2008年02月16日

■香川県で育った漆を塗った椀。

今回は、たいへん思い出深い作を紹介します。^^

2/16香川県産の漆の椀2
「小常椀」2003年11月制作 
漆/木地固め・中塗り・大森俊三 盛辺生漆
上塗り・2003年香川県採取 裏目漆  
木地/ケヤキ

「小常椀」と呼んでいるほどよい大きさのお椀です。
以前紹介した孫椀はかなり小ぶりでしたが、これは高台もしっかり大きめで持ちやすく、ふだん使いにぴったりの椀です。
ケヤキの力強い木目を活かして、さらに朱溜にすることで強調しています。

2/16香川県産の漆の椀アップさて、何が思い出深いかといいますと…。
さかのぼること2003年、この年は香川県で松本和明が漆かきをしました。このお椀の上塗りは、松本がうるしかきをしていた漆の木の樹液を塗っているんです。
木じたいは、地主さんが徳島からきた苗(由来は徳島の漆掻き職人が持ち込んだ東北原産苗)を植えたものなのですが、香川の気候風土で育った興味深い木でした。
そして、漆かきも終盤の2003年11月23日。
地元の有志の方と集って、この木で「体験うるし掻き」を行いました。
その時「余興のひとつに」ということで、参加者の皆さんと一緒に採った漆を、採ってからすぐその場で(つまり野外で)いくつか椀に塗ったのです。
もちろん、朱溜の椀の朱の中塗りまでは、すでに出来ていたのを持ち込んだのですが… 野外で塗ったにもかかわらず、なかなかいい風合いに仕上がりました。
(↑写真は塗りのアップ。艶消しのすりガラスのような上塗り。日本産漆らしい、透明感のある硬質な質感です)

2/16香川県でのうるし掻きの様子
和うるし工房あいの公開漆かきの様子。
2003年8月、香川県木田郡三木町にて。

地元の香川県で漆が掻ける…ということで、この年の松本は大はりきりでした。
この時の様子はまた別の機会に詳しくご紹介したいと思います。

・・・・・・・


さて、この「和うるし日記」でときどき紹介している和うるしの作品群ですが… 
紹介する作の中には、工房立ち上げ時の作で写真しか残っていないもの、超レアもので1点しか残っておらず資料用に置いてあるものなども、ときどきご紹介しています。
日本産漆の中でも、選びぬいたオタクな?漆が、いろんな表現のうつわになるということをお見せしようという思いからなのですが…、ごらんになる方は、もう少し踏み込んだ見方をされていることを最近気づきました。
「あの時記事に出してた作品、展示会場に行っても置いてないの?」「あれと同じものを作って売ってほしい」
…などなどありがたいお問合せがよく寄せられるようになりました。以前はあまりなかったことなのでびっくり。
本当にありがとうございます!
でも、そんな方の多くは目が肥えてらして、たいてい再現不可能のレアものを敏感に嗅ぎ分けてお尋ねになるのですよね…。(ゴメンナサイ)
もしかしたらお好きな方には罪作りなページになるのかなあ、とちょっと思いつつも、それでも気にせず続けていこうと思います。^^




posted by 宮崎佐和子 at 21:58| Comment(8) | TrackBack(0) | ■ 和うるしの作品
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