ほんとうです。


本来なら木を切るシーズンにはちょっと遅い気がしますが、もう今しかないと思って、ズバッとやってしまいました。
思えば、工房立ち上げの年に、徳島の漆かきの東さんから苗をいただいて植えた思い出深い木でした。

その工房立ち上げ時の当時、松本と東さん。

左の人は松本です。
そして木はほんの苗木でした。

そして木はほんの苗木でした。


大きな2本を残して、
これを主力に大きくしていました。
これを主力に大きくしていました。



かなり大きくなってくれました。

切ったこの子は8〜9才くらいでしょうか?
何本か工房の敷地に植わっている漆の木の中でも、一番年長さんで見栄えがする木でした。
そして、一番思い出がいっぱいの木でもありました。
今回、なぜ切ってしまったかというと…。
理由はいろいろありますが、やっぱりの昨年の11月にちょっとした行き違いで、うっかり枝を切られてしまった事件があったことが一番のふんぎりになりました。


「枝をいくつか切られたくらいでなぜ??」と多くの方が思われることでしょう。でも、失った枝は主力の枝たちで、これがなくなると以後、樹の形が大きく変形していくことになります。
もちろん理由はこれだけでないんですが、いろいろ考えて思い切ってバッサリいくことにしました。
漆の木さん、お覚悟を!!
思えば、この木はいろんな思い出を作ってくれました。

可愛い花を咲かせてくれて…

小さな実を毎年結びました。

早春は必ず芽吹いて…

旬の味も楽しませてくれたり。

いろんな生き物もやってきましたよ。

夏には必ずセミさんがジュースを飲みに。

クモも獲物をねらって隠れてました。

時にはこんな子もいたり…。


カマキリさんは毎年卵も産みつけてましたよ。

カエルさんも心なごませてくれました。
…とそんな思い出深い漆の木ですが、

切るのは、あっけないほどあっという間でした…。


ミルちゃんも加勢してくれましたよ。
さて、とうとう2本とも切ってしまいました;;



どちらも、径は約15センチほどでした。
そして、あらためて見ると年輪の幅がすごく広いです。やっぱり四国は気候が温暖です。でも雨の少ない香川県で順調に大きくなったと思います。

さて、工房への場所の入り口にあった大きな2本の木がなくなったので、なんだか寂しくなってしまいました。
ここまで読んでくださった方の中には「そうしてまで切らなくてもよかったのに…」と思われる方がたくさんいらっしゃると思います。
でも、楽しみにしていてください。
この切り株から、新しい芽がすくすくと伸びて、やがて美しい木に戻りますから。
切り株の下には、網の目のような広範囲に伸びた根っこがしっかりと張っています。この生命力にあふれるエネルギーが土の中に秘められているんです。
そう遠くない日に、新しい芽吹きがこの切り株の周囲に見られると思いますので、その登場を心待ちにしたいと思います。