2009年07月30日

■弟子の漆かき研修6/6辺目です。

こんにちは、弟子の芝吹です。
6/16に1辺目(目立て)をした漆の木の6辺目を、7/28にいれました。
この日は工房に、2008年度日本うるし掻き技術保存会長期研修生だった島岡さんが来られていました。
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またとないチャンスだったので、お願いして2本あるうちの1本を島岡さんに掻いていただきました。わーい(嬉しい顔)


バッド(下向き矢印)だんだん傷も長くなってきて、カンナの刃の入れ方が初めと同じでは力が入りにくいと思っていた所、島岡さんから力の入りやすいカンナの持ち方を教わりました。

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写真手前の右手のような手の形にして、人差し指を目刺しを入れる刃の下のとこで固定してカンナを持ち、親指と人差し指を閉じるように力を入れると力が入りやすい、との事でした。手の小さい私はすごく納得です。人それぞれ体格差や力の差があるので、自分にあった細かな工夫は重要だと思いました。2本しか掻いてないのでいまいちどうしたら良いかわからず進めていますが、私もより良いやり方を探っていかねばあせあせ(飛び散る汗)


バッド(下向き矢印)島岡さんが研修中に掻かれた漆です。
 層になっています。きれいぴかぴか(新しい)

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この漆の付けをとる(試しに少量を乾かして見ること)と、半艶で柔らかく優しい表情になりました。日本産漆と言ってもほんとに様々な表情があるなあと感じます。漆の木の種、状態、土壌、天候、掻く人、掻き方、掻く時期、保存、使う人、使い方、使う行程、乾かす場所、乾かし方、乾かす時期、、、、、関わっているものすべての要素が絡み合い凝縮されたものの表れというのを実感しました。


今回は、この他にも浄法寺のお話が聞けたり、写真が見れたりといろいろ知ることができました。島岡さん、本当にありがとうございます。exclamation


今日も読んでくださって、ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
この日の6辺目を掻いている、弟子の仕事の動画もありますよ。^^
芝吹6辺目

さて、島岡さんが研修で採った漆を見せてもらったのですが、とても素直でなかなかよい漆でした。研修中の写真もいくつかいただいたので、またおりをみてアップしたいなと思っていますムード

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posted by 宮崎佐和子 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) |   弟子の漆かき研修

2009年07月29日

■昨年の漆掻き研修生、島岡さんが来られました。

昨日から、工房にお客さまがいらしてました。
2008年の日本うるし掻き技術保存会の長期研修生の一人だった島岡睦さんです。(この年の長期研修生は2名、あと一人は本間健司さんでした)
去年の6月初旬〜11月末まで、浄法寺に滞在して漆かきの研修を受けていました。

バッド(下向き矢印)島岡さん(右)と弟子。女性なんですね〜。
7_29_IMG_1370.jpg

見知らぬ浄法寺の町で一人で暮らし(言葉も最初は通じにくい)、山で約6ヶ月間もの間、孤独に漆かきの仕事にひたすら打ち込む… という長期研修生の日々。年ごろの女性にとっては厳しい修行だったことでしょう。

うるしかき
研修生のころの島岡さん。(裏目掻きのころかな?)

いま、工房の庭のウルシの木(2本)を掻いている最中の弟子にとっては、本場の浄法寺で数十本もの木を相手にワンシーズン、めげずにやり終えたなんて、夢のような話です。

しかも年の近い女性ということもあって、弟子は興味しんしんexclamation
島岡さんが来られるのを、とても楽しみにしていたんですよ。

工房の木の「6辺目」を『島岡さんが来てから一緒に掻く』と言って、掻かずに待っておりました。


バッド(下向き矢印)で、ついにその瞬間が…。島岡さんのお手本です。
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「お茶碗に入れるのってむつかし〜い」と島岡さん。
ごめん、たった2本なんでタカッポが使えないの。


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めでたく6辺目をむかえた、工房の庭の木です。


バッド(下向き矢印)大人三人が、木の根もとに座り込んでジッと凝視する図です。(知らない人が見たら、何だろかと思うだろうな…)
:

…詳しくは、また弟子が日記に書くと思います。あせあせ(飛び散る汗)
(漆掻きの動画も撮りましたよ〜)


ほか、工房の漆を見せっこしたり塗ってみたりして、日本産うるしを相手にしている人間しか分からないようなネタで、多いに盛り上がりました。ハートたち(複数ハート)
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それにしても島岡さんに会うのは、何年ぶりでしょうか?
実は彼女が浄法寺にいくきっかけになったのが、うちだったので、ずーっと気になっててお会いしたいなと思っていたのです。
来て下さってよかったです。ムード

