2009年05月07日

■漆刷毛を作っています。2

こんにちは、弟子の芝吹です。
前回の刷毛の続きです。

切断した刷毛の周りの木を剥いでいるので、新たに板を貼付けます。板はへらを作る用の檜の板を使用しました。半通し(刷毛の半分まで毛が入っている)に作り変えるので、刷毛の後ろに注ぐ部分も同じ板を削って作りました。

バッド(下向き矢印)接着前の様子

5いた.jpg



刷毛に檜を使用する理由を尋ねた所、「檜でなければならない理由は特に見当たらない。昔は目の通った良い材が手に入ったし、柔らかく加工しやすく見た目もきれいな白木なので、使っていたのだろう。」ということで、後ろの継ぐ部分を漆の木にしたものも作りました。側面は檜です。

6漆板.jpg


2寸程の大きな刷毛から6本とりました。
これを麦漆で接着しました。麦漆は、小麦粉と漆とこくそ綿という繊維くず綿を混ぜて、ペースト状にした接着剤です。厚みを持って乾くので、多少の隙間も埋まります。

バッド(下向き矢印)貼り付け面両面に塗り、貼付けたらしっかり固定します。

7貼付け.jpg

麦漆は乾くのに時間がかかるので、このまま1ヶ月程おいておきます。


乾いた後に、持ち手に摺りをしたり、布を貼ったり、刷毛の毛を切り出して糊をほぐしたり、と使えるようになるまでにはまだかかりそうですあせあせ(飛び散る汗)
ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
2寸幅の全通し刷毛が、6本の半通し刷毛になりました。
この面倒くさい?作業の意味はと言うと…。
漆刷毛を使うには「手で持つ部分」が必要です。「全通しの刷毛」は、刷毛の毛が頭からお尻まで入っていても、お尻の部分は持ち手になってしまってフルに使えないことになります。
そこで、このような「半通し刷毛」といって、半分は木材で延長する刷毛に作り直してしまうのです。(最初から『半通し刷毛』として作っているものもあります)
こうすると、高価な毛の部分を活かして長い間刷毛を使えます。彼女は、こうして古くて大きい刷毛を、自分の使いやすいサイズの刷毛にカスタマイズしているんですね。^^
使っていくと、刷毛の穂先は消耗するので、タイミングを見て新しく穂先を自分で切り出していきます。

私も、漆芸研究所で刷毛を割って作り直す作業をしましたが… 作業がいっぱいあって、やっと完成した時は嬉しかったなあ。
また、そんなところまで、見てくださると幸いです。ムード


posted by 宮崎佐和子 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) |   弟子の日記
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