2008年11月30日

■漆掻きさんからリンゴをいただきました。

もう、11月も終わりですね。^^
この一ヶ月は展示会はなかったものの、やはりご注文や次の制作のために慌ただしかったです。工房を立ち上げて、ずっと二人だけで仕事をしていましたが、そろそろ限界に近づいています。人手が欲しいところです。
腕が切れる人にお手伝いしてほしいなあ‥。
きっと輪島なら、松本も気に入るような(←ここが問題です、ハードル高し)腕の立つ方にお仕事を手伝っていただけるのでしょうが、こちら弱小産地?の香川県はそうはいきません。最高品質の国産漆なら売るほどある工房ですが、人材不足は泣き所です。
せめて、あさってからの出張までにはギリギリまで頑張って仕事を進めておこうと思います。

さて、今日はうれしいことがありました。
バッド(下向き矢印)浄法寺の漆掻きさんからリンゴをいただきました。
11/30リンゴ
わ〜、リンゴ大好きです。ムード
四国はミカン産地なので、ミカン類はちまたにあふれているんですがリンゴはそうはいきません。リンゴの位置は高いです。
友人や実家にお裾分けしようと思います。

今年の浄法寺は、取引をはじめいろいろオープンになり、うちの工房がありえない量の漆を注文していたことが白日のもとに晒されてしまいました。「こいつら‥正気でないだろう がく〜(落胆した顔)と浄法寺の方々は思い切りドン引きしていたそうです。;;(って、国産漆って本当に誰も使ってないんですね。T_T)
とはいってもとりあえずまだ半分しかお支払いしていないので‥ 頑張って働かなくてはいけません。

さて、そんなこんなで猫たちとも明日でお別れです。

バッド(下向き矢印)何も知らない猫さんたち。おやつに夢中です。
11/30猫たち
ミル、むぎ、うり坊の珍しい3ショットです。
缶詰の引力のおかげです。

そうそう、食事の量を減らしているため、むぎ君は少し痩せてきましたよ。早くスッキリしたむぎ君を見てみたいです。
11/30缶詰食べたいむぎ君
「はやく食べさせんかい!」ちっ(怒った顔)
‥気の短いむぎ君です。

11/30猫たち
‥やっとおやつにありつけました。
三色の猫さん、集まると面白いです。


猫たちもあした、実家に預けられます。
約10日、あずかりっ子になりますが、悪いことをしないでおとなしくしていてほしいものです。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:49| Comment(4) | TrackBack(1) | ■ 工房のネコ

2008年11月29日

■丹波漆シンポジウムのお知らせ。

11/29丹波漆シンポジウム広告

第三回 丹波漆シンポジウム

日時/12月6日(土) 13:00〜17:00
場所/福知山市夜久野町ふれあいプラザ


伊東史郎氏(京都国立博物館名誉館員)による「日本の木彫像と漆仕上げ」のテーマで講演会があります。
また、福知山市の出土遺物などの展示もあります。

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実はこの講演会に、けっこう松本は興味しんしんです。(木彫の話が大好き)
しかも夜久野町には、東京での催事が終わったあとの帰りに寄る予定にしているんですね。丹波の漆掻きのおっちゃんに「忘年会」の名義で呼び出しをくらっているのです。たらーっ(汗)
でも、展示会が終わるのが9日。なので、夜久野町に寄るのは10日‥。微妙に間に合いません。
もし、ご興味のある方はぜひ行って見て下さい。


     ↑
夜久野町ふれあいプラザ


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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ お知らせ

2008年11月28日

■松本が保存会の研修から戻りました。

松本が「日本うるし掻き技術保存会」の研修から戻ってきました。
昨日のお昼に出かけて、今日の昼に戻るというタイトなスケジュールで出て行きました。新幹線
結局、出かけるぎりぎりまで夜通し仕事をしていて、出先でも盛り上がりすぎて宿泊先で眠らなかったので(しかも松本は移動中に眠れないタイプ)もしかして二晩徹夜‥? かなり疲れて帰ってきました。
今、まだ爆眠中です。
と同時に、むぎ君の姿も見えないので、おそらくまたこんな感じ晴れになっていると思います。;;

