2009年02月17日

■作り手の個性がよく出るお箸。

今日が作品展の初日でした。
さっそくご来場くださったお客様、本当にありがとうございます。
そして、最終日までどうぞよろしくお願いいたします。^^


バッド(下向き矢印)手削りのお箸です。クリックで写真が拡大します。
2/17和漆の手削り箸
こんなふうに一本ずつ
ていねいに削っています。

バッド(下向き矢印)その子たちも少し前までは、こんな状態だったんですね。
2/6箸木地1

このお箸の木地たちが、みんな一番上の写真のように、きれいに漆ほどこされて、ちゃんとペア組みをして表舞台?に出るわけではないんです。
途中で、必ずロスが出てしまいます。
なぜロスが出るのかというと…。
白木地の時には、まっすぐなこのお箸の木地たちですが、漆の作業を進めるうちに、いくつか微妙に曲がってしまう子が出てしまうのです。あせあせ(飛び散る汗)
この形の変形は、天然木の味わいとも言えるもので「木」という素材を使う限り、避けられないものです。どんな木地も、大なり小なり形が変わるものなのですが、木地師さんたちは、工夫をこらしてこの木の変形を最小限に抑えて木地を仕上げます。
お椀などのうつわなら、ほんの少しなら形がゆがんでもほとんど分かりません。しかし、お箸のほうはシビアなんです。
ほんの少しでも変形してしまうと、ものがつまめません。使えないんですね。;;

以前、このお箸の木地の材を仕入れるのはたいへん気を遣って、松本が木材屋さんに足を運んで吟味した、お箸用に細かくカットするにはもったいないような木を仕入れてくると書いたことがありますが、その理由のひとつがこれです。
よく乾燥して質の良い、目のまっすぐとおった材でないといけないのです。

さて、もし気になるお店や作り手さんがありましたら、まずはお箸を買ってみることをおすすめします。
比較的気軽に買えるお箸ですが、そのお店や作り手さんの個性がとてもよくあらわれていて楽しいと思います。ムード

posted by 宮崎佐和子 at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日記

2009年02月16日

■三越日本橋店の作品展のお知らせ。

2/16金箔スプーン

和うるしの器展

会期/2月17日(火)〜23日(月)
会場/日本橋三越本店
   本館5階 特選和食器サロン

重箱、めんぱ弁当箱、お茶セット、椀、箸、スプーン、装身具等を展示いたします。

※会期中は松本が会場で実演をしております。

****************************************
昨年は、6月に開催した三越さんでの作品展ですが、今年は早めの2月から始まってしまいました。
これに合せてがんばって新作を入れましたので、ぜひごらん下さると嬉しく思います。^^
定番の無地フリーカップも、多めに持ってきました。
どうぞ、お気軽にお越し下さいませ。ムード

posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ お知らせ

2009年02月15日

■あす、作品展の搬入です。

あさってから、三越本店さんでの作品展がはじまります。^^
今日は、新作をはじめその他備品などを荷造りして、会場に送りました。
最近は、作品の在庫の大半を東京に保管していただけるようになったので、こうした搬入の作業がかなり楽になりました。(とはいっても段ボールいくつかできてしまいましたが;;)
ほんとうに、ありがたいことです。

バッド(下向き矢印)荷造りする前に、急いで写真を撮りました。
2/15椀
やっと、塗りあがりましたよ。ムード
先月、制作途中の様子を、ひき目のお椀です。輪島の木地師さんにお願いして、10個だけ作っていただいたものです。朱溜めがほとんどで、溜めが一個だけあります。

バッド(下向き矢印)お椀の内側のひき目のぐあいがいいです。
2/15椀
レンズの具合でラインが変わっていますが…。
このお椀の中の様子です。

そうそう、このひき目の残し具合がほしかったんです!
漆で仕上げて、やっとその表情が生きてきました。とても嬉しいです。
この木地の挽きあとを残すのは、加減がとても難しいです。おおげさだと民芸調っぽくなってしまうし、圴一の残しぐあいも今回の雰囲気に合わないです。
木地師さんには挽き直してもらったり、お手数かけてしまいましたが、手間をかけてもらってほんとに良かったです。