…で、今日は島岡さんと、松本と弟子を含む三人で高松に行ったらしいです。(私はお留守番…)
工房の五色台の漆畑を見たり、移転した香川県漆芸研究所を見学したりしたみたい。

それにしても、漆掻きを松本に教わっている弟子ですが、腕力もあってコツも心得ている男性から教えてもらっても、今ひとつシックリこなかった微妙な部分を、島岡さんを通じて理解したところもあって勉強になったと言っておりました。
「仲間がいる」いいものですね。^^


* * * * * * * *

7_29_orenji.jpg今日のおまけ写真です。…うちの玄関の写真なんですが、この影は何でしょう?
実は、ノラ猫のオレンジ君なんですね。;; ミルミルのお友達なんですが、日々ずうずうしくなって、うちの玄関で昼寝するようになりました。(ゴハンもやったことないのに…)よっぽどここが気に入ったんだなあ。なぜでしょ?

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posted by 宮崎佐和子 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日本うるし掻き技術保存会

2009年07月28日

■今年のアマガエルたちです。

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今年の梅雨は、ちょっと長引いてじめじめした日が続きますね。
人間にとっては快適とはいいがたいこの季節ですが、アマガエルたちはとっても元気ですexclamation


7_16_KAERU_2.jpg←このスイレンガエルさんは、もう壺からいなくなっちゃいましたが…。
日々撮り溜めていた、今年の春にオタマからカエルになったばかりのフレッシャーズの写真がいっぱいたまってきました。
なので、まとめてアップしようと思います。^^



バッド(下向き矢印)まずはこの子から。お昼寝中のチビガエルです。
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sippojpg.jpg
大きさはこのくらいとミニマムです。

もうお気づきかと思いますが、空中浮遊しているわけじゃないです。窓ガラスに貼り付いているんですねえ〜 本人は気づいていないんですが、四方から丸見えです。ハートたち(複数ハート)

バッド(下向き矢印)さて、こちらは別の子ですが大きさは同じくらい。
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工房の周囲には、こんなおチビちゃんがたくさんピョンピョンしています。周囲の田んぼから上がって来ているんですね。


バッド(下向き矢印)もちろん、ウルシの木にもやってきています。
:
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ちょっと見た目は大人っぽいですが…この子もチビです。

バッド(下向き矢印)さらに一匹。この子はチビではありません。
 数年ものの、貫禄たっぷりのデカガエル。
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いま、漆かき中の木の上で暮らしています。


…こんなカエルさんたちも、もとは大きなシッポをつけたオタマジャクシなんですよね。飼っている方ならご存知でしょうが、オタマジャクシって水槽に入れていると、みるみる大きくなって手足が生えてきます。
otama.jpg
アマガエルのオタマさんです。
こんなオタマちゃんが…


バッド(下向き矢印)あっという間に、こんな姿になっていきます。あせあせ(飛び散る汗)
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水槽の中で大きくなった子なんですが、
さっさと外へ出て行こうとしてます。


それにしても、アマガエルってきれいですよね。
アマガエルの美しさって、何に例えればいいのでしょう?
窓ガラスに、葉っぱの上に、枝の上に、まるくふっくらした緑色のかたまりを見るたびに、そう思います。宝石に例えるのなら、ヒスイやメノウ、クリソプレーズに近いような気がしますが、やっぱり違うのですね…。
この「緑の申し子」のような、生命力あふれる小さな生き物を見つけるたびに、季節が巡り来ることを幸福に思います。

posted by 宮崎佐和子 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の木の住人

2009年07月27日

■臼杵さんの浄法寺の漆かきだより1

今年の「日本うるし掻き技術保存会」の長期研修生は3名。そのうち、一名は京都の木工家の臼杵春芳さんです。

3一昨年の浄法寺産jpg
一昨年の浄法寺の苗と臼杵さん。


臼杵さんは、浄法寺へすでに短期研修生に行った経験があり、その後も中国漆掻き取材に行ったり、地元の京都でウルシの木を見つけて掻いちゃったり…と、とても行動的な人です。
漆掻きとしての実績はまだまだ少ないのにもかかわらず、純な研修生といった雰囲気ではなく、すでに「手練者」の感がただよいます。
この6月から浄法寺入りして、生産組合の会長・佐藤春雄さんのご指導のもとフットワーク軽く仕事をしているみたいです。^^
その臼杵さんから、いま漆掻きをしているご自分の研修林の様子の写真が届きましたので、ご紹介しますね。ムード