今回の研修先は東京。
保存会の漆かき研修生OBたちが集まって、漆の勉強をしてさらに近況を報告しあったり交流するという研修会です。
浄法寺で漆掻きを学んだ若い仲間たちはその後出身地に戻ってしまうので、この機会にまた会うことができます。年に一度数年前から始まりました。
昨年の研修地は、茨城の漆かき現地の視察でしたが、今年は東京文化財研究所での「第2回伝統的修復材料および合成樹脂に関する研究会〜漆を通じてみた日本と保存修復の現状との交流」という研究会の参加でした。
(とても興味深い内容でしたが、松本はこちらには行けず‥参加できたのは、そのあとの研修生同士の報告交流会だけでしたあせあせ(飛び散る汗)

今年の漆掻き研修生も参加していたし(もちろん本間さんも)新しい事務所の方にもごあいさつもできたしと、行って良かったみたいです。^^
国産うるしに向き合う仲間と、ひさびさに会うのはいいものですね。

さて、目が覚めたらまたお仕事です。
今年最後の作品展の準備は、今月中にほぼ終わらせてしまうつもりなので、がんばろうと思います。

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posted by 宮崎佐和子 at 20:30| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 日本うるし掻き技術保存会

2008年11月26日

■東京での作品展のお知らせ。

11/26飯椀

和うるしの器展
12月3日(水)〜12月9日(火) 
会場/伊勢丹新宿店 5階
特選和食器

重箱、めんぱの弁当箱、椀、箸、箸箱、スプーン等を展示いたします。
ほか、漆の木やウルシ樹液、うるし掻きの道具等の樹液採取にまつわる資料もお見せします。

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伊勢丹新宿店さんも、初めての会場です。
今回は残念ながら?松本の実演はありません。
会場が広めなので、かなり多種類を展示できると思います。今まであまり作らなかった角重箱も新しく加わります。ぜひ見てくださるとうれしいです。^^

松本と宮崎、二人とも会場におりますので、もし来られましたらお気軽に松本に声をかけて下さると嬉しく思います。ムード

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posted by 宮崎佐和子 at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ お知らせ

■竹のお箸筒を追加制作中です。

更新が遅れぎみになっていました。あせあせ(飛び散る汗)
12月3日からの作品展の準備のため、さすがにちょっとバタバタしています。
しかも松本は、あしたから東京に出張なのですね。
2日近く工房で仕事ができなくなるので、そのぶん頑張っていました。でも、おかげでだいぶ目処がたってきましたよ。^^

さてさて、もう11月も終わりですが、実は11月はご注文分制作強化月間でもありました。

バッド(下向き矢印)オーダーの多かった箸筒も、やっとここまでごぎつけました。
箸筒

身と蓋とうまくペア組ができたものを、端の処理をして仕上げている最中です。今回は、まあまあうまくペアが組めたかな?
今回制作中のものは、やや短め・細めのものが多いです。
「お箸21センチがピッタリ入る細めの箸筒、梅の絵」とか、こだわりのお客様のオーダーはかなり細かいです。やはり、持ち歩くものになりますから、うんと好みでフィットしたものがいいんですねえ。
しかし、それぞれのご要望に見合う竹の木地は‥。
なかなか見つかりません。
何十個と作って、いくつか見つかるかな?という感じです。時間がかかって申し訳ないのですが、もう少し待って下さると幸いです。

バッド(下向き矢印)こちらはうまくピッタリさんが見つかった、オーダーのお箸筒の木地です。よそにいかないよう確保しています。
箸筒
右の2本は、ご夫婦で使われる予定のものです。ムード

ほかにはお箸、スプーン、お重箱などのご注文のものも(まだほかにもありますが)進めています。まだ「出来上がった!」というところまできているものは少ないですが、だいぶゴールが見えてような気がします。;;