さて、そんなこんなで明日の朝、松本はいよいよ東京に行きます! どうぞ、よろしくお願いしますね♪
(私は猫さんとお留守番です。ちゃんと仕事をします…)
また、東京での様子も松本から聞いてお知らせしたいと思います。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2009年02月14日

■東京での作品展のお知らせ。

梅の花の帯飾り

和うるしの器展

会期/2月17日(火)〜23日(月)
会場/日本橋三越本店
   本館5階 特選和食器サロン

重箱、めんぱ弁当箱、お茶セット、椀、箸、スプーン、装身具等を展示いたします。

※会期中は松本が会場で実演をしております。

****************************************
早いもので、もう開催日が近づいてきました。
今年はじめての三越本店さんでの催事です。
ご好評いただいているフリーカップも新しく準備しました。どうぞ、よろしくお願いいたします。^^

posted by 宮崎佐和子 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ お知らせ

2009年02月13日

■福岡での作品展が決まりました。

まずはタイトルのとおり、福岡での催事が3月に決まりまして、担当の方から今日、正式に連絡ご連絡をいただきました。
九州方面の作品展は、ほんとに久しぶりです…!
以前からお話はあったのですが、結局はタイミングが合わずに決まらないこともあるので、ほんとに良かったです。^^ (会場は、大丸さんです)
さっそくに左の『作品展予定』に予告を入れておこうと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。ムード

さて、今日は地元のテレビ局さんが取材に来てくださいました。

2/13取材
来られたのは山陽放送さんです。
放送は2月26日だそうですよ。


追い込み中ということもあって、私は仕事をしていて応対は松本もおまかせしていたのですけど…。アナウンサーさんは元気で可愛らしく、ディレクターさんやカメラマンさんもテキパキとつぼを押さえてすばやく収録をして、さわやかに帰っていかれました。
山陽放送さん、といえば毎日放送系列の局なのですが、地道な報道をされるという印象が強いです。(松本がはじめて四国で(徳島)漆かきをした時も、ていねいに取材をしてくださいました)
今回はテーマに沿ったコーナー枠みたいですよ。
東京の催事が終ったころなので、楽しみにしていようと思います。ムード

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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日記

2009年02月12日

■工房の猫、ミルミルの秘密。

来週、三越本店さんでの作品展をひかえて、にわかに気ぜわしくなってきました。そんな中、最近お天気がよくて暖かいので助かっています。
やっぱり、冷え込んで薄暗い日よりも、晴れた日の方が気分よく仕事が進むというものです。^^

さて、そんな今日は三匹いる工房の猫のうちの一匹、黒猫のミルミルのお話です。 ※ミルのプロフィール

バッド(下向き矢印)塀の上のミルミル。お気に入りの場所です。
2/12ミル
ミルは印象的なグリーンアイを持っています。
その緑の瞳がとっても美しいのです。

2/12ミル
新しい赤い首輪をしています。
(女の子に見えるでしょうか?)

そんなミルミルですが、野外にいるときは何をしているのか飼い主にはさっぱり分かりません。おそらく昼寝したり、ぶらぶらしたりとたいしたことをしていないと思うんですが…。

そんなミルには、大事なミッションがあります。

バッド(下向き矢印)これです… がく〜(落胆した顔)

2/12ミルのおねず
きのう、きょうと二日分の仕事です…。

なんともかわいそうなネズミさん…(合掌)
上の子がきのうミルが玄関に置いていたネズミさんです。夜、松本が見つけて「ミルがまたやっているよ…」と言っていたのですが、忙しかったのですぐには片付けずそのままにしていました。
そして翌日…。
獲物のおねずさんはビックリの2匹に増えていて、可愛らしく2匹並べられていました。
「明日になったら、3匹になっていたらどうしよう?」と、ちょっと怖くなった?私はかわいそうなネズミさんを裏庭に持っていって埋めたのですが、その時、外で遊んでいたミルミルも「何してるの〜」とついてきました。
張本人のミルと一緒に、ネズミさんを埋葬です。

