(2001年に松本が徳島県三好市山城町で漆掻きをして手に入れたマニアックな『阿波うるし』※こんな漆でしたが、地元ではあまり評価?されず落ち込んだお話でした)
でも、もちろんそんな思い出ばかりではないですよ。
嬉しかったこともいっぱいありました

一番嬉しかったことは…。
やっぱり、徳島の方が喜んでくださったことでしょうか。
仕事を始めたのは地元の香川県でした。
でも、徳島で貴重な四国の漆を手に入れた…ということで、はじめての県外に出て行った作品展の場所は、徳島でした。
「徳島の漆をみてください!」
…と私たちも熱い思いで、行ったんですね。

なつかしい同時のDM。うつわの作品展なのに、
写真が樹液というちょっと冒険したものでした。
写真が樹液というちょっと冒険したものでした。
そんなふうに徳島では、小さいけど素敵なギャラリーさんでお世話になりました。^^
四国放送さんや徳島新聞さんなどが、ご紹介してくださったこともあって、いろんな方が遠くから見に来られ、展示した作品たちは、阿波うるしと浄法寺うるしの両方を使っていたのですが、とても楽しんで下さったようです。
また、「地元の徳島に、こんな素敵なうるしがあることを知らなかったわ、ありがとう」と嬉しいお言葉をいろんな方に言ってくださいました。

それから何度か徳島で作品展をしたのですが、とても楽しみにしていただいて、会場に入るなり「どれが、徳島のうるしを塗っているものかしら?」とおたずねになって、いとおしそうにごらんになって買われたり…というお客様の姿もよく見ました。
そんな様子を見て「ああ、ふるさとの素材って大事なんだな」とつくづく思ったものです…。
私たちもその頃には、少し漆の「見せ方」に慣れてきて、こんな素材そのまんまの出し方ではなく、うつわとして多少は楽しい塗りを工夫してお見せするようになってきました。
ほんとうにいろんなことを勉強させてもらった漆でしたよ。
これもほんの数年前のことなのですが…
この頃のことを思い出すと、すごく前のことのような、逆につい最近のことのような、不思議な気分になります。