半年間におよぶ研修を無事終えました!
おつかれさまです。

最後の仕事は、枝漆かき(池)でした。
枝うるしとは… 辺かき(幹からの漆採取)を終えて切り倒した漆の木の枝から、かき出した文字通り最後の漆です。重労働なのと、日本産漆が売れなくなったために一時期途絶えたのですが、竹内さんの師匠の大森俊三さんが、2001年に仕事を再開。ほぼ毎年、その仕事を後継者に教えています。

山での枝取り。伐採した漆の木から、調子のよさそうな枝を切り取って束ねます。今年は110束も(!)集めて仕事をしたそうです。


このように、池に集めて枝を立て、枝に十分水を吸わせます。(約20日間ほど)
そして、薪を焚いて暖かくし「梅雨時の気候」を再現した作業部屋を用意します。

枝に約15センチ間隔で傷を付けます。
(写真は、大森俊三さん)

ゆっくりにじみ出て来た漆を
専用のへらで根気よくかき採ります。
今回は、110束の枝から1貫500匁(約5.6キロ)もの枝漆が採れたそうです。わ〜、けっこう採りましたね。('o' )
最後の最後まで、きっちりと漆を採ってくれて、きっと木も喜んでいるじゃないでしょうか。^^
口数が少なく、若いけどもくもくと精力的に仕事をする竹内さん。
この半年間、大森俊三さんもきっと教えがいがあったことでしょう。
浄法寺は、天台寺と漆以外は、田んぼと素朴な人々、そして魂が消えそうなほど透明な星空しかないような町です。
そんな小さな見知らぬ町へ、まだ肌寒い6月の初夏からやって来て、年末の雪まで見てから、やっと奥さんと小さなお子さんと出発前に生まれた赤ちゃんの待つ長野に戻るのですから、とても一言ではいえないような感慨があると思います。
竹内さんは、明日家に帰るそうですが…
ほんとうに「おつかれさま」でした。