ぶじ、30回目の浄法寺漆共進会が終わったそうです。
今回は残念ながら、足を運ぶ事ができませんでしたが… お忙しい中、今年の長期研修生の本間さんが、その様子を教えてくださいました。

会の様子は… こんな感じです。

数年前の写真ですがこんな様子です。
ほんとは、いろいろ撮影してくださる予定だったんですけど、本間さんは研修生なので会の進行のお手伝いもしていたそうで、写真はほとんど撮れなかったそうです。残念〜!
共進会は、19日の午前10時からの開催でした。
その年の組合員さんの採った自慢の漆を、いっせいにお披露目する会なのですが、今年は近年最多の出品人数の24人だったそう。
皆さんの力作、初辺(初夏の漆)、盛辺(真夏の漆)、末辺(秋の漆)のそれぞれの漆桶が40個以上も並びました。(なかなか、壮観な光景だったと思います)
そして、審査の先に「浄法寺漆認証マークの発表会」が行われました。
その浄法寺漆ブランドの認証マークはこんなマークです。
岩手日報さんの記事をごらん下さい。これからは、正式な認証を受けないと「浄法寺漆」を名乗れなくなります。
その発表会が終わったあとは…
いよいよ漆の審査です。(ドキドキ)
担当の漆掻きさんが、密封した漆の桶の蓋紙を開けて、中身を露呈してヘラを立てて、審査員さんがそれぞれの粘度や色、匂いその他を検分して、個別に評価をしていきます。

今年の大森俊三さんの盛り漆のヘラ立て(審査)の様子です。(本間さんがなんとか動画を携帯で撮ってくれました)
…あれ?
大森俊三さんの漆、今年はいつもと色が違いますよ。
(今年は、色がやや濃いような…)
大森俊三さんの盛り漆は、5貫目がこのあと荷造りされて、うちの工房に送られて来る予定なんですよ。
早く見たいです。


そして、本間さんの採った漆も出品されていましたよ。
毎年、研修生は必ず共進会に出品することになっているんです。
自分の初めての仕事を、公の場で発表するんですから… こちらの方もそうとうドキドキでしょうね。
でも数ヶ月、慣れない山仕事で頑張った成果ですから、とても晴れがましいことですね。^^
ほどなくして、審査発表が出まして…。
初辺の部の金賞は、佐藤春雄さん。
盛辺の部の金賞は、大森清太郎さん。
末辺の部の金賞は、工藤竹夫さん でした。
なんと本間さんは、めでたく初辺の銀賞をいただいたそうで… わぁ、おめでとうございます

ぶじ、共進会を終えたあとは、皆さん連れ立って天台の湯にて打ち上げ会を行ったそうです。
ほんとうにお疲れさまでした。
(今年の共進会は、一般の方もかなり参加されたみたいで… 『ふゆかぶ』さんというカブ乗りさんの
ブログで、かなり詳しくレポされてて楽しかったです♪
新聞記事よりも詳しいんです)
さてさて、無事共進会は終わったホッとしたところですが…。
気になるのは、今年の漆の「品質」です。
制度は発足されて、よきスタートを切ったものの、こちらの方は正直言って、かなりシビアです。
全体的に、今年採れた漆の色が「白っぽい」みたいなのです。
白っぽい色の漆…
これは水分が多い漆、すなわち身のつまっていない漆、質がよくないことを表します。(本間さんからの動画を見た松本が、とても心配して確認していました)
不安は的中で、今年の漆は例年より出来がよくないそうです…。
審査に立ち会った漆掻きさん自身もそう感じていたらしくて「今年の漆は全般的に白い、自分自身の漆も今まで採った中でも今年が一番白いと思う」とおっしゃっていたそうです。
ボジョレーヌーボーのように「今年もたいへんよい出来です」と毎年言えればいいんですが
(毎年変わらず出来がよいのも本当かなあ、と思うんですが) 漆は人の仕事でもあるけど自然の授かり物でもあるので、なかなか難しいと思います。
そんなこんなで、うるしも自然の作物なので、年によって出来不出来は当然あるわけなのですが…
気になる事に、ここずーっと、いい年がありません。

天候のせいかなあ。(しかし漆は値上り…。今まで買い叩かれ放題だった浄法寺漆もやっと適正価格に近づきました)
値上りはぜんぜんいいんです。
でも、買うからにはいい漆が欲しいなあ…。
ああ、松本が浄法寺で漆掻き研修をしていたころは、ピカイチのいい漆が採れていたなあ!
あの時代よもう一度、という感じです。
さて、今回は見に行けず心残りだった共進会ですが…。
本間さんのおかげでその様子を少し知ることができました。ありがとうございます。^^
本間さんは、11月の上旬頃まで、浄法寺でいるそうです。
あと、もう少しです… また漆掻きのお仕事の様子も教えてくださいね。