
岩手県二戸市浄法寺町は「日本のふるさと」のイメージをそのまま形にしたような、のどかな町です。
空は澄んで夜は星がこぼれそうなほど天に近く、地元の人々は農業や畜産にいそしみ、夜の席にはその家の自慢のどぶろくも出る…
そんな素朴な町です。
そして、日本一の漆樹液産地でもあります。
その浄法寺町が、明日は活気付く日です。
きっと多くのテレビカメラや新聞も入ることでしょう。
明日、開催される第30回浄法寺漆共進会は、いつにもまして特別な日なのです。
浄法寺漆は、この時勢に合せて、二戸市が産地ブランドの確立にたいへん力を入れてきました。日本一の生産量(いっても1トン前後くらいなのですが)を誇るこの町のことは、漆のお仕事をされている方ならたいていご存知でしょう。
しかし、残念ながら消費者であるお客様の認知はまだまだ低いといわざるを得ません。
しかしながら、ほぼ「日本産漆 イコール 浄法寺漆」と言っても過言ではないくらい、漆産業にとっては大事な地であるんですね。
その産地ブランドの格付けである第一回目の認証のセレモニーが、明日の共進会で行われるのです。^^
それにともなって、いろいろ関連の発表があるかと思います。
しかし残念ながら、今年は私たちは行けないのですが(来週からまたもや作品展が

ドキドキ…

とっても楽しみです。





これらの書類は見本として、浄法寺漆生産組合から送られてきたもの。これからは漆の出荷後にこのような明細が送られてくるんだそうです。
いつも、漆掻きさん自身から詳しくヒアリングしていた内容がきちんとお墨付き?の書類にまとめられるというわけですね。とてもいいです。
さてさて、もう少し詳しく…。
これらの認証が適応されるのは、岩手県浄法寺漆生産組合の組合員さん、もしくは主として浄法寺町で伝統的に行われてきた漆掻きの技術で漆を採取する人であるか、浄法寺漆認証委員会が特に認めた人が採取する漆で、なおかつ採取地域が岩手県全域、青森県三戸郡、八戸市、十和田市、秋田県鹿角群小坂町、鹿角市、大館市であるもの、また品質に関しては増量等を目的にして意図的に異物を混入していないこと、浄法寺漆以外の漆を混入させないことがあげられます。(浄法寺漆認証制度の運用についてより抜粋)
※岩手県浄法寺漆生産組合 組合員
佐藤春雄(組合長)、三浦義美(副組合長)、漆田吾郎(副組合長)、工藤竹夫(幹事)、吉田信一(幹事)、大森正志(幹事)、砂子田進(監事)、横浜正雄(監事)、大森清太郎(会計)、鈴木健司(会計補佐)、大森俊三、漆田兼蔵、大森貴太郎、澤田文雄、岩館正二(顧問)、小沢純、田口長吉、田畑与吉、田口武夫、佐藤正勝、漆田忠八、横浜善蔵、砂子田宏雅、樋口昭吉 (敬称略)ここまでの制度の組み立てには、浄法寺漆に関わる多くの方々の並ならぬ努力とご苦労があったことでしょう。それだけに、明日の共進会はたいへん、心待ちにしておられると思います。
滞りなく無事成功することを遠方よりお祈りしております。
私たちも、本間さんからのレポを楽しみに、自分たちの仕事をしていようと思います。^^