長野のもと漆掻き職人のおじいさん、和田佐七さんに以前頼んでおいた、マダ(別名シナ)の生木の丸太がどっさり届いたのでした。

今年で85才になる和田さんです。
70になるまで漆かきをされていました。
このマダの木は、漆掻きさんが自分の道具として『タカッポ(別名カキダル)』を作ります。(上の写真で和田さんが手に持たれている道具ですね。山で掻き採った漆を溜めるのに使います)
松本は、このマダの木を和田さんに山で切ってもらい、湿った生木のままで送ってもらったのです。
このマダの木の肉厚の「皮」が今回のお目当てなんです。
さてこれがいただいたマダの丸太ですが…

あれっ、真っ白??つるつるですが…。


みごとなまでにスッポリと皮だけなんです。

あれれっどうしたら、木の皮がきれいにはずれるんでしょう? 何か特殊な薬品でも使ったのでしょうか。
…いえいえ、ちょっと下処理をすれば、木の皮ははずれるんです。
私も今回初めて見ましたが…
詳しく紹介したいと思います。^^
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木は、直径20センチ前後、長さ30〜60センチ前後に切ったものが10本くらい。
この木をドラム缶に入れて水で茹でます。
庭でゆで始めたのが夕方。
お湯になるのに時間がかかって、作業は夜になってしまいました。

1時間くらいゆでました。アツアツのゆでたて(ボイルしたじゃがいもみたい)を取り出して、カッターで切り込みをいれます。


わわっ面白い!それだけで、皮がツルリとはずれます!
(でも手があつ〜い


ゆで上げた時点で、じつは皮と身はほとんど
はずれているんですね。切り込みを入れずに
丸太のまま、抜くという方法もあるんです。
(チクワみたいですね、一度見てみたい!)
あ、ちなみに一番上の写真の、和田さんが手にされているタカッポは、丸のまま抜いたマダ皮だそうです。
今回は、生木をゆであげて皮をはずしましたが、時期を選んで6月初旬〜中旬ごろ(岩手県の場合)に木を切ると、そのままで皮がむけます。
この初夏のころが木の年輪ができる季節で、皮と身の間がゆるんではずれやすくなります。
今回は、虫のこない晩秋に木を切って、皮を取りましたが… 山で伐りたての木の皮をはぐのも楽しいでしょうね。
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朝になって…


きのうの戦利品、勢ぞろいです。
ほんとうにきれいに剥けるもんだなあ…。
ほんとうにきれいに剥けるもんだなあ…。
このマダの木は白くてくせの少ない木で、その樹皮は肉厚で面白い表情をしています。実は、この皮を使った注文をいただいていて、おかげで楽しい材料がいっぱいできました。
さてしげしげとこの皮たちを観察しましたが…

外皮に枝のあと?がある部分には、内側の身に皮が食い込んだようになってます。
いろんなところに、木の生きていた証が残っているようです。
おまけ。

トンネルを出るとうり坊の顔が…?
笑

トンネルを出るとうり坊の顔が…?