松本とむぎ←おまけです。
仕事を詰めてお疲れぎみの松本と、むぎ君です。
いつもこんなふうに頭を並べて寝ています。眠い(睡眠)


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posted by 宮崎佐和子 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2008年11月23日

■シッポが二股のヤモリさん。

そういえば、少し前にタイトルのとおりの珍しいヤモリさんを見つけていました。
忘れないうちにアップしておこうと思います。^^

この尻尾が2本あるヤモリさんを最初に見つけたのは、かれこれ1ヶ月以上も前でした。2階にある私の仕事部屋の窓を何げなく開けようとした時に、この子がバッ!と部屋の中に飛び込んできたのです。あせあせ(飛び散る汗)
そのただならぬ姿に「えっ!」とビックリしてよく見ようとしたんですが、そのヤモリさんはすばやく部屋のどこかに身を隠していなくなってしまいました‥。

それから1ヶ月後。
バッド(下向き矢印)松本が家の中でそのヤモリさんを見つけました。
11/15二尾のヤモリさん。
この子です。ぴかぴか(新しい)

かなり大きくて成熟したヤモリさんです。たぶんオスだと思います。1ヶ月飲まず喰わず(おそらく)でかなりへたっています。;;

その、珍しい二本になったシッポですが‥。

バッド(下向き矢印)こんなふうになっています。
11/15二尾のヤモリさん。
ほらほら、ほんとに二股になっているでしょ?
こんなヤモリさんは初めて見ました。
一度、シッポが切れたか切れかけたかになって、再生する時に何かの具合で2本に生えてしまったのだと思いました。
本当に不思議な姿です。

この二本のシッポはどんな風に生えているかというと‥。

バッド(下向き矢印)上下に重なるようになって生えてます。
11_15_yamori_3_.jpg

ワニが口を開けたみたいな感じですね。
上のシッポが脇役で下のシッポが主役という感じで、下のシッポの方が大きくて太いです。
このヤモリさんは、写真を撮った後にウルシの木のところに逃がしてやりました。
もう11月に入っていたのですが、かなり消耗していたので冬眠できるのでしょうか。ちょっと心配です。

さて、家の周囲だけですが、ときどきこうした面白い生き物を見つけることができるので楽しいです。(去年は片目のアマガエルさんも見つけました。この時もびっくりしたなあ)
もう晩秋なので、こうした動物に会えるのも今年は終わりかと思いますが、ほんとうに自然の生み出すものって不思議だなあと感じました。

posted by 宮崎佐和子 at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の木の住人

2008年11月22日

■最近のことを、こまごまと。2

来月の作品展(伊勢丹新宿店)は、今年で最後の催事になります。
それに合せて、新作もいろいろ制作中です。
新作の中でも一番は、指物木地の四角い重箱でしょうか。※重箱の木地いろいろ 一般的な6寸、5.5寸の四角の重箱以外にも(今回仕上げるのは5.5寸)、細長いもの、小さいものとかなりバラエティーがあります。(八角形の重箱もあって、とても可愛らしいです)

9/21箱

今までは、香川県らしいぼってりした挽きもの丸重箱がメインだったので、この指物の角重の軽さがとても新鮮に感じています。
5/24つばき丸重箱


これらの角重箱は、シンプルな無地仕上げにします。
桐箱は作らないで、かわりに保多織さんの袋をこしらえてもらっています。出来上がるのが、とっても楽しみです。ムード
ほか、新作には蓋付のお椀もあります。
こちらも無地ですっきり仕上げる予定です。

ほか、品切れ中のフリーカップやお箸やスプーン類も松本が必死で作っていますが‥。どこまでできるでしょうか?
もうあまり日にちがないので、間に合った分だけですね。あせあせ(飛び散る汗)

