さて、今日も昨日と変らず太陽ぎらぎらの暑い日でした。
香川県は昨日から渇水対策本部が設置され、第一次取水制限(早明浦ダムから香川用水への供給量を20%削減する)に入ったそうです。
渇水じゃない県の方も、お水は大事にしてくださいね。

…さて、今日は漆芸研究所の後輩が工房に見学に来てくれたんですよ。いろいろお話をして、そして「百聞は一見にしかず」とばかりに、うちにある自慢のうるしたちを見ていただきました。

…で、私も一緒に見学?です。(笑)
桶はふだんはしまい込んで私はめったに見ないし、見慣れたうるしたちも、初めて見る方と一緒に見ることで、再び新鮮な気持ちがよみがえるのです。

松本が最初に出してきたのは、2005年の大森俊三さんの盛り漆の精製です。

サラサラのオイルみたいな漆…
実際にヘラですくって見てもらいました。

このヘラに付いた盛り漆、アップで撮ってみました。(クリックで写真拡大します)

うわ…つくづくお椀に塗るには
もったいないような?うるしだなぁ
この大森俊三さんの2005年の盛り漆は、上塗り用に貯蔵している漆なんです。秘蔵っ子です。(いま、上塗りによく使っているのは2004年の盛りです)
まだ、じゅうぶん熟成していませんが…
この漆は世間一般には、蒔絵の梨地か木地呂として使うランクのものではないでしょうか。デビューが楽しみな子なんですよ。^^

そしてうちのお気に入りのうるしです。

なんか、深い井戸を覗いているような気分。
2005年大森俊三さんの裏目漆の精製です。
この漆は、私もお気に入り! とっても使いやすいんです。
ふっくら肉持ちがして縮みにくくて乾きもそこそこ良いのです。うちの加飾にはもってこいの大活躍している漆さんです。
…さて、容器に入っているうるしは、空気に触れないように油紙もしくはラップで密封しています。これはラップで封印しているのですが、ラップをめくった時に、ラップについたうるし樹液が折り重なってセロファンを重ねたように見えるんですね…。
その色がコニャックのような… グリーンをわずかにかんだ透き通ったライトブラウンの輝きが美しいので思わず寄って撮ってしまいました。

で、その2005年同じく大森俊三さんの末辺漆の精製です。
上の盛り漆とはもちろん格は落ちる漆なんですが、どこかアンニュイで惹かれるものを感じませんか?

(クリックで写真が拡大します)
この色、何かの石に似ているなあ…と思ったら思い出しました、宝石質の
アンダルサイト(アンダリュサイト)の輝きに似ていると感じました。
…このほかにもいろんな漆を出してみました。^^
偶然、写真におさめたのは精製うるしばかりでしたが、生うるしもいろいろ出して見ましたよ。
本当に「日本産うるし祭り」って感じでした。
なんか、私まで今更ながら?私も祭りに参加しちゃったよ。

ほかにも、室や野外の作業部屋、研磨ろくろ、いろんなこまごました道具などを見てもらいました。

松本の砥石コレクション。
広げて楽しそうに見せていましたよ。
今、忙しい時期なので、短い時間しかお話できませんでしたが…。
こちらもとっても楽しかったです。
さて、それにしても最近、日本産漆に興味を持ってくれる後輩が多くなって驚いています。
漆芸研修所の校舎の裏に大きな漆の木(
※ここに写真があります)が生えているのですが、来年の校舎移転を控えて、徳島のうるし掻き職人の
東官平さんが傷をつけに来られたのですね。そのあとの傷入れは研修生がしているそうで、そんなことも関係しているのかなあと嬉しく思ったりしています。
posted by 宮崎佐和子 at 23:59|
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