その様子をちょっとご紹介します。^^


箸木地専用の台に、木地を据え付けて、一本一本ていねいに削ります。
今年の3月にも、お箸の木地を削る様子をご紹介したのですが、その時と仕事のやり方がかなり違うと思います。
なので、今回も違う雰囲気のお箸木地になるはず。(といっても、分かる方だけが分かる、微妙な違いですが…。どんどん進化中です)
全体を見て、バランスのチェック。

お箸、というのは意外に思われるかもしれませんが、なかなか木地つくりは難しいものなのです。
まず、丈夫さが大事ですし…。
そして木を、こんなに細く長くしてしまうので、材の選別や加工もシビアなんです。(細長くするほど、木は反りやすい。※反る→先の合わない箸になってしまう)
なので、一気に仕上げてしまわず、時間をあけてじょじょに削って、木地がなるべく狂わないようにしています。
(↓クリックで拡大します)

このお箸はナラ材です。
(この材は、高松市の木工所さんから見つくろったものです。お箸用に小さくカットするには、もったいないようないい木でした)
最近、お箸の木地は、こんな広葉樹系を使うようになりました。
加工は、ちょっと手間がかかりますが… 硬いし、適度なやわらかい重みがあるんです。(あと、木目も私は好きです)
お箸の木地作りは地味な仕事ですが…
「塵も積もれば」で、そこそこ数がたまってきました

また、お箸のサイズは何種類か作るようにしているんですよ。
その方の手に合ったものを選んでいただけるようにするためです。
…こうしてみると、うちのお箸は一膳でもなかなか贅沢なものですね。

反りにくい、目の通った硬めの材を使って、1本ずつ手削りして、しかも日本産漆だけで仕上げてしまうというのですから…。
なぜ「箸用に細かく切ってしまうには、もったいない木」を材料に使っているのかというと、まっすぐきれいに目の通った、良い木でないと、まっすぐな美しいお箸にならないからです。
いいわるいは別にして、市販のお箸はちょっと高価な手作り風のものでも、外国からの完成品の輸入が多かったりします。
工房では、ものをあんまりたくさん作ることができませんが、お箸一膳でも、手にする方が満足して下さるよう、心を込めて作りますね。^^


また、仕事のじゃまをしにきたむぎ君。作業机に乱入です!
…君に関係のあるものは、何もないというのに…。