そこで、またミルの意外な一面を見ることになりました。


2/12ミルのひみつ
2/12ミルのひみつ2
2/12ミルのひみつ3
「意外な一面」といっても、ただ裏庭でおしっこをしていただけなんですが…;; 5年以上飼っていて初めて見たのでびっくりしました。
さりげない猫の日常ですが、飼い主の知らない面をいっぱい持っているんですねえ。いつかミルの狩りのルートも見つけてみたいです。
(そして、東京に出張に行く前に松本に猫を風呂に入れてもらおうと思うのでした…)

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posted by 宮崎佐和子 at 00:20| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2009年02月11日

■浄法寺からマダの木が届きました。

いつもすばらしい漆を採ってくださる浄法寺の漆掻き職人の大森俊三さん。
その大森さんに、先日「マダの木を切って香川に送ってください」とお願いしていました。この「マダの木」とは「シナの木」のこと。「しな布」という味わい深い織物である伝統的工芸品の材料としても有名です。
このマダの木ですが、肉厚で柔軟な樹皮がたいへん利用価値が高く、これで容れ物を作ったりしていました。

バッド(下向き矢印)漆掻きの道具の一つ、漆樹液を入れるタカッポもこのマダの木の皮を剥いだもので作られます。
11/14和田佐七さん
以前は、このマダの木を長野県の和田さん(上の写真の方)という元漆かきのおじいちゃんにお願いしていたのですが(※その時の様子です)今回は大森さんに頼んでみました。ムード
しかし、お願いしたものの、2月の岩手はすごい積雪のはず…。
「もしかしたら、雪が溶けた頃になるかもしれないな」と思いましたが、楽しみに待つことにしました。

しかし!

うれしいことに、けさ運送屋さんからお電話をいただいて、さっそく荷物がこちらに送られていたことを知りました。
大森さん、ありがとう!!


バッド(下向き矢印)岩手からやってきた、マダの木たちです。
2/11 木
ぜんぶで五本あります。

さすが大森さんですね…。
大事な樹皮の表面をふつうの梱包資材とかじゃなくって菰でつつんでくれています。(このあたり、いかにも東北のおじいさんの手慣れた仕事、という感じです)

バッド(下向き矢印)木の太さは径15センチくらいでしょうか。
2/11 木
ちょっと小ぶりかな?
(以前長野から送っていただいたマダの木はすごい太いのもありました)でも、扱いやすい大きさですよ。
さて、この木たちは皮を剥いで、いろんな木地を作る予定です。


…ところで話は変わりますが、今回ちょっとしたトラブルがありました。でも、問題があったのは、荷物のほうじゃないんです。
じつは、運送屋さんなんですね〜あせあせ(飛び散る汗)
運送料は、着払いでこの荷物を受け取ったのですが(松本が受け取った)運送のお兄さんも帰ったころ、私は「どんなのが来たの〜♪」と、遠く岩手からはるばるやってきた木を見に、倉庫に行きました。
そして来た荷物はとってもよいものだったのですが…。

『あれ?? こんなに少ないの?』

ひとしきり荷物を検分したあと、そんな疑問がむくむくと湧いてきました。
最初、運送屋さんからお電話をいただいて着払いの代金の金額を聞いてあわててそのお金を用意して松本にたのんでお支払いしたんですが…。
いくらお支払いしたかというと 六万円 なんです。
「ひえ〜、ろろろくまんえん!がく〜(落胆した顔)」と焦りました。が、払わないわけにはいきません。
(そんなまとまったお金を用意してなかったので)なんとか金庫やらお互いの財布からかき集めて準備して、来ていただきました。
思えば今まで、そこまで送料がかかったものはほとんどなかったです。(過去最高の送料は10万円。トラック一杯の材を岩手から送ってもらった。※その時の様子
なので『大森さん、張り切っちゃったんだなあ… どんなすごい量の荷物なんだろう?』とドキドキしながら倉庫に行ったのですが…。
でも、今回の荷物は、いくら遠方からとしても1〜2万円くらい?の量の荷物にしか見えないんです。
いったいこれは…たらーっ(汗)

