2009年02月07日

■使用中の漆スプーンです。

漆の食器類の中でも、日用のうつわ… 特にお椀やお箸はたいへん消耗するものと言えます。熱い汁物を注いだり、食事や手入れでかなりの圧力を受けたり。工房からお客様のもとへ旅だって行ったものの中には、ときどきちょっとケガをして治療に戻ってくることもときどきあります。

今回は、これまた消耗しやすい漆のスプーンが別々のお客様より修理のために戻ってきましたので、ちょっとご紹介したいと思います。^^

バッド(下向き矢印)違うタイプのスプーン2本です。
 どっちもすごくきれいに使って下さってるんですよ!
2/7使用中漆スプーン1

バッド(下向き矢印)大きめのクリ材のスプーン。
 木目を活かした朱溜めです。
2/7使用中漆スプーン2
2/7使用中漆スプーン3
すごくきれいに使ってくださっています。ムード(ほんと、ぜんぜん傷んでいない…) このスプーンは、松本自身がとても気に入っている形で、また見ることができて嬉しそうでした。
…でも、一見新品同様に見えるくらいでなんの問題もなさそうです。
いったいなぜ工房に戻ってきたのかというと…。

バッド(下向き矢印)こうすれば、分かるかな?
2/7使用中漆スプーン4
少し、ヒビが入っちゃったんですね。;;

先日、お引越しされた時に圧迫することがあったのかどうか、包みから出すとこうなっていたそうで…。「修理できるものなら、直してください」とのことでした。
木と漆のスプーンは、ときどきこんなことがあるんです。

バッド(下向き矢印)さて、こっちの漆スプーンはすごく使い込んだお品です。
2/7使用中漆スプーン5
工房の中くらいの大きさのトチ材のスプーン。
かなり好評で作ればすぐ売り切れるものです。

2/7使用中漆スプーン6

これは、使い込んだ漆の美しさにあふれて、ちょっと感動して見入ってしまいました。

バッド(下向き矢印)うるるっとした艶であふれています。これはお客様が上手にお使いになって、自然の磨きで出てきたツヤなんですね。
2/7使用中漆スプーン7
2/7使用中漆スプーン8
漆の生まれたての塗り肌もたいへん美しいのですが、こうした景色もたいへんよいものです。作り手は、こうした表情は作れませんものね。ほんとうにお客様が「仕上げてくださる」という表現がぴったりだと思います。

さて、ふつう漆のスプーンは、ふちが欠けたりふちの漆がちびたりして修理(一番デリケートで圧力がかかる部分なんですね)…というパターンがほとんどなんですが、これもなんともないような? あれ、いったいどこを直すんでしょう?


2/7使用中漆スプーン9
この柄のお尻の部分を直すんだそうです。

うわ〜、本当にていねいに使ってくださっているんだなあ。(ふちよりここが先にこうなるなんて、初めて見ました!)
本当に、見ていて嬉しくなるようなスプーンたちでした。ムード

※スプーンの修理 A

※スプーンの修理 B-1
※スプーンの修理 B-2
※スプーンの修理 B-完成

※スプーンの木地つくりの様子

↑スプーンの過去の関連記事もリンクを貼っておきます。(ほかにもいろいろあるんですが、とりあえず)もしよろしければごらんになってくださいね。^^

いま、漆のスプーンはたいへん品薄なんですが…。
ご注文分だけでも早めに作っていますので、もしオーダーされている方はもう少しお待ちいただけますと幸いです。

ランキング参加中→  人気blogランキング
にほんブログ村
posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆のスプーン制作

2009年02月06日

■お箸の新しい木地とカップの木地固め。

松本は、先日の大阪の作品展で実演をしていたのですが、その時に削った箸木地をいろいろ見せてくれました。ムード

バッド(下向き矢印)いつもの手削りのお箸です。
2/6箸木地1
ミズメザクラ材でお尻が八角形になっています。
(箸先は四角でつまみやすくなっている)