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

さて、話は変わりますが‥。
つい先日まで、年が変わったらこの「和うるし日記」のアドレスを変える予定でした。
2年半くらいここで続けてきたし、本当は変えたくなかったので結局そうならないでホッとしています。
なぜアドレス変更を考えていたかというと‥。
サーバの容量が埋まってきたからなんです。 ここはさくらインターネットさんのお世話になっているのですが、もともとは、友人が運営してくれているこの葉だよりというサイトが入っているホスティングのサービスに、ブログ機能が付いていたんです。
「せっかくだから」と友人にすすめられて、この「和うるし日記」を書き始めたのですが‥。
いつの間にか、本局をおびやかすほど?サーバの容量を侵食していました。;; (写真が多いから、仕方ないんですけど)

ということで、本局サイトを圧迫しないうちにお引越ししようと思っていたのですが、別のサーバに移るとアドレスはどうしても変わってしまことが分かってがっくり。
(アドレスが変わると、見てくださる方も面倒ですよね)
せっかくYahooさんの登録サイト(漆芸)にも入っていて、心残りだったけど切りのいい新年から、別のところに移ろうと思っていました。

しかし幸いなことに、先日さくらインターネットさんがサーバの容量をアップしたことが(300MB→500MB)分かってホッ。ぴかぴか(新しい)
このタイミング、ほんとに良かったです。
あと2年くらいは大丈夫かなあ‥ 残り容量を気にしつつも、これからも漆の濃いお話をしておきたいと思います。^^
これからも、よろしくお願いいたします☆
そういえば京都の木工家の臼杵さんが、この秋に中国に行ってうるし掻きを取材してこられまして、そのお話をいろいろ聞いています。
中国の漆事情は、多くの方が関心あるお話だと思います。
近々アップしますので、見てくださると嬉しく思います。


posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日記

2008年11月21日

■最近のことを、こまごまと。

11月も下旬になりました。
工房は、来月の作品展の仕込みに大忙しです。^^

とは言っても、今月は催事が一つも入っていない貴重な月だったので、この機会に奮発?して環境をいろいろ整えている最中です。

バッド(下向き矢印)まず、食洗機(食器洗い乾燥機)を買いました。
11/21食洗機
シャープさんのQW-SC1です。

これで工房のお椀類を入れて、ばんばん洗ってみています。
実用を兼ねた実験なんですが、食洗機って本当に便利ですねえ。ちょっと驚いています。(いつも流しが片付いているという、信じられない状態を保っていますぴかぴか(新しい)
食洗機を使っている方が本当に多いのもしかたないなと思いました。
しばらく使ってみていろいろ興味深いことがありましたので、また改めてお話しようと思います。


バッド(下向き矢印)そして、庭に資材置き場と木工ろくろを増設中です。
11月に職人さんに漆の枝が切られたというお話をしましたが… この作業中に起こった出来事なんですね。;
11/21物置き場1
11/21物置き場2
おとといまでの様子。
↑この深い穴に強い基礎を作って木工ろくろが設置されるらしいです。
11/21物置き場3
そして今日は基礎にコンクリが入りました。
(いつの間にか隣りのおじさんがお手伝いに…)

この物置兼作業場はL字型になっていて、手前は木材などの資材を置いて、奥の曲がった部分に木工ろくろ部屋が入ります。
「ろくろ」自体は、2005年にいくつか買って準備していたのですが、当時はまだ余裕がなくてずっと置いたままになっていました。(据え付けにかなり予算がかかるんですね)
お椀などの器の木地のほとんどを輪島や山中にお願いしていたのですが、これでちょっとした器の木地も自分ですぐ挽けるようになります。
もちろん、これからも木地師さんにたいていの木地は挽いていただくんですが、規格外のものやこだわりの一品もの、そして木地サンプルが気軽に作れるようになります。(ウルシの木とかちょっと変わった材も使えますね〜)
万全に仕事ができるようになるまではまだまだなんですが、ようやく形になりそうかな…。とっても嬉しいです♪

