2009年02月28日

■お直しの漆スプーンを納品しました。

今月の頭にご紹介した修理のスプーンですが、片方(黒っぽいほうですね)ができましたので、きょう納品いたしました。
本当にほんのちょっとしかいたんでなかったので、お直しは簡単でした。うちの工房にしてはスピード納品です。

バッド(下向き矢印)塗り直したスプーンです。
2/28修理したスプーン1
2/28修理したスプーン2
夕方に撮ったので、ちょっと映りがよくないですが…。

そして、漆のちびていたスプーンのお尻もきれいになりましたよ。
2/7使用中漆スプーン9

2/28修理したスプーン3

ちょっとしたことなら、塗り直しで新品同様になるのが、やはり漆のものの良さですね。^^(下地の仕事がきちんとしていることが前提ですが…)
これからも、大事に使っていただけますように。

* * * * * *


ところで、話は変わりますが、工房の窓の近くに植えている漆の木が1本あるんですが、この木の枝にはこれ見よがしに?ミカンの輪切りを刺しています。
これは、この季節になるとやってくるメジロさんのためにやっているのですが、今年も1月20日ごろから可愛いメジロさんが来るようになっています。

2/28漆の木とメジロのおやつ
この鮮やかなミカン色を目指して、
甘党の小鳥さんがやってきます。

窓に近づくと逃げてしまうので、なかなか写真が撮れないのですが…。でも、何日か経つと小鳥さんも慣れてしまったのが、観察してもすぐには逃げなくなりましたよ。


バッド(下向き矢印)今年のメジロさんです。カップルで登場です。ムード
2/28漆の木に来たメジロさん

きれいですねえ。
以前、スズメが少なくなったという話をしましたが、実際に半世紀前の10分の1に減少しているというニュースをどこかで見たと友人が教えてくれました。なんだか悲しいです。
きっとメジロも同じように厳しい状況でしょうね…。
小さな小鳥たちになにもしてやれませんが、大事に見守りたいと思いました。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆のスプーン制作

2009年02月27日

■漆のスプーンの木地を作っています。

一ヶ月後は、久しぶりの九州での作品展です。
でも、その前に…。
またたまってきたご注文の仕事を少しずつ進めています。年頭にがんばっていくらか減っていたご注文の仕事ですが、先日の三越さんで、また増えてしまいました…。
ご注文の仕事は、内容がまちまちなので、一気にできないのがつらい所ですが、今回はスプーンを中心に制作することにしました。

で、松本は徹夜で木地を作っております。
2/27スプーンの木地
粗彫りのスプーン木地たち。
2/27スプーンの木地

実はこの子たちは、いわゆる工賃の出ないスプーンです。(作れば作るほど赤字なんですね…とほ) でもクオリティーはすばらしくて、漆の良さを存分に味わっていただける品なので、待ってくださる方も多く、やめることはできません。このスプーンをきっかけにファンになってくださる方がとっても多い工房の自信作なのです。
でも、工房で一生懸命作ると、ほかの仕事ができないので、展示会中の実演中にできるだけ作るようにしているのですが…。(なので常に品薄です)
でも、それでは追いつかず、注文して楽しみにされている方に、あまりお待ちいただくのは申しわけない…ということで、今回はちょっとテコ入れです。あせあせ(飛び散る汗)
お待ちいただいている方に、少しでも早く、そしてきれいに仕上がったものをお渡ししたいです。^^

* * * * * *


さて、話は変わりますが、今日は香川県漆芸研究所の、今年修了(卒業)する研修生の子たちがわざわざ工房まであいさつに来てくれました。^^
今日来てくれた子たちは、国産漆に興味があって1年生の時から工房に時々来てくれていたんですよ。最初に来てくれたのは、2年も前です。時の過ぎるのは早いですねえ…)
その彼女たちも、来月修了です。みんな、それぞれの道へ行きますが、自分らしさを大切にしてがんばってほしいです。
(いま、高松市内で香川県漆芸研究所の研究生たちの修了展を開催中です。3/1まで)