いつもこんな感じで一本ずつていねいに削って作っています。そして、こんな仕上がりになるんですよ。

さて、ここまでがいつものお箸なんですが、次は工房では新しいタイプのお箸の登場です。
いったい何が新しいのかと言いますと…。

バッド(下向き矢印)初めて作る五角形のお箸木地です。
2/6箸木地2
実は、お客様からずーっと前からご注文いただいていたこの「五角形のお箸」。いろいろあって?なかなか完成しなかったのですが、今回は実演中にちょっと作りためることができました。(とあるお店のシェフなのですが、『お箸はやっぱり五角形が正式でしょ?』と工房の八角形箸には目もくれず?…そしてオーダーということになりました)

この「八角形」と「五角形」、ちょっとした差と思う方もいらっしゃるかもしれませんが… ぜんぜん雰囲気が違ってくるんですよ。

バッド(下向き矢印)両方のお箸を並べてみました。
2/6箸木地3
六角形の鉛筆は、この中間になるかな?


バッド(下向き矢印)持った感触もまったく違います。
2/6箸木地4
2/6箸木地5
自分撮りなので、左手でお箸を持ってちょっとぎこちなく見えますが…;;
八角の方はあたりが柔らかく優しい感じです。
五角の方は、しっかりとお箸を指に感じて『お箸を使っている』という感触がありありとします。

使い心地に関してはどっちがいいかは、お好みですねえ。

バッド(下向き矢印)こちらは工房のお箸としては初めての材を使ったんだそうですよ。
2/6箸木地6
サクラ材のお箸です。ミズメザクラ材(カバノキ科)は使うことがあるんですが、これは本当のサクラです。
…そういえは、木肌もほんのり薄紅色のようで、愛らしく思ってしまいます。漆を塗ってしまうのがなんだか惜しいような。

お箸もこだわるときりがなくて楽しいですね。


バッド(下向き矢印)さて、今日の松本は先日着いたフリーカップの木地の木地固めを続けていました。
2/6仕事場
大森俊三さんの2007年の末辺漆で木地固めです。

300個あるので、木地固めもけっこう時間がかかるし、漆もいっぱい要りました。(途中で漆がなくなって、中断して新しく注いで濾し足して…といった感じです;;)

バッド(下向き矢印)漆室の中の木地たちです。
2/6フリーカップ
今回も白木地の時に検品して、木目の美しいものはシンプルな木地溜めに、特にそうでないものはこんな黒や朱の漆で固めをして着色しました。
これを溜めで塗って仕上げると、ほんのりした色合いでとてもいい感じなんですよ。ムード
このたっぷり最初の漆を吸わせたフリーカップ達は、しばらく漆室でしっかり乾かして、木地が落ち着くまで寝かせておきます。


今日のむぎ君です。
2/6むぎ
とってものんきな姿ですが…。
以前からこのカゴはお気に入りなのです。


ランキング参加中→  人気blogランキング
にほんブログ村

posted by 宮崎佐和子 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2009年02月05日

■黒呂漆について。

工房で使っている漆は、木地固めも下地も中塗りもほとんどが生漆です。精製漆は、最近出番が増えてきましたが、あんまり使っていません。(そういえば、色漆の登場もとっても少ないです)
さまざまな時期の生漆を、使い分けてやっています。

バッド(下向き矢印)作業で使っている漆たち、いろいろ。
3/4いろんな日本産漆の入った茶碗
ふだんは木の樽で保存している漆なんですが、仕事で使う分量だけ茶碗に入れて表に出して保存しています。

そんな中、久しぶりに黒呂漆を使いました。
私は本当におひさだったので、黒い漆を出した時に「わっ、きれいぴかぴか(新しい)」とちょっと感動してしまいました。

バッド(下向き矢印)今回使った黒呂漆です。
2/4黒呂漆
ほんとうにきれいですねえ…。
ちょっと青みをおびた、吸い込まれるような黒です。
いわゆる『漆黒』という色なのでしょうね。

漆の『黒』の出し方は、二種あります。
一つは、飴色の漆に松煙(松やにの煤)などの細かい炭粉を顔料として混ぜて作った顔料系の黒漆。
もう一つは、鉄分を混入して漆じたいを酸化反応させて黒を表現した、透き通るような黒漆です。(これが、いわゆる『黒呂漆』なんです)
この今回使ったのは、この「黒呂漆」なんです。
2006年の大森俊三さんの盛り漆を、浄法寺で精製して鉄粉で黒くした漆なんですよ。^^
その時に1貫目も作ったものの、残念ながらうちではほとんど出番がないのが申しわけないです。たらーっ(汗) この漆の塗り肌で呂色をとったら(塗り肌を鏡面に磨きあげたら)さぞきれいでしょうねえ。
うちの工房はそういった作風ではないので、だからなかなか出番がないのですが…。
いつかそういった仕事に使ってみたいです。

