので、心も水槽の中もスッキリさせたい…と衝動的に?行きつけのお店に行ってもっと大きい水槽を買ってしまいました。あせあせ(飛び散る汗)(翌日がお店の5倍ポイントデーだったのに我慢できなかった私)

11/13 水草
ことの発端?はこの水草。たぶん、ウィローモスだと思うのですが、入っていた流木から最近伸びてき出して、密林状態になったからでした。(こんなに伸びるなんて…もう流木が見えないや)
でも60センチ水槽と一緒に、浄化ポンプも大きくなって、スッキリです。

さて、この中身で松本の一番のお気に入りは…

11/13貝
この二枚貝さんです。(名前は忘れました…)
動かない貝のどこがいいのか?うーん??
11/13エビさん
密かな猛者、エビさん。ママエビなんです。
もう10回以上は抱卵したでしょうか。でも卵
たちの末路はいつも謎のままです…(夫エビ
と仲睦まじく、見習いたいものがあります)


水槽も、うちにはこの長辺60センチサイズがもう限界だと思います。小さなものしか飼っていないし…。
あまり派手ではないし手もかけていないアクアリウムですが、部屋の中に水と緑があるのは、なんだかオアシスのようでほっとしますね。^^


あまりほっとしないおまけ。
11/13 ミルを襲ううり坊。
うり坊に襲われるミルミル。

ミルミルはもう災難続きです。たらーっ(汗)
きのうは野良犬3匹の群れに追われて、本当に危なかったんです。(たまたま松本が庭にいたので助かった)
ひさびさのハンティングで捕まえたネズミも飼い主に見せようとして逃げられるし…。
そして家に戻ると、うり坊の強烈なアタックが待っていて、気の休まるひまがありません。
うり坊は、ミルミルに遊んでほしいのです。
野外では友達だったミルとうり坊ですが… 家の中となるとそうはいかないみたいなんです。がんばれ、ミルミル。


posted by 宮崎佐和子 at 18:39| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 日記
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