ということで、運んでくださった○川急便さんにお問合せをしました。(この佐○急便さん… 契約されている業者さんが多くてとってもお世話になっているのですが、過去にいろいろ運送トラブルもありました)
今回もちょっとだけ?すったもんだがあったのですが、結局は先方の単純な計算ミスだということが分かって、差額はすぐお兄さんがやってきて払い戻してくれました。ホッ。

本来の運送料は、一万四千円でしたよ… がく〜(落胆した顔)
ほんと、あぶなかったです。
世にも恐ろしいことに?四万円以上もよけいに取られちゃうところでした。あせあせ(飛び散る汗) 聞いてみて良かったです。
時として、こんなこともあるらしいので、送料に疑問を感じたら遠慮なく聞いてみた方がいいと思い知った一件でした。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) |   素材

2009年02月10日

■制作中の漆のスプーンです。

ここ数日、暖かい日が続いてとってもうれしいです。
日射しも春めいているし、何より小鳥のさえずりがもう春という感じなんです。
(少し前から、天気のいい日はヒバリがさえずるようになりました)
もうそろそろ、ツクシの出るシーズンですね。晴れ

バッド(下向き矢印)さて、作っているスプーンたちの写真です。
2/10スプーン木地
トチ材の中サイズのスプーンです。

スプーンは品薄もいいところで、大きいスプーンが少ししか残っていません。ご注文分も含めて、使い勝手のいい中サイズのものも、補強中です。(それでもたくさん作れないのですが…)
このサイズのスプーンですと、一本が小さいお椀一個くらいのお値段なんですが、この本数は1〜2回の催事でみるみるなくなってしまいます。スプーン木地は、いくらあってもかまわないです。

…ほんと、このスプーンの木地を正確に作ってくれる方がいないものでしょうか?
木地作りが自前では追いつきません。涙
以前、本当にそんな方がいないか探したことがあるのですが、あまりにも手間がかかるので木地師さんもそう見つからず… やっと見つけたできそうなところも、見積もりをお願いすると、木地代が完成品の価格と変わらないくらいかかるとわかって、断念しました。あせあせ(飛び散る汗) (これを聞いた松本は『ぼくの木地彫り工賃はタダなんだ…』と複雑そうでしたよ;;)
世の中には、もっとお手軽価格のスプーンなんていっぱいあるんですが、本当に手がかかったものはあんまり安くはできないです。


バッド(下向き矢印)今日のうり坊。
2/10うり坊
窓辺でお外を眺めるのが大好きです。

でも… うり坊がいる場所が問題なんです。;;
なんと、窓辺に置いた水槽にセットした外掛け式の「濾過装置」の上に、小鳥みたいにとまっているんですね〜。

2/10うり坊2
クリックで拡大します。

今のところ、うり坊の体重を支えているこの濾過装置ですが… いつか壊れそうで心配です。

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posted by 宮崎佐和子 at 22:54| Comment(2) | TrackBack(1) |   漆のスプーン制作

2009年02月09日

■漆で金箔を貼る仕事。

少し前に、金箔を使う仕事をしました。
写真を撮りましたので、ちょっとご紹介します。ムード

バッド(下向き矢印)ケヤキのぐいのみたちです。
2/9 金箔1

2/9 金箔2
内側が金色だと、お酒が映えてとてもよさそうかな…と思います。^^
この金の上にさりげなく花を散らした絵をいれてもいいですね。
こうした金属(金、銀類)と漆はとっても相性が良いです。地金高の時でちょっと勇気がいった?のですが、昨年はプラチナ箔も仕入れたので、おかげでこうした箔仕事も表現の幅も広がりました。