ランキング参加中、毎日クリック→  人気blogランキング
にほんブログ村
posted by 宮崎佐和子 at 19:18| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 和うるし(漆)について

2009年02月04日

■ご来場ありがとうございました。

大阪の阪急百貨店さんの作品展は、昨日ぶじ終りました。
多くの方にご来場いただきまして…本当にありがとうございます!
おなじみのお客様、近くの友人も寄ってくださいましたし、お電話でだけお話したことのあるお客様やこの日記にコメントをくださっている方もわざわざ(けっこう遠方なのに)いらしてくださいました。
また、ふだんこの日記を愛読して下さって会場まで来てくれた方も、何人かいらっしゃいました。ほんとに嬉しいです。「やっと実物を見ることができましたよ」と言ってくださったり…。
本当にありがとうございます。もうやだ〜(悲しい顔)
身に余るご期待をいただいて… それを糧に次の仕事をがんばりますね。

では、松本がそろそろ戻ってくるので、迎えに行ってきますね。

2/4むぎおまけ。
アゴを乗っけて寝るのが好きなむぎ君。
松本が帰ってきたら、体重測定です ムード


毎日楽しみにしてます^^→  人気blogランキング
にほんブログ村

posted by 宮崎佐和子 at 18:56| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 日記

2009年02月03日

■写真展「チベットを知ろうよ 2009」のお知らせ。

漆とは違う催事ですが、ご紹介したいと思います。

昨年は北京オリンピックと合わせてチベット問題が国際問題となりました。その時になって、ごく一部の層にしか知られていなかったあまりにもチベットの厳しすぎる内情が、やっと世界に知られることとなったのですが…。

元新聞記者の和田武大さんが、チベットを旅した写真展が滋賀県立図書館で明日から開催されます。
お近くの方は、ぜひ足を運んでくださいね。^^


2009チベット

「チベットを知ろうよ 2009」
日時/2月4日(水)〜21日(土)
場所/滋賀県立図書館
※講演会
日時/21日(土) 16:00〜
場所/県立図書館1階談話室(入場自由)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


実は和田さんとは、彼が新聞記者時代からの友人なんです。
その『産経のエース』と期待された?敏腕の彼が、自由の身になって旅立った時はちょっと驚いたけど「彼らしいな」と思いました。
この写真展は、一昨年から昨年にかけて1年半、アジア各地を旅した和田さんの旅の記録です。インド、中国各地、タイ…とその範囲は広く、約1ヵ月のチベットの旅ではラサやカイラス山を巡礼。インドでは何度もダライ・ラマ法王の法話を聞いたとか。(そういえば、チベット亡命政府にも行っていたなあ…)

日本では見つからないものを求めて行った彼の旅は、昨年やっと満たされて帰郷という形で終ったかに見えますが、これからずっと続いていくようです。
「チベット」というキーワードは、いろんな意味でこれからも世界情勢の鍵を握っていると思います。
ご興味のある方は21日最終日の講演会で、ぜひ彼を質問攻めに?してくださいね。
(これを書きながら、業田良家さんの「慈悲と修羅」をつい思い出してしまいました…)

毎日楽しみにしてます^^→  人気blogランキング
にほんブログ村

posted by 宮崎佐和子 at 23:21| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ お知らせ

2009年02月02日

■漆の木とスズメたち。

昨日今日と、冷え込んだ日が続いています。ブルブル…ふらふら
でも、1月末からなんとなく(本当にちいさなサインですが)「春」を感じるようになりました。
それは日中の大気をふるわせる「音」だったり、空気の「におい」だったり、小鳥の「鳴き声」だったり、陽光の「色」だったりします。
ほんとにかすかな変化ですが、やっぱりうれしいものです。
(そう言えば、草の『伸び』もちょっと早くなりました。←むぎ君のおやつの草を摘んでいて感じます)

そして、嬉しいのはスズメたちが最近よくうちに来るようになったこと。みんなとっても元気です!

