さまざまな時期の生漆を、使い分けてやっています。


ふだんは木の樽で保存している漆なんですが、仕事で使う分量だけ茶碗に入れて表に出して保存しています。
そんな中、久しぶりに黒呂漆を使いました。
私は本当におひさだったので、黒い漆を出した時に「わっ、きれい



ほんとうにきれいですねえ…。
ちょっと青みをおびた、吸い込まれるような黒です。
いわゆる『漆黒』という色なのでしょうね。
漆の『黒』の出し方は、二種あります。
一つは、飴色の漆に松煙(松やにの煤)などの細かい炭粉を顔料として混ぜて作った顔料系の黒漆。
もう一つは、鉄分を混入して漆じたいを酸化反応させて黒を表現した、透き通るような黒漆です。(これが、いわゆる『黒呂漆』なんです)
この今回使ったのは、この「黒呂漆」なんです。
2006年の大森俊三さんの盛り漆を、浄法寺で精製して鉄粉で黒くした漆なんですよ。^^
その時に1貫目も作ったものの、残念ながらうちではほとんど出番がないのが申しわけないです。

うちの工房はそういった作風ではないので、だからなかなか出番がないのですが…。
いつかそういった仕事に使ってみたいです。