八角の三段重箱。
2/27八角重箱
どんな絵をつけようかな〜と思案中のもの。
しばらく眺めていようと思います。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:03| Comment(6) | TrackBack(1) |   漆のスプーン制作

2009年02月26日

■金箔のお箸と箸置きのセット。

今日、やっと確定申告の資料を税理士さんにお渡ししました。あせあせ(飛び散る汗) 
あと、いろいろやりとりがありますが、とりあえずプロの手におまかせするとして…。これでちょっとだけひと安心です。(去年の夏はガソリンが1リットル200円近くしたんですね… びっくりしました)


さて、松本が出張中に納品していた、ご注文の品のことをご紹介しようと思います。^^
「お箸と箸置きセット」30個なのですが、これがちょっとばかりゴージャスなセットでした。
お箸は、ナラ材で先細のきれいな手削り箸で、しっかり漆で中塗りしたあとに金箔を貼ってとても華やかです。(この仕事のときに一緒に貼ったんですよ)
そして、クリ材のお箸置きも金箔仕上げで、しかも持ち主の頭文字入りです。
とても凝っていて、すてきだったのですが、急いでいたので写真を撮ることもできずにお送りしていました。

が、お客様の一人が写真を送ってくれましたよ。ムード

バッド(下向き矢印)神楽坂のイタリアンレストランで。
2/26 金箔箸と箸置
わっ、さっそくお使いなんですね〜!

このお箸とお箸置きには、ちゃんと保多織さんの袋があつらえてあります。この金色に合うように新色の色の布と取り合わせたのです。(ふだんは使わない色の布だったのでとても新鮮でしたよ)
オーダーものは、手間がかかってしまうものですが、お客様のこだわりやアイデアを見せていただく機会でもあるので、とても勉強になったりするんです。
先日の三越さんでも、いろいろご注文をいただきました。^^
本当にありがとうございます… しばらくお待ちくださると幸いです。


2/26 松本とむぎおまけです。
松本と一緒に寝るむぎ君…。
こっそり撮っちゃいました!



posted by 宮崎佐和子 at 21:05| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 日記

2009年02月25日

■なかなか乾かない漆です。

漆のお仕事をされる方の多くの方はそうだと思うのですが、「予定通りに漆が乾いてくれる」ということは、とても大事なことです。
特に、コンク−ル用の出品作品を作っている方にとっては切実ではないでしょうか? 搬入までの残り時間の間にできる限りの創意を加えるために「すみやかに漆が乾いて」くれないと、出品できずたいへん困ってしまいます。

うちの工房の場合は、そこまで乾きの早さは気にしません。
逆に「乾きの遅い漆」「なかなか乾かない漆」の方が好みだったりするんですね。(特に上塗りの漆)
ゆっくり乾く漆は、回転率が悪く、作業性こそよくありませんが…。
急いで早く乾かした漆の塗膜にはない、味わいがあるんです。
ときどき、この日記でご紹介するヘンな?塗り肌のうつわ(こんなのとかこんなのとか…)は、たいがい時間を気にせずじんわりと乾かしたものなんですよ。

そして今。
工房の漆室の中に、なかなか乾かないお椀があります…。

バッド(下向き矢印)このお椀たちです。塗って室に入れて10日経ってます。
2/25乾かないお椀
白息がかかるので、もうかなり乾いていると思うのですが…。
(手前のお椀の左側が丸く白っぽく曇っていますが、息をかけたあとです)
塗膜に乾きがきているかどうかは、このように、塗膜にハア〜ッと息をかけてその息のかかりぐあいで確認します。
その息のかかりぐあいことをこの世界では「青息、白息」と呼んだりするものです。(息が青くかかると乾いておらず、白いと乾いている)

2/25乾かないお椀

…もうほとんど乾いていると思うんだけどなあ…。

でも、この色艶が乾いているように見えないんですよね。上塗りした時のまんまの色艶なんです。
たいていは乾くと色が濃くなったり塗り肌の様子が変わってすぐ分かるのに…。(しかも、このお椀はほんとはつや消しに塗りあがるのを期待していたのです)
これはこれで、なんとも色っぽい塗り肌ですが、逆になまなましすぎて乾いていないようにも見えます。

