2009年02月08日

■「風と共に去りぬ/マーガレット・ミッチェル著」

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初の黒人大統領が就任して話題になっているいま、改めて読むとおもしろいかも知れません。
「Gone With the Wind」、知らない人は誰もいない、南北戦争を背景とした壮大な物語です。1936年に出版された名著で、作者は生涯でこの一つの作品しか書きませんでした。
鮮烈なヒロインを中心にその魅力的な恋愛ドラマが特に愛されて、映画も舞台もそれをメインに構成されているので、原作を読んだことのない方は「恋愛物語」だと思っている人も多いかもしれません。
が、改めて見るとたいへん濃密な人生についての著なんですね。
また、ミッチェル氏による非常に綿密な取材により、当時の南部アメリカの様子がたいへん詳しく力を入れて書かれており、当時の世相を知ることができて、たいへん興味深いものがあります。(ミッチェル氏の父はアトランタの弁護士で、南北戦争の様子を明細に記録していた)
戦争の始まりへの高揚感とみじめな敗戦。故郷の荒廃、戦争よりもつらい「再建」。勝者(北部)による敗者(南部)の支配。そしてクー・クラックス・クラン団(KKK)の台頭。戦後の南部の人々は苦難の末、北部の知事を失脚させて南部の民主党の押す「自分たちの知事」をやっと掲げるまでになります。
その激しい時代を背景に翻弄されながらも力強く生きたヒロインの16才から28才までのの12年間は、数十年の年月を濃縮したような激しさです。

私も何度も読んだ本ですが、今読むと、当時はまったく分からなかった情景や登場人物の心情がくっきりと浮き出て、昔は読み過ごした台詞の意味、その奥にあるものを感じ取ることができるようになり、全く違う読み物となってしまいました。
そういえば、ラスト、ヒロインの夫が彼女の元を去る有名なシーンがありますが、以前は「彼女は必ず夫を取り戻せる」と信じたものですが、今はその逆に感じるようになってしまいました。(人の絶望の深さが少しは分かるようになったからでしょうか)
また、勝者の北部の、敗者の南部の支配の仕方は、戦後の日本を何やら思わせるものもあり、それもちょっと複雑な気分になってしまいます。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ BOOK
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