いよいよ来週の火曜日に、作品展の搬入です。
この秋の第一弾は、高島屋京都店さんです。^^
(きのう、やっとご案内状を発送して来ました…いつもギリギリです。

)
高島屋京都店さんのあとは、間髪入れずに広島の福屋さんが始まります。今年はこの辺のスケジュールがきついですねえ。
でも、それは1年以上も前から分かっていた事なので、覚悟はしています。
しかしやっぱり焦っているようで…。
今年の松本の誕生日(8/21)、二人ともスッカリ忘れていました。

(私がふと気づいた時は、夜の12時をまわってました…)
この時期は、8月末からの高島屋京都店さんに向けて、いつもばたばたしているのですが、松本の誕生日だけは忘れていたことはなかったんです。
ちょっとショック。(でも松本はちっとも気にしていない)
私の方が、10ヶ月年上なので、10月の私の誕生日までの2ヶ月間だけは同い年になります。
…あっという間に、30代が過ぎ去っていきますよ〜。笑
さて、先日、それよりショックなことがありました。
それは、8/1の
絵付けの仕事とそのほか。で、山帰来の絵を描いた、入れ子椀に起こりました…。

上塗り前のお椀です。

絵は、こんな感じになりました。
これをきれいに洗浄して、表面の微細な埃や油などを取ってから、大森俊三さんの盛り漆で上塗りするんですよ。

お椀の中は『六瓢箪』を表した模様を。
山帰来(サンキライ)には薬効があるということから、無病息災を願う縁起物です。
さて、このお椀に何が起こったかというと…。
ふちが欠けてしまいました… 

わ〜〜ん、お気に入りだったのに〜

上塗り前の洗浄の時、うっかりして
洗面台の角に、思いっ切り落としてしまったんです…。
(
カーン
という、悲しくいい音がしました。涙)
五つ組の入れ子椀で、一番大きい椀に他の四つの椀がきれいにおさまる組ものだったのですが、もう組では出せません。(欠けたのは、二の椀でした。二番目に大きいの)
残り4つのお椀は、それぞれ単品売り決定です。(もうきれいに塗りあがりました)
せっかく五つそろって仲良く、どなたかのところに行くかも…と思ったのにかないませんでした。仕方ないです。


悲しい破片です…。ぐっすん。
これが、お客様がお使いになってた工房のお椀なら、修理してさしあげるところですが… 新作では駄目です。
お蔵入りです〜〜〜。
こういう時期には、ときどきこんなことが起こります。
さて、気をとり直して。
そういえば、お椀の断面を見る機会はなかなかないと思います。

うちのお椀の場合はこうなっているんですよ。

木地は、ミズメザクラの縦木です。
下地は漆下地、すべて日本産漆。
木地の木目のこんなに奥深くまで、無溶剤の漆がしっかりと吸い込まれているんですね
悲しい気持ちもちょっとだけ忘れて、松本とじ〜っと見てしまいました。笑
塗りは、中塗りまで11回は塗り重ねています。
漆下地なので、一見するとそうでもないようですが(漆の一回の塗り厚みはミクロン単位と言われています)これで、なかなかの厚みがついているんですよ。^^
こんなに遠慮なく?漆を吸い込んじゃって…
漆がたくさん要るわけですね。

漆をされている、堅実なほかの方の「このひとたち、なんかへん…」という心の声が聞こえて来そうです。
さてさて、準備するものはまだまだあります。
あと少しがんばろうと思います。
posted by 宮崎佐和子 at 23:59|
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