さて、工房の漆ならではの「乾いた色・雰囲気」というのがあって、いつもなら息をかけて塗り肌を見てすぐに判断できるんですが、このように、たま〜に分かりにくい時があります。こういった色艶に乾いた時は、見た目ではほんと区別がつきにくいです。
触ると、一発で分かるんですが… もし不用意に触れてしまって、まだ肌がやわらかかったりすると、せっかくの塗り肌をだいなしにしてしまうことになってしまいます。;;
自由きままな塗り肌の表情を持つ、工房の日本産うるしですが、まぎらわしい?時もあります。


バッド(下向き矢印)お椀の中に息をかけてみました。
2/25乾かないお椀
底の一部分だけ、息がのりません。
ここはあきらかに乾いていないです。(息をかけないと、お椀の内部もおなじ色つやの塗り肌に見えるんです)
じゃあ、ほかの部分はなまなましく見えるけどやっぱ乾いているんだ… と思う。(←弱気 )

どのみち、乾いてない部分が多少なりとあるのは確実なので、もうしばらくきつめの漆室に入れて様子をみますね。
でも、あまりにも風変わりな漆なんで、松本に聞くと「大森俊三さんの2006年の12辺目の生漆…」というではありませんか。(これまた、なんという風変わりな漆を…)

このお椀は松本が東京に出張に出る前に「乾くまで時間がかかる漆を上塗りしたものだから、心して漆室の管理をするように!」と言われていたものなんです。
どうしても、気になります…。


さてさて、今日、三越日本橋さんで作品展をしていた時の荷物の一部が帰ってきました。
荷物と一緒に、ご来場されたお客様や友達が持って来てくれた、お菓子やおみやげがいっぱい入っていて、びっくりしましたexclamation 松本はぜんぜん言ってくれないんだもの…ほんとに嬉しかったです。(さっそくいただいています☆)
お礼が遅くなってしまいましたが、本当にありがとうございました。
これからも頑張りますので、どうぞおつきあい下さると嬉しく思います。

posted by 宮崎佐和子 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2009年02月24日

■ペアの漆フリーカップです。

けさ、東京から松本が戻ってまいりました。
滞在中、相手をしてくださった多くの方々、ほんとうにありがとうございました。(_ _)

さて、私の方はと言いますと…。
確定申告の準備の真っ最中です。あせあせ(飛び散る汗)
もう、2月も後半に入っちゃいましたよね。焦っています。(税理士さんから『どんなに遅くても今月中には絶対ください!』と言われています…そうですよね、ゴメンナサイ もうやだ〜(悲しい顔) )
以前はもっと、さっさとしていたような気がするのですが、なかなか進みません。あすかあさってには終らせたいです。;;

さて、ぐちはこの辺までとして…。
お嫁入り予定のフリーカップをご紹介です。


バッド(下向き矢印)ちょっと古いタイプの絵付けをしたカップです。2〜3年前はよく作っていたものです。(今は在庫なしです)
2/24フリーカップ

バッド(下向き矢印)並べるとこんな感じ。微妙にペアなんですよ。
2/24フリーカップ
クリックで写真が拡大します。

さて、このペアのカップたちですが横から見るとおとなしい雰囲気ですが、上から見るとかなりビビットなんですよ!

バッド(下向き矢印)カップを上から見た様子です。
2/24フリーカップ
クリックで写真が拡大します。

カメラのレンズの具合で、ラインが変わっていますが…(カップが写真では浅く見えますが、実際はもう少し深いです)

ずっと大事にとっておいたお気に入りのペアカップなのですが、私的なお祝いごとがありまして贈り物にしようかと思っています。^^
実際にお渡しするのは、まだ先のことなのですが… 喜んでくださるといいなあ〜と今からわくわくしています。


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posted by 宮崎佐和子 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(3) |   今日の漆フリーカップ

2009年02月23日

■春を報せるウルシの芽。

三越本店さんでの作品展、今日ぶじ終了いたしました。
会期中、ご来場くださった方々、本当にありがとうございます。
また、次回お会いできます事を楽しみにしております。ムード
本当に、ありがとうございました。


昨日は重苦しい天気でずっと重たい雨が降っていたのですが、今日はお昼ごろからだんだん晴れてきました。晴れ
久しぶりに外に出て写真を撮ったのですが、予想どおりに漆の芽が少しふくらんでて嬉しくなってしまいました!