ほんの3、4年前までは、ぜんぜん余裕がなくてできなかったささやかな設備が、ここ1年くらいの間に次々と実現してとても嬉しいです。
これも、お客様やお仕事を手伝ってくださる方々のおかげですね。ムード


さて、新潟のウルシの木の先端に付いていた、カマキリさんの卵ですが‥
11/21卵の取れた木
やっぱり葉っぱと一緒に取れてしまいました。あせあせ(飛び散る汗)
この今年一番の木枯らしにはかないません。


posted by 宮崎佐和子 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日記

2008年11月20日

■星になりかけたむぎ君。

昨日はこの秋一番の冷え込みでしたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
実は昨晩、不思議な出来事がありました。

バッド(下向き矢印)このキジトラ猫のむぎ君(3才)なのですが…。
11/20むぎ

今から振り返ってもよく分からない、不思議な体験でした。

すごく冷えた夜で、むぎ君はいつものように、松本のおふとんに入って寝ていました。(松本は湯たんぽのようなむぎ君と一緒に寝るのが好きです)
人も猫もあったまって、私をはじめみんなスヤスヤ 眠い(睡眠) と寝ていたのですが…。

夜中の三時、突然松本が、むぎの異変に気づいて飛び起きました。

「むぎ!むぎ!どうした?」
松本の尋常でない声で私も起きてしまいました。
「え…むぎがどうかした」
「むぎが、おかしい」

むぎは、松本の枕元で寝ていました。
…が、様子がふつうでないのです。
「こいつ、からだがこんなに冷たかったか?」
「え…」
触ると、むぎの身体がしんと冷たくなっています。
しかも枕元でうずくまるその姿は、生きたツヤツヤした猫の姿ではなく、生気のないけば立った毛のかたまりでした。

それを見て、ゾッとしました。
それは以前、見たことのある姿でした。
ミルミルの死んだ兄猫が道路に横たわっていた姿とそっくりで、いつものまるまるとしたむぎの身体がしぼんで見え、ぐったりと身を置いているのです。

「むぎ、むぎ」と一生懸命呼ぶと、むぎは生きていて少し目をあけましたが、やはり普通の様子ではなくもう少しも動きたくないといった風情でした。
犬でも猫でも小鳥でも、生き物の臨終を見たことのある人なら分かるかと思いますが、もうほとんど魂が抜けかけているような、戦うのをすっかり諦めて来るべき時を静かに待つ姿のように見えました。
そんなむぎの体は、不思議なくらいしぼんで小さくなっていました。

どうしよう、と思いましたが、時刻は深夜の3時。
人間なら救急車を呼びたいところですが、ペットはどうしようもありません。
「もう、朝まで持たないかもしれないな」
「でもどうして、元気だったのに…」
むぎが死ぬ、このままでは死んでしまうと心がざわめいてドキドキするのですが、何もできません。
しかたないのです。
むぎとお別れです。

むぎは、ミルの死んだ兄猫の代わりに私が探して連れてきた猫でした。同じトラネコというだけで、ミルの兄猫とはぜんぜん違う猫でしたが、すぐにミルと仲良くなり可愛がられるようになりました。
「…うちに来てくれて、ありがとう、むぎ」
松本と私はすっかりあきらめて、突然来てしまったむぎの最後を、どう楽に迎えさせてやるかだけを考えていました。


…とそこへ‥。
ストーブの横で寝ていたうり坊がむずむずと起きてきて、何やら騒がしくなった私たちとむぎのいる部屋に「うあ〜〜(なになに?)わーい(嬉しい顔)」と叫んでダッと飛び込んできました。
そのうり坊のKYぶりに、私はドキッ。
あわてて「うり坊、お前はあっちに行っておいで」とうり坊を部屋から閉め出しました。
その時、さっきまで力なかったむぎの目玉がカッと開きました。うり坊が近づくのが嫌だったのです。
「ーお前、最後までうり坊を許さんかったなあ‥」
そんなむぎを見て、松本はあきれたような残念なような言葉をぽつりと漏らしました。

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

‥さて、むぎはどうなったかというと‥。
工房のネコは3匹から2匹になったかというと、幸いながらそうはなりませんでした。
むぎはその後、みるみる気力を取り戻し、朝日が出る頃には普通になっていました。晴れ 
あれ? じゃあいったいあれは‥!?

