工房のネコは、3匹います。
そのうちの1匹。野良猫だった
うり坊が、うちに来てちょうど1年になりました。


今回は作品展が京都〜広島と間無く続いていました。
2週間以上、県外に出ているということになり、その間半月あまりという長〜い間、ネコたちはいいつものように私の実家に預けられていたんです。
…さて、
行方不明になったり、
漆にかぶれたり、うちの子になって早々からさまざまな事件を起こした経歴を持つうり坊ですが…。
今回もやってくれました。
また、脱走してたんです…。ばたばたする搬入日の2日前の夜、いつものように洗濯ネットに猫たちを包み、トイレとフードとおもちゃを持って、隣町の私の実家に預けてきました。
(ネコさんたちが居候するのは、私が使っていた2階の四畳半のお部屋です)
無事、ネコたちを部屋に納め、戸締まりもきちんとし、私の実家の家族は安心して就寝しました。

しかし、翌朝。
いないのです、うり坊が

窓も開いてないし(一カ所網戸でしたが、テープで目張りしていたし、窓はしまったまま)入り口は閉めてるし…。
どうみても、密室にしか見えない部屋。
しかし、ミルとむぎはいつもの顔で部屋にいるんですが、
うり坊だけ消えているんです。
なぜ?
私の家族は大慌て。
連絡を受け、準備でほぼ徹夜だった私も「うそでしょ〜」とビックリして実家に行きました。「部屋のどこかに、きっと隠れているんだ」そう思っていたんです。
…でも、本当にいないんです。
「どこに行っちゃったの、うり坊のばかあ〜〜」とすっかり途方にくれてしまいました。

現場検証のうえ、いちばん怪しいのがココということになりました。(網戸のところです)

窓のこの部分に、うり坊のらしき白い毛が
はさまっていたというのです。
暑かったのでここだけ網戸にしていたんですが…。
テープで窓が動かないようになっていたし、この写真の通りで無理にはずした跡もないんです。

でも、力一杯押すと3センチ位の、微妙な隙き間ができなくもないんですよね。

…まさか、ここから

でも、どう見てもネコの頭も入らないような感じです。
しかもかなりの力を入れないと隙き間できないし…。(ちなみにここは2階です)
でも…。
経路は分かりませんが、うり坊がいなくなったのは確かなんです。
「また…? もう、うり坊なんて知らない!」
と正直、思いました。
ほんとは探しに行きたいけど、まだ準備が残っているし、もう京都に出かけなきゃいけない…。

出発前の深夜、疲れているはずの松本が探しに行きましたが、見つけることができませんでした。
結局、心名残なまま京都へ…。もう仕事モードに入ります。
ぶじ、京都での作品展が始まっても、夜に部屋に戻って話すのはどうしてもうり坊のこととなります。
「…どうしてまた逃げちゃったのかなあ。もう慣れて落ち着いていると思ったのに」
「今度は、もう戻らないかもしれないな」
もう、ほぼあきらめていました。
そして2日目の夜、明日の催事もがんばろうと、宿泊先の部屋でうとうとしていた時。
ピローン

と、私の携帯がメールを受信しました。
「もしかして!」とがばっと起きて、メールを見ると…
私の弟から
『うり捕獲』の報せでした

でかしたよ、弟よ!
見つかったとなるとひと安心です。
今までの心配はそっちのけで「うり坊のバカたれめ」と松本とさんざん悪口を言いながら、安眠することがやっとできたのでした。

さて、うり坊の逃走経路は、やっぱりあの網戸がアヤシイということになりました。実家のネコ部屋のセキュリティは最大限にアップされ、完全独房となった部屋にうり坊は、お役御免になるまで文字通り監禁されていたのでした。

監禁中のうり坊。つまらなさそう…。
…さて、今回はどうやってうり坊が戻ってきたかというと…。
おなかが空いて、帰ってきたんですね。(かっこわる…)
2階の隣りの部屋の窓辺に、キャットフードを置いていたんですが、それに釣られて戻って来たのを、偶然弟が見つけて捕獲したそうで…。
前回の失踪劇では、「見つかって良かった」と感動の涙を誘った?うり坊ですが、今回はそんな雰囲気にはならず…。
ただひたすら、男を下げただけのうっちゃんでした。