(以下、写真はクリックで大きく拡大します)

バッド(下向き矢印)漆の枝。先っぽの芽に注目してください。
2/23漆の芽

バッド(下向き矢印)芽を上の角度からのぞいてみたもの。
2/23漆の芽

「芽がふくらんでいる」といっても、ほんの少しなんですが…。
冬場、しんとして風に吹かれているだけだった木の枝から、この時期になるとかすかな波動が出ているような気がします。

バッド(下向き矢印)これは、わりとふくらんだ芽です。
2/23漆の芽
芽の先っぽが、少し傷んでいるのでしょう。ウルシでちょっと黒くなっています。
ウルシの芽って、スウェードのように起毛していてなんだか可愛らしく思えてしまいます。この中身にはみずみずしい肉がいっぱい詰まってるんですね。

バッド(下向き矢印)漆の根っこが見えています。
2/23漆の根
雨の後の水たまりとホトケノザも。

ちょっと春らしかったので、写真を撮りました。
なんだか、心がはずむようですね。^^


さて、猫さんたちにも春が訪れているようで…。
なんとミルミルにもお友達ができました。

バッド(下向き矢印)最近よく来るお友達の一匹です。
2/23猫
白タビ履いています。

まるまるとした可愛いオスネコなのですが、ミルのことが好きなんですね。ミルがお外に出ると、どこからともなくやってきて、ミルの近くにいるんですよ。

2/23猫
今日は、ちょっとつれないミルちゃんです。

ミルのお友達は他にもいて、もう一匹は黒猫(こちらもオスネコ)です。黒い方も今日来ていましたよ。(ミルはけっこうモテるらしいです)
思えば、うり坊も以前はその一匹だったんですね。

バッド(下向き矢印)窓越しのミルとうり坊。
2/2
なんだか、へんな感じですね。;;


posted by 宮崎佐和子 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ ウルシの木の記録

2009年02月22日

■工房の猫、うり坊のいたずら。

この週末は、身内に不幸ができまして珍しくちょっとバタバタしていました。亡くなったのは松本の祖父なのですが、あいにく孫本人は東京で催事中で、私だけで申しわけないのですがお悔やみをしてきました。

さて、今日は「猫の日」なんだそうですね。
先日、うり坊がへんなことをしていた時に撮った写真をアップします。
タナゴやメダカを飼っている水槽があるんですが、そこでバシャバシャという不審な音がするので『えっ?』と思って行ってみると、そこにはうり坊がいました。

バッド(下向き矢印)うり坊が魚を追っかけています。がく〜(落胆した顔)

水槽とうり坊
一瞬、目を疑いました。あせあせ(飛び散る汗)

まるで、アライグマかなにかみたいに見えちゃいましたよ。
以前から、この水槽のへりに小鳥のように座って、シッポだけを水面に垂らして、そのシッポをぐるぐる回転させてぴちゃぴちゃ水面をかき混ぜていたことはあるんですが…。
こんなに積極的にアタックするのは初めて見ました!

バッド(下向き矢印)クリックで拡大します。魚を品定めするうり坊です。
水槽とうり坊
このあと、うり坊は右腕だけずぶ濡れになって降りてきました。
(幸い、お魚はあきらめたようです)
でもこの一件で、先日タナゴが一匹いなくなった事件の容疑者がだいぶしぼられてきましたよ。


さて、東京の方ですが…。
三越本店さんの作品展も明日が最終日です。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。^^

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posted by 宮崎佐和子 at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2009年02月20日

■三越本店の作品展の様子です。

いま、三越日本橋本店さんの本館5階で『和うるしの器展』を開催中です。
さっそくいろんな方がお越しくださったそうで… 本当にありがとうございます。ムード 

バッド(下向き矢印)松本がやっと作品展会場の写真を送ってくれました。
2/20三越会場
ちょっと写真では分かりにくいかな?

