刷毛を作っています。作るといっても、大きな刷毛を切断して小さいのに作り替えるのです。
2寸程の幅の本通し(上から下まで毛が入っている)を横に3分割して、それを縦に3分割して、更に剥いで2枚にして一つ一つ半通し(半分まで毛が入っている)にする予定です。

まず、側面を鉋で滑らかにします。


鉋の刃はほんの少しだけ出して薄めに削れるように設定します。人毛の逆目に気をつけて、滑らかになる方で整えます。削るときに揺らぐと滑らかにならないので、揺らがないように面をしっかり当てておきました。





刷毛自体の糊の効きがあまく、剥ぐには向いていないようで、剥がずに進めることにしました。
今回使用した刷毛は松本さんのお父さんの購入したものだそうです。息子が使って更には赤の他人の弟子が使うことになるなんて、不思議なもんだなあと思いました。
次回も刷毛の様子です。ありがとうございました。
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宮崎です。
この刷毛は、当時、道具オタクだった松本の父が買い集めたものの一つで、幅2寸(約6センチ強)とやや幅広なので、座卓の塗り用として求めたのだと思います。(当時、香川県は漆の座卓の産出が日本一だった時期がありました)
漆刷毛は、毛が切れて漆液のなかにゴミとして混じらないよう、女性の髪の毛を一本まるまる途中で切ることなく、まっすぐ通したものを作ります。その髪の毛は糊漆でしっかり固めていて、刷毛の穂先を持ち主が仕事に合せて長さや角度が自由に砥石や刃物でキリッと作れるようになっています。
割ってみるとこの刷毛は糊漆があまかったんですが、残念ですね。
さてさて、この刷毛は、うつわや小物を作るには大きすぎるので、切ったり割ったりして色んな幅や厚みの刷毛を作ることにしたのですね。^^ (手間がかかるんですが、そんなことができます!)
また、経過をお報せしますので、どうぞ見てくださると幸いです。