バッド(下向き矢印)カエデ材の菓子切りです。
2/9 金箔3
シンプルな木地溜めにしていたのですが、なんとなく物足りなかったので金を貼ってみました。
2/9 金箔
ほんの少し、木地がちらっと
見えるように地を残しています。

これらのものは、この金箔の上に薄く溜め塗りにして仕上げる予定です。そうすると、この鮮やかな金色は漆の飴色の塗膜に覆われて落ち着いた感じになります。
うんと強度も増すんですよ。

バッド(下向き矢印)さて、こちらは竹のお箸です。
2/9 金箔
松本がつい出来心で?作ってみたお箸です。すごく細く、デリケートで作られています。がく〜(落胆した顔) (竹の節がアクセントになっているんですね)
2/9 金箔6
竹の素材感はしっかりと残っていますよ。

これは、仕上げにすり漆をほどこして、金色をなるべく活かしておこうと思います。

こうした「箔」を貼る時は、一般にはいわゆる「箔下漆」という商品名の調合された漆を下地に使っていると思います。
では、うちの工房の場合はどうしているかというと…。
手持ちの生漆の中から、適しているもの(薄く伸び、乾きが早くよく締まる漆)を探しておいて、それを使うんです。

こうした金箔貼りの仕事は、漆の仕事の中でもポピュラーなものですが、その効果は抜群です。本当に、がらりとその雰囲気を変えてしまいます。
こんな仕事は、うちは毎日するものではないので、ちょっと楽しかったですよ。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2009年02月08日

■「風と共に去りぬ/マーガレット・ミッチェル著」

Gone-With-the-Wind.jpg

初の黒人大統領が就任して話題になっているいま、改めて読むとおもしろいかも知れません。
「Gone With the Wind」、知らない人は誰もいない、南北戦争を背景とした壮大な物語です。1936年に出版された名著で、作者は生涯でこの一つの作品しか書きませんでした。
鮮烈なヒロインを中心にその魅力的な恋愛ドラマが特に愛されて、映画も舞台もそれをメインに構成されているので、原作を読んだことのない方は「恋愛物語」だと思っている人も多いかもしれません。
が、改めて見るとたいへん濃密な人生についての著なんですね。
また、ミッチェル氏による非常に綿密な取材により、当時の南部アメリカの様子がたいへん詳しく力を入れて書かれており、当時の世相を知ることができて、たいへん興味深いものがあります。(ミッチェル氏の父はアトランタの弁護士で、南北戦争の様子を明細に記録していた)
戦争の始まりへの高揚感とみじめな敗戦。故郷の荒廃、戦争よりもつらい「再建」。勝者(北部)による敗者(南部)の支配。そしてクー・クラックス・クラン団(KKK)の台頭。戦後の南部の人々は苦難の末、北部の知事を失脚させて南部の民主党の押す「自分たちの知事」をやっと掲げるまでになります。
その激しい時代を背景に翻弄されながらも力強く生きたヒロインの16才から28才までのの12年間は、数十年の年月を濃縮したような激しさです。

私も何度も読んだ本ですが、今読むと、当時はまったく分からなかった情景や登場人物の心情がくっきりと浮き出て、昔は読み過ごした台詞の意味、その奥にあるものを感じ取ることができるようになり、全く違う読み物となってしまいました。
そういえば、ラスト、ヒロインの夫が彼女の元を去る有名なシーンがありますが、以前は「彼女は必ず夫を取り戻せる」と信じたものですが、今はその逆に感じるようになってしまいました。(人の絶望の深さが少しは分かるようになったからでしょうか)
また、勝者の北部の、敗者の南部の支配の仕方は、戦後の日本を何やら思わせるものもあり、それもちょっと複雑な気分になってしまいます。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ BOOK
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