でも朝日の中のむぎは、やっぱりいつもよりしぼんで見えるし、間違いなく松本も私も、瀕死になったむぎの姿を見たのです。
このままにはしておけません。
原因究明のために、いやがるむぎを連れて行きつけの獣医さんに行って診ていただきました。

その結果‥。

どこも異常なし、なんです。

バッド(下向き矢印)血液検査もしていただきました。

11/20むぎの検査
11/20むぎの検査


むぎは尿石症(ストラバイト)の病歴があって、私もてっきり腎臓かもしくは肝臓の障害かと思ったんですが、おしっこも溜まっていないし、腎臓の数値は高いもののそんなに症状が出るほどではないとのことでした。
一度も調べたことがなかったので、猫エイズや白血病も心配だったのですが、どっちにも感染していないそうです。(ほっ)

結局は原因不明で、獣医さんも思い当たらないとのことでしたが、むぎの血液が少々粘っこかったのを気にされてました。(ドロドロ血液ですか;)でも、むぎは3才で若いし、この程度ではなんとも‥と。
しかし、やっぱり原因不明の突然死はときどきあるそうで、気をつけてみてあげてくださいと言われました。
そして、むぎの体重が6.78キロもあったのを、これを機会にとたっぷり先生に怒られて(いつものことですがたらーっ(汗))この不可解な事件?は、一応終息したのでした。


バッド(下向き矢印)今日のむぎ君です。元気でした。
11/20むぎ
庭で摘んできた草を食べています。
これからダイエットします。

うり坊が来て以来、3匹それぞれの食事の量の調節ができなくなり、仕事が忙しくなったのを理由に細かいことをしなくなっていました。
反省です。

それにしても、世の親御さんはたいへんです。
松本も私も三人兄弟ですが、仕事が忙しいと両親はなかなか子供の面倒を細かく見るのが大変だったと思います。
そして三人のうちどの子かが病気になると「どうしてちゃんと見てやらなかったのだろう」と気をもんだのでしょうね。あせあせ(飛び散る汗)

とにかく、むぎ君は短命の気があるかもしれません。
マヌケな顔を見ていると、にわかに信じられませんが‥
突然頓死のパターンも考えられるので、その時は覚悟しておこうと思いました。

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posted by 宮崎佐和子 at 20:50| Comment(2) | TrackBack(1) | ■ 工房のネコ

2008年11月19日

■「西日本の漆を守る会」参加レポ/2

さて、第11回西日本の漆を守る会の交流会の2日目です。
参加者の皆さんは美しい高原のキャンプで、いい朝を迎えたようです。
この日はふたつの講習会があったそうで、西洋のラッカー技法「ジャパニング」の研究をされた北川美穂さん、日本の漆事情に詳しい(株)箕輪漆行の蓑輪圭二さんが講師として、興味深いお話をしてくださいました。


2008年8月24日(日)

塩原高原キャンプ場にて
 ・「海外の漆事情」のお話
 ・「国産漆の現状等について」のお話


二日目は、朝から二つの講習会がありました。
ひとつ目は「海外のラッカー事情」です。
ヨーロッパにある日本の漆芸品は、

●開国以前の日本国内向けに作られたしっかりした仕事のもの
●輸出向け用のヨーロッパ人オーダーの華美なもの
●輸出向けの下地なしの粗悪品

と、いろいろあるようです。そのうちにヨーロッパでも漆器を作ろうと試みて出来た、他の材料で漆器ふうに見える塗装・塗料技術があるそうです。しかしながら熱に弱かったり、多にもいろいろ弱点があり、食器には使えないそうです。(あじ)