そういえば、松本は会場で実演をしているはずなんですけど…どこに実演場があるんでしょう? あとでまた聞いてみようと思います。あせあせ(飛び散る汗)
きっとスプーンの木地やお箸を彫っていると思います。^^

バッド(下向き矢印)さて、完成したスプーンやお箸たちです。
2/20三越会場
この真ん中に重ねて置いているのが、会場で彫ったスプーンの木地ですね。かなり夢中になって彫っているみたいです。;;


さて、偶然なんですが…。
ギャラリー竹柳堂さんのグループ展とかでお世話になっている、通称『輪島軍団』新進気鋭の若手作家さんたちも同じフロア(しかも向かいのJ.スピリッツ)で展示会中なんですよexclamation
選りすぐり?の漆おたくたちが、奇遇にも東京の同じ空間に集まることとなって、空気もほかのものも濃くなっているようです。(この輪島軍団はたいへんな働きマンなんです。そしてよくしゃべります!)

バッド(下向き矢印)軍団の一人、若島英孝さんです。(松本ではありませんよ〜)
 この若島さん、すごく面白いお人なんです。そして濃いです…。
2/20三越会場
こちらの作品も間近で見られないのが残念。

この『若手漆芸展』、『和うるしの器展』と同じく23日まで開催中です。
しかも日曜の2月22日の午後1時、3時の2回に分けて、若手のエースが講師となって、沈金体験教室も開催されるそうですよ。とっても華やかな漆の技法の沈金ですが、ちゃんと環境が整っていると、初めての方でも一応できちゃいます。

それにしても、ほんとに催事場が珍しく漆づくしの空間になってます。
(百貨店さんで体験教室ができるなんて…いいなあ。うちの工房のカラーではそう簡単にはできないです)
手ぐすねひいて?待っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ムード

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posted by 宮崎佐和子 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(3) |   作品展の様子

2009年02月19日

■超つや消し塗りの漆椀。

工房で使っている漆は、ぜんぶ日本産なのですが、ただ『日本産』というものではないんですよ。^^
国産漆にもピンからキリまでありまして…。
工房の漆は、漆マニアの松本が漆かき職人さんに受注生産したもの、「これ、いい!」と言って選んで仕入れたものだけを使っています。
なので、ふつう?の漆じゃないのですね…。
つまり『おたくの漆』です。
(↑松本いわく『これが最高品質の国産漆たちなんだけど…;;』)

とにかくレアすぎて、国産漆が珍しくなって久しいいま、世間一般の皆さまがたが見て、おそらく漆とは思えない表情のものがときどきあります。
その中で、私が「変わっているナア〜」とつねづね思っている塗りのお椀があります。

バッド(下向き矢印)それが、このお椀です。
2/19艶消しの漆椀1
2/19艶消しの漆椀2
(↑クリックで拡大します)

ずっと在庫置き場兼書庫に置いてあるものの一つなんですが、すごい艶消しなんです。この「艶消し」の表情は、日本産うるしの持つ表情の一面なんですが、とにかくすごいケシです。
過去にも超艶消しのものとして、「超艶消しの粥椀」とか「浄法寺漆の艶消し椀」をこの日記でご紹介してきましたが、それをもしのぐ?艶消しなのです。(あ、この板皿もかなりの艶消しですね。でもこのお椀はこれよりももっとヘビィです)

手に取ると、それがよりリアルに体感できると思います…。
「超艶消しの粥椀」はシャリシャリとした手ざわりなんですが、それを通り越してこの子はなんだかゾリゾリといった感触です。;;
「漆は温かみがあって優しくて…うんぬん」という、世間様のイメージを蹴散らかすような、そんな不敵な力強さがあるんですよ。

バッド(下向き矢印)裏面です。高台の中は上塗りの漆と違うので、質感もぜんぜん違うのが分かりやすいと思います。
2/19艶消しの漆椀3
(↑クリックで拡大します)


さて、このお椀と同じタイミングで作ったと思われる兄弟がいます。
この子の方が、よりその塗り肌の特異さが分かりやすいと思いますので一緒にご紹介しますね!