バッド(下向き矢印)庭の漆の木でくつろぐのが大好きです。
漆の木とスズメ
(クリックで拡大します)

車の中から写真を撮りました…! (でもやっぱり逃げてしまって、最初見た時の半分になっています)
ワイワイガヤガヤうるさいのなんのってあせあせ(飛び散る汗)

バッド(下向き矢印)クリックで画像がものすごく大きくなります。
漆の木とスズメ
腕とカメラの性能があれなので、写りはちょっと…ですが、夕方はいつも大騒ぎの井戸端会議なんですよ。^^
このスズメの群れですが、よく見るとたくましくなった若鳥もちらほら混じっていて、胸を打つものがあります。

そういえば、最近スズメの数がうんと減っているような気がします。以前はもっとすごい大群があちこちに見られたような気がするのですが…(そういえば少し前に北海道でスズメ大量死のニュースがありましたね。その後どうなったのかなあ)
ありふれた小鳥だけど、気にかけておかなければいけないのかもしれません。

バッド(下向き矢印)みんなモリモリしていて可愛らしいです。
漆の木とスズメ
この漆の木は、松本が大阪に出る前に切ってしまおうと言っていたんですが、結局忙しくなって戻ってきてから切ることになりました。
(…木がいきなり無くなったら、スズメさんは寂しくならないかな?)
あと、1月20日ごろからメジロも庭に来るようになりました。1月になってからずっと漆の枝にミカンを挿して待っていて「今年は来ないのかな」と思っていた時だったので、とても嬉しかったですよ。
3/9ミカンを刺したウルシの木にきたメジロ去年来たメジロさんです。


さて、大阪の阪急百貨店での作品展もあと一日となりました。
(今日もご来場くださったお客様、ありがとうございます!) 夕方で閉場せず、営業時間の8時までやっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ムード

いつもありがとう…→  人気blogランキング
にほんブログ村


posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(4) | TrackBack(1) | ■ ウルシの木の記録

2009年02月01日

■新しい木地がいっぱい来ました。

梅田の阪急百貨店さんでの作品展ですが、多くのお客様がいらしてくださったそうで、本当にありがとうございます。ムード
早いものであと二日ですね。
今週の火曜日までとなりますので、ぜひお立ち寄り下さいませ。

さて、工房の方ですが、年末に発注していた木地たちが、この週末にいろいろ届きましたよ。^^

バッド(下向き矢印)まずは、高松の木地師さんから。
新しい木地1
今回、初めて頼んだ木地なんですよ。
いったい何の木地かというと…。

バッド(下向き矢印)茶托の木地なんですね。
新しい
大阪のお客様にご注文いただいた、4寸の茶托です。
no-titleこんな塗り肌のお弁当箱をごらんになって、気に入ってくださってオーダーとなりました。→
松本が一時期、はまっていた作風ですね…。目に止めていただいて本当にありがたいことです。今まで茶托は手がけていなかったので、仕上がるのが今から楽しみです。


バッド(下向き矢印)そして、めんぱの木地がいろいろ。
新しい木地3
長野からやってきました。めんぱの器はなかなか好評で、だんだん数が少なくなってきたので頼んでおきました。小判型のお弁当箱もあれば、丸重箱もありますよ。

バッド(下向き矢印)そして…ついに来たフリーカップの木地たちです。
新しい木地4
この段ボール二つにたっぷり300個入っている(らしい)です。がく〜(落胆した顔) わわっ、請求書がこわいなあ…。
でも、フリーカップは楽しみにされている方が多くて、早くなくなってしまうので、木地は余裕を持っていないとちょっと不安なんです。来てくれてよかったです。(こういった天然木で手作りの木地は、頼んですぐ来るものじゃないんですよね…頼んだことを忘れるくらい?うんと待つこともあります)
いっしょうけんめい作って下さった木地師さんたち、本当にありがとうございます。
この箱はまだ中身を確認していません。ちょっと疲れたのであした開けようと思います。
がんばって仕事をしなくちゃなあ〜。

うり坊おまけ。
新しい首輪を着けたうり坊です。
でもすぐ外してしまうんですよ…;;


いつもありがとう…→  人気blogランキング
にほんブログ村

posted by 宮崎佐和子 at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事
Powered by さくらのブログ
y
<!-- [FC2 Analyzer] -->