11/19講習会資料
海外に出た古い漆製品。
11/19講習会資料
漆の表現をめざした「ジャパニング」の製品。
11/19講習会資料
「ジャパニング」に使われた材料。


漆本来の素材性よりは、日本漆器の持つ独特の色や質感、図柄等の見た目の美しさに当時のヨーロッパの人々が惹かれていたことがよく分かりました。(あじ)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


ふたつ目の講習会は「国産漆の現状等について」です。
今、日本産漆は日光東照宮の関係での大量使用により流通が減っているようです。これは、5年ほど続くそうで、増産のための方策として、漆掻きを休業していた人に再開してもらいやすくするための、今までの三割アップの値で掻いた分をすべて組合が買い取るというシステムにしたそうです。
そのために、2〜3年は大丈夫だとのことでした。けれど、だんだんと漆の木がなくなってきたその後が心配です。
この前は、国産うるしがだぶついていた状態だったのに、急に「増産」と言われても木はすぐに育たないし、今後安定した収入で漆掻きを続けていくためには計画生産の必要がある語られました。
漆の価格も、今回のことや景気に左右されて値の変動があり、漆掻きを専業で続けていくのは大変難しいと分かりました。漆掻きはとても技術のいる仕事なのにそんな状況だと、この先年季の入ったベテランの方々がいなくなり、漆本来の美しい漆も途絶えてしまうかもしれないと強い危機を感じました。
漆の仕事は本当にスパンが長く、一世代どころか三世代分くらいを考えていなくてはいけないと思いました。

今回は奈良県曽爾村(ぬるべの里)の方が町おこしで漆産地にするために参加しており、その方が「日本産漆がまさかだぶついていた状態だったとは知らず。このまま植林して育てても、何十年後の流通や使い道を考えていないとただ木のある所になってしまう」と危惧しており、私も同様に感じました。
日本産漆が、漆屋だけでなく産地から直で買えるようになればいいのになと思います。漆の木が樹液だけでなく、種(昔はロウを採っていたとき聞きます)や掻き殺して伐採後の木材などなど全て含めて活用したり塗料以外の使い道でも利用できれば、少しは1本から得られる利益が上がるのかなあ〜と単純なことを考えたりしています。
今回の会には、漆の科学的利用の研究をされている方も参加していました。

はじめて参加しましたが、皆さんそれぞれとても漆に熱〜い方々で、その熱さに圧倒されまくり?の2日間でした。こんな熱い方々がいらっしゃるんだから、私も日本の漆に少しでも貢献できるようがんばらねば!と身の引き締まる思いです。
皆様、本当にお世話になり、ありがとうございました。(あじ)


あじさん、どうもありがとうございました。晴れ

…当初は別の方がレポしてくれる予定だったのですが、その子が急に行けなくなってしまい、急きょピンチヒッターとして?「あじ」さんが書いてくれることになったものです。あせあせ(飛び散る汗)
アップするのがずいぶん遅くなってしまいましたが(もう11月‥)
皆さん、いかがだったでしょうか。

私は、この西日本漆を守る会の発足当時からのメンバーなのです。(発足した時は、まだ松本も私も研究生‥。会場は同じ徳島でした)
しかし、仕事を始めてしばらくしてから、いつも交流会が行われる8月末は秋から始まる催事の準備で忙しく、ずーっとご不沙汰。今年も、丹波の漆掻きのおっちゃん達が「顔くらい見せに来い〜」とおっしゃっていたんですが‥。ゴメンナサイ。

残念ながら、西日本の漆樹液産地は、非常に小さく生産量は各地でも10キロを超えることはそうないと思います。本当に、地元の有志の方々に支えられてこそ残っているものです。
漆をとりまく状況は刻々と変わっていっています。
こうした「地元力」に支えられている、小さな漆樹液産地ですが、若い世代の人が頑張って、それを大きくしそして担えるように力を付けていかないといけないなあとつくづく思いました。


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posted by 宮崎佐和子 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) |   西日本の漆樹液産地
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