モデルの
山田潤さんではありませんよ。
(笑)京都にお住まいの「その道」の有名人の男性です。そのお仕事の内容を簡単なカテゴリに入れて表現するのはむつかしいですが…
竹中道具大工館の
大工道具館だよりの第18、19号に寄稿された山田さんのコラム・建築工人達の道具 第7回:江戸熊の鑿その1、2 を読むとその特殊な専門性がお分かりになると思います。

山田潤さん。4月25日にご自宅で。
お知り合いになったきっかけは、広島の
石社さん(石社鍛冶屋さん)で
「すごいのがいるんだよ…」と紹介して下さったのがおつき合いのが始まりです。
少し前から、工房の木地の一部をお手伝いしていただいていて、そのキレに、「すご〜」と思っていました。
実際にお会いする機会がなかったので、弟の結婚式に京都へ行った時に無理をいってごあいさつにうかがわせていただきました。^^

工房には、刃物や砥石がずらりと…。

おたくどうしで、さっそく全開で対談?ですよ。
話の途中で、山田さんが学生時代に作ったという鑿を見せていただきました。これが…すごく美しいんです!

わ、いいですねえ。使い心地はどうなんでしょう?
刃物のことはよく分かりませんが、柄にかくれる部分までキチッと作られていてきれいだなと思いました。
他にも砥石やご自分で作られた指物の木地とかを見せてくださいましたよ。

そして…これを発見。

スダレではありません。もしかしてこれは…!
工房でお願いしている、お箸の木地たちなんです。


窓辺につるして木地をゆっくり馴染ませているんですが(いつも丁寧に乾燥してくださってます)、こんなふうにきれいに繋いで干してくれているなんて知りませんでした。
…お箸は「木をまっすぐ削ればいいんじゃない?」と思われているかもしれませんが、本当にいいものを作ろうとすると、そういうわけにはいかないんです。
まず、細かく切るのが惜しいような木目が素直でまっすぐな良い材を仕入れ、目の方向に合せてカットし、それをゆっくり乾燥し…場合によっては少し削って乾燥、そしてまた少し削るというように繰り返してすすめていきます。
こうして、反りにくい美しい木のお箸の木地になっていくのです。
プラスチックのお箸木地なら、こんな苦労はないのですけどね…
工房のお箸木地は、松本がずっと手削りで作っていたのですが、工房の仕事量があまりにも増え、木地作りに専念する時間が取れなくなってきて、ずっと悩みのタネでした。
売れるのは早いのですが、作るのはこだわりのあまり、時間と手間がかかりすぎるのです。
なので、一時期は、催事会場に「スミマセン、今回はお箸はまったくありません!」と胸を張って言っていた時も。
(←胸を張るなって ;;)しかし、松本の求めるクオリティーの仕事を引き受けてくださる方はなかなかいなくて、山田さんと巡り会った時は「おお!」と感激しました。


で、この日もお願いする木地を持ち込みましたよ。
材は、ナラです。ほか、ウルシ材で箸箱も作ってもらいたいのでそれも入れました。(いっぱい頼んでごめんなさい〜)
昨年末から、工房のラインナップにお箸が切れずに入っているのですが、特注のお箸以外は山田潤さんの木地のものが大半になってきているんですよ。
同じラインでお願いしているんですが、松本作とは微妙に違う(おたくにしか分からない違いですが ;;)スカッとした美しい木地、また改めて御紹介したいと思います。


まだおたく談義は続く…。

スケジュールが押していたので、短い時間でしたが、山田さんありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
posted by 宮崎佐和子 at 23:59|
Comment(2)
|
TrackBack(0)
|
■ 日記