バッド(下向き矢印)同じ形の木地に大胆な面カットをほどこしたものです。
2/19艶消しの漆椀4
2/19艶消しの漆椀5
(↑クリックで拡大します)

…これを見て「ゴジラみたい」と思ってしまう私です。どんっ(衝撃)
(わっごめんなさい〜)
こういった面カットは、ある時期、松本がはまってやっていたものです。ところどころある裂け目みたいなのは、木地を面カットする際にできたものです。場所によって、木の繊維が引っ張られてこうなったのをそのまま仕上げているんですね。(縦木なのでこういった縦方向の削げ方をします)
おそらく新しい刃物が来て、有頂天になって彫ったものだと思います。

バッド(下向き矢印)角度を変えて取ってみました。
2/19艶消しの漆椀6
(↑これもクリックで拡大します)

…とにかく漆らしくない!の一言のお椀です。
(手触りだけでいうと、塗り物というより備前焼とかのほうが近いです)でも、やはり木と漆なのでひやっとはしません。そして軽いです。そのミスマッチが楽しいです。
そして、朱溜めなんですが… 意外と透けているような気がします。
とにかく不思議な感じ(私にとっては)のお椀です。
原始的なパワーを感じるんですね。

ながらく在庫置き場兼書庫に置いてあるので、お取り置きか何かだと思うのですが…。

バッド(下向き矢印)最後に塗り肌の超アップです。
2/19艶消しの漆椀7
(↑クリックで拡大します)


いろんな年度、時期、保存方法の漆をたくさん保管しているのですけど、どれを上塗りの漆に使うかで、仕上がりがまったく変わってきます。(また、以前と同じ漆でも塗り上がりが変わってきたりするんですよね…)
そんなやっかいなレア漆たちですが、私たちでも「わあ!」という表情を見せてくれるので、ほんとうに目が離せないんですよ。ムード

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posted by 宮崎佐和子 at 23:22| Comment(8) | TrackBack(0) | ■ 和うるしの作品

2009年02月18日

■工房の猫たちの様子です。

東京の会場の様子が気になりながらも、けっこうばたばたしています。
ちょっと足りない備品とか、現場のお客様のご要望でちょっとしたものを準備して、また松本に送ったりとか…。やっぱり片方が工房でいる方が、いろいろ融通が利いて便利です。;;
二人とも出て行ってしまうと、こういうわけにはいかないものね。

…というわけで、去年は飼い主二人が出張のたびに、私の実家に預けられていた猫さんたちですが、今はのんびりとふだんと変わらない毎日を送っています。


バッド(下向き矢印)むぎ君とミルミル。
2/18ねこ

あ、そういえばむぎ君はずいぶん痩せましたよ!
6.8キロ→6.0キロくらいになっているのではないでしょうか? 以前はこの青いカゴいっぱいになっていた体ですが、ずいぶん空間ができるようになりました。

2/18ねこ2
猫鍋状態です。


今日は寒さが少しゆるんでよかったのですが、ここ数日ものすごく寒かったですね。あまりの寒さに、ミルミルはお外へ出ようとしないし…(←ものすごく珍しい)
夜なんかは、三匹の猫たちが私のおふとんに詰めかけて、体が痛くなってしまいました。;; 猫たちは、松本が東京に出る前日に三匹ともお風呂に投入していたので、みんなサッパリしていてよかったです。
洗い立てのネコたちは、みんなふわふわしていていい感じですよ。^^

…と思ったら…。

暖かくなった今日、ミルがさっそくお外へ飛び出してハンティングに精を出していました。

2/18トガリネズミ
今日の獲物の、トガリネズミさん。
(ネズミさん、ごめんなさい…)



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posted by 宮崎佐和子 at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ
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