それが今日、やっと手元から離れて、ほっとしています。

徳島産のいい風合いの天然杉に大森俊三さんの漆をたっぷり塗り込んだ、思い入れのある品ですが…。思えば、なぜかトラブル続きの作になってしまいました。
で、この子にもお客様にもたいへんな苦労をかけてしまったのでした。

長さが180センチ、厚みが10センチくらい。
裏と面で雰囲気が違い、リバーシブルにもなる卓です。
(和裁の裁縫台で使って下さったそうです)
裏と面で雰囲気が違い、リバーシブルにもなる卓です。
(和裁の裁縫台で使って下さったそうです)
そもそもは…1年近く前、少し手直しをすることになり、遠方なのでお客様から返送していただき、けっこう時間をかけて直したのです。
お客様も完成をお待ちかね。
そして、とある運送会社さんに依頼して美術梱包でお客様のもとにお送りしたのですが…。
なんとお客様のもとにあちこち欠けた状態で届いたのです。
私たちは「ひと仕事、すんだ〜」と思って安心していたんですが、お客様から「壊れて届いちゃったんですよ…

お客様もショック…私たちもがーん

すぐさま、運送会社さんに松本が連絡をしたのですが、お客様が壊れていたことを黙ってて、数日経ってしかも梱包資材も片付けたあとに教えてくれたことがネックになりました。(数日間、ショックで悩んでいたそうです)
どうみても運送事故なのですが、運送会社さんにしてみれば、証拠がない状態。
なので運送会社さんも疑心暗鬼?で「保証はたぶんできません」という、つれないお返事でした…。

しかし、そこで情勢逆転。
なんと工房に返送中にも、再び運送事故があったのです…

これはいかん!と、梱包資材から解いた時点で、その様子を担当の方に来て見てもらいました。壊れた新たな破片が梱包の中に散っているのを見て、運送会社さんも『……』。
ということで、幸か不幸か、往復両方の事故を認めてもらうことが一応できたのでした。(はあ〜)
二回目の修理は、もっと時間がかかってしまいました。
作品展の準備をしたり出張に行ったりの間に、少しずつ進めていたのですが、結局半年近くかかってしまいました。
でも!やっとなおりました〜〜。
時間かかっただけあって、もう破損していた所が全然分からないくらいきれいになったのです。(うれしい!)

それにしても、いい仕上がりだったなあ…。
手から離れるのが、ちょっと寂しいです。^^:

○○○運輸さんに持って行く松本。
厳重梱包です。
厳重梱包です。
お客様のところに届いたら、その場で梱包を解いて中身に異変がないか確認していただくよう、お願いしました。
それにしても、大きめ家具類は運送事故が多いです。
そういえば去年の今ごろにも、楡(にれ)の棚・運送事故バラバラ事件がありましたね。(今回は、前と違う運送会社さんです) あの時も、すごくショックだったなあ…。
小さいもの、例えばお椀なんかもたまにありますが、それくらいなら「まあ…仕方ないか」と思います。
(陶芸の方なら、ほんとうにしょっちゅうではないでしょうか)
が、お椀ならともかく大きいものになるとダメージもすごいです。これからは、ちょっと家具類はなるべく出さない方向でいこうかとも思ってしまいます。
そういえば、この○○○運輸さんの美術梱包は、とても『美術梱包』とは思えない内容でした。ぷちぷちシートでくるっと巻いただけの「え?これで美術品を送っているの?」というびっくりのサービス内容でした。

内容をぜひとも見直してもらいたいものです…。
あんまりうるさく言って「うちは漆と名のつくものは絶対運びません!」と言われるのも困りますが(香川では窓口で拒絶されることがあります…他県では、どうなんでしょうか)
でも前回と違って、今回の運送会社さんは、とてもまともな対応だったと思います。ちゃんと状況が通ると、社内間もスムーズに処理を進めてくれました。
思えば、運送会社でバイトしていた友人が「現場は修羅場や!荷物なんか丁寧に扱ってられへんわ」と言ってましたが…。
この年末年始に向かう忙しい時期ですが、人も荷物も事故がないことを祈ります。