* * * * * * * *

臼杵さんは、6月10日ごろから辺を入れ始め(漆掻き開始)、ただいま9辺目だそうです。
今年の長期研修生の猪狩さん、久慈さんと三人で同じ研修林で仕事をされています。

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この写真は「文化財漆協会」の吉田の木です、こぶだらけでカマズリがたいへんです。<臼杵さん>


わ、臼杵さんがこの植栽地の木を掻いているんですねexclamation
(この黄色はペイントだそうです)
漆掻き研修生は、うるし掻き技術保存会から研修用の漆の植栽林が割り当てられて、与えられた木で漆掻きの勉強をします。なので、どんな畑が振り分けになるか、分からないんですよね。
写真を見る限り、この木はちょっと元気がなく、皮が厚くて仕事がしにくそうです。
では、臼杵さんたちがここで採った漆が協会で頒布することになるのかな? だとすれば、責任重大?ですね。がんばってうんといい漆を採ってもらわなくては…。


次の写真は浄法寺の福田というところにある木です、北斜面であまり日がさしません。でもこの木だけは朝日がいっぱいさして、うるしがあふれるほど出ます。<臼杵さん>
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臼杵さんお気に入りの木なんですね。^^
やっぱりたくさん樹液を出してくれる木の前では、こちらも元気になってしまいます。


今年は浄法寺ではうるし掻きさんがふえて27人になっています。研修生をいれると30人です。それで木が足らなくなっています、だから昨年みたいな良い木は研修生には、あたらなくなっています。<臼杵さん>
日光東照宮の修復に、すべて浄法寺の漆が使われる事になり、浄法寺町は昨年ごろからにわかににぎわっています。
なので、一度やめていた方が復職したり、新しく始める方が入ったりとで、漆掻き職人さんが増えているのです。(とは言っても、昔に比べるべくもないですが…)
それでも、一時のにぎわいを感じるのはうれしいことですexclamation
研修生の皆さん、たくさんの木たちを相手にするので、手首を痛めないようにがんばってくださいね。

posted by 宮崎佐和子 at 20:31| Comment(7) | TrackBack(0) |   臼杵さん研修報告(2009年)

2009年07月26日

■金箔の「箔あかし」をしました。

こんにちは、弟子の芝吹です。
ここ数日雨くもりの日が続いています。工房の近くの小道に轢かれた蛙が続出おり、不思議に思っていたら、雨の日に私が帰っている時にその小道を小躍り風にジャンプしながら、蛙が横切っていきました。、、、蛙も雨で浮かれて横切っている間に車に轢かれてしまっている?がく〜(落胆した顔)、、、不憫ですもうやだ〜(悲しい顔)


さて、工房の作業は、宮崎さんに”箔あかし”を教わりました。箔貼りは、主に宮崎さんがされています。箔あかしとは、箔を器物に貼る前に、貼りやすくするために箔と箔の間の薄紙をくっつける作業です。

バッド(下向き矢印)箔は1枚1枚間に薄紙が挟まっています。

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バッド(下向き矢印)この薄紙に薄く油をつけました。

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この油の付いている面を箔にのせます。
バッド(下向き矢印)宮崎さんのお手本です。

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乗せたあと上から優しく押さえると貼り付きました。この薄紙を乗せる作業がすごく難しいのですあせあせ(飛び散る汗) 見てるときにはさらっとのせられていくので簡単そうに見えたのですが、極薄い箔はすぐしわができたりめくれたりしてしまい、なかなかきれいに乗りませんでした。しかも、箔がくちゃっとなるたびにイラッとしてしまうので、この作業は私には集中しすぎず気長にやる気持ちで取り組むのが向いていると思いました。
作業によって取り組む心持ちを整えると少しは増しになるかなあ、、次回試してみようと思います。

今回もありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
刃物や砥石の扱いがすっかり堂にいった感のある弟子ですが、この「箔あかし」はけっこう疲れたようですね。;;
近々、金箔は木彫の帯留の木地に貼ることになると思います。

6/27金属箔
箔あかしした金箔。

漆工芸で使う金箔は、純度が高くほぼ24金に近いといってよいほど(95%前後)のもの。(装飾用の18金はは75%)
たいへん薄く柔らかで、その薄さは光を通すほどですが、輝きはすばらしいです。
ちょっとした吐息でも浮いてしまう、その極薄の膜を意のままに扱うために「箔あかし」という、金箔を少量の油で和紙にくっつけるという作業が必要です。(その和紙に貼り付いた状態で金箔をうごかしたり切ったりします)
蒔絵の仕事でも分かるように「金と漆」はたいへん相性がよいのですね…。とても美しい表現が期待できますよ。ムード


