初めまして、弟子の芝吹です。
工房に通うようになり、もうすぐ2週間になります。隣りの丸亀市から自転車で約40分かけて通っています。花粉防御のために、マスクをして帽子を目深にかぶっているので、かなり怪しい感じです
そんなのですが、これからよろしくお願い申し上げます。
先日3/16に、初めて硫酸法による漆の種の脱ロウをしました。その時の様子を紹介します。
工房には、浄法寺、阿波、新潟、北海道、高知の木が育っており、自然交配でできた工房の木の種を使いました。阿波の木になった種と浄法寺の木にになった種です。自然交配なので、阿波はそれ以外の浄法寺、新潟、北海道、高知どれかがお父さんで、浄法寺も自身以外のどれかがお父さんになるそうです。

始めに、種の殻をとりました。種を棒で突きます。
(写真の棒は漆の木で出来ています)


そのあとに、少量なので軍手で揉んでとりました。押しつぶすのではなく、種同士をこすり合わせるイメージで揉むのがコツとのことでした。殻を風に飛ばしながらすると種だけがボウルに残りました。

だいたいとれてきたら、ボウルに水を入れ、水に浮く種を捨てました。水に浮く種はシイナ(中身のない種)なので脱ロウ前に捨てます。これからいよいよ脱ロウです。
今回は硫酸を使った方法です。硫酸法の脱ロウは硫酸でロウを焼き焦がすという方法です。
硫酸法は熱処理法(熱湯でロウを溶かして灰に付着させる)より発芽率が高いそうです。

硫酸は金属を溶かすらしく、水が入るように大きい容器でユウヤクのかかった陶器を使用しました。瓶に入れて、かき混ぜました。


種を入れて、種が隠れるくらいの硫酸を入れたら、入れてすぐにシュワーとなり、ドライアイスの煙のような白い煙が立ち、種が黒くなりました。硫酸も黒く変化しました。
15分、25分と途中種を取り出して様子を見ながら。30分かき混ぜました。

硫酸で表面が黒く焦げています。

30分後に瓶に満杯まで水を入れたら、あわあわになりました。
穴を掘り、瓶の水を捨て、種を捨てないように網を瓶の口にあてて、網に種がたまるように気をつけながら流しました。横に水を用意して、瓶の水を流したら、さらに水を流して、なるべく硫酸が薄まるようにしました。2〜3回水で瓶を洗い、網に入れた種を水で洗いました。水をいっぱいにして網を揺すって種を洗いました。


表面が焦げていました。

網ごと手で揉んで黒焦げた表面を取ると、焦げた表面のロウ部分がとれてきて、中がでできました。とれたら、このまま水の入ったバケツに入れて種をふやかします。半透明になり、膨らんできて手で裂けるくらいになるまでつけておくそうで、だいたい4日間ほどです。漬けすぎると腐るので、水は毎日取り替えて、腐るのを防ぎます。

この後、4日後に種まきをしました。
はじめてのブログでつたないですが、次は種まきの様子を紹介する予定です。ありがとうございました。
* * * * * * * *
宮崎です。
おととしの4月に、松本が熱湯と木灰を使った脱ロウ法で漆の種を下ごしらえする様子をご紹介していました。
でも、この木灰法は彼女は自分ですでにやってみたあとだというので「じゃ違うやり方でしよう」と、今回は酸を使った方法で脱ロウしてみました。
最初、硫酸液にびびっていた彼女ですが、うまくできたようです。どうぞ、後編にご期待ください。^^
posted by 宮崎佐和子 at 22:43|
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