ごく簡単なものなら、お茶をする友人から頼まれて、ちょっとすることがあります。
長らく預かっていたものを仕上げましたので、去年記事にした金継しごとの蒔絵仕上げを、ここに載せそこなってしまったので、代わりにちょっと紹介したいと思います。

ふちの欠けたお茶碗のつくろい完了。
土のやわらかいものらしくて、あちこち欠けていましたが、漆でつくろったら小さい欠けはなじんで目立たなくなったので、一番大きい所のみ金を付けることにしました。

つくろい部分の拡大。
ここが大きくぽろっと欠けてました。
これから金を蒔きつける仕事をします。

漆で薄く均一に地塗りをした上に、
金粉をそっと筆で乗せていきます。

地塗りの漆が十分乾いたら余分な金粉は
払い落とし、漆で粉固めをして定着させます。
金粉はシンプルに丸粉三号のみを使っています。この時点では「金」の部分は、黄土色の粉っぽい質感ですが…。

十分粉固めした金を磨くと、輝きが出ます。
ここでは「鯛牙」という道具を使いました。
「鯛牙」は、文字通り鯛の牙を持ち手の棒に付けたもの。鯛の硬くて曲がった牙が、金を磨くのにとても便利なのです。こうした硬くてなめらかなもので、粉状で表面に乗っている金を磨くと粉がつぶれて平らになり、光に反射するようになります。

ぼちぼちやってたので、時間かかりましたが…
もう渡せそうです。ほっ。
もう渡せそうです。ほっ。
やっぱり修理の出来た器を見るのは、とても気持ちのいいものです。
金継ぎや蒔絵の仕事は、私も専門じゃないのですが…。
ごく簡単なことなら漆の仕事ができれば、誰にでも出来ます。
^^(ちょっと時間はかかりますが)
漆を使わない接着剤やパテが主流の金継ぎがいけないとは思わないけど、やっぱり本当の漆を使ってほしいなあ、と思いました。
気持ちいいですよ。