さて、今日は本当なら漆掻きの6辺目にいくはずだったのですが、あいにくの雨で延期です。ショボーン。
また、浄法寺に漆かき研修生として行っている臼杵さんから、写真も届いています。こちらの方も近いうちにアップしようと思います。^^


posted by 宮崎佐和子 at 23:30| Comment(2) | TrackBack(0) |   弟子の日記

2009年07月25日

■うり坊の…お母さんネコ?

タイトルのとおりで、恐縮なんですが…。
今日、工房のある善通寺市内の駐車場で、うり坊にそっくりのネコを見つけてビックリしましたexclamation
携帯でしか写真が撮れなかったんですが、あまりに似ていてもう驚きです。

この子です。ムード
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4/6漆にかぶれたうり坊。←うちのうり坊です。

写真じゃ分かりにくいですが、骨格や顔つき、しぐさや表情までソックリです。(うり坊と毛並みの手触りまでおんなじ)
間違いなくうり坊と血縁がある子だと思います。



バッド(下向き矢印)このブチちゃんと一緒に車の下で寝てました。
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去年の秋に会った子と同じですね。わ〜お友達なんだ…。
ちょうどネコのおやつを持っていたので、可愛い二匹にごちそうしました。^^

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う〜ん、それにしても絶対うり坊と近縁です。
かなり年のいったメスなので、ほんとうにうり坊のママじゃないかと思います。
うり坊とソックリのしぐさで、顔をうりうりこすりつけてくるので、顔の写真が撮れませんでしたよ…あせあせ(飛び散る汗)
同じ善通寺市内でも、工房の場所は善通寺市の端っこで、この場所は善通寺市の真ん中。数キロも離れているんです。(ノラ猫時代のうり坊)
うり坊はノラネコだったのを拾って飼った子で、生まれてから、どこをどうやって工房の近くまで流れてきたのか分かりませんが、なんだか不思議な気分です。
このうり坊ママ(推定)も、ノラネコみたいですが…。
また会えるかな? ちょっとうれしい出来事でした。ムード


posted by 宮崎佐和子 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2009年07月24日

■糊漆の「のり」を変えました。

最近、糊漆 のりうるし の糊が「米のり」から「麦のり」になりました。
(たんに、使っている上新粉の大袋が尽きたからですが)麦糊も調子いいです。

バッド(下向き矢印)できたてホヤホヤ、プルプルの麦のりです。鍋で炊きます。
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ちなみにこれは、強力粉‥残っていたカメリヤです。(粉の種類はこだわってないんですね〜 ;;)
この時期、糊はすぐいたむので、台所で少量つくってこんなマグカップに入れて仕事部屋に持っていったりしています。

これで「糊漆」を作るのですが、さて「糊漆」とは?
「糊漆」は、漆で和紙を貼ったり乾漆を作る時によく使うもので、漆とのりを混ぜ合わせたものです。
糊と漆、それぞれ異なる接着剤を同時につかうというわけで、漆だけより、粘りがあってしなやかな接着が期待できます。

この「のり」の種類や固さ、漆との比率は、仕事の内容によって変わりますし、また個人の好みもあったりします。
で、私がいま使っている糊漆をご紹介しますね。ムード


バッド(下向き矢印)のりは固めかな? ふつうのプリンくらいです。
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バッド(下向き矢印)漆と混ぜ合わせます。
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配合は、糊と漆が半々というのが目安ですが、私は漆の方を少し多めにしています。(木地に下地として貼る和紙なので、糊も漆も強め)
ちなみに使っているこの漆は、大森清太郎さんの盛り漆です。元気のいい色をしているでしょ? パリッと乾くので下地にお気に入りです。

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これを混ぜ合わせると「糊漆」ですが…。
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糊漆の完成です。
完全に混ざった状態になりました。こうなると、あっという間に漆が乾いてしまいます。すぐ使ってしまうならよいけど、この糊漆は10分以上置いていると固まってきます。放置厳禁です。

バッド(下向き矢印)なので、ラップをかけて、一部をを開いて使います。
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私はこんなふうに、少し作ってはすぐ使い、なくなるとすぐ作り足すというような、糊漆の扱い方をしています。
以前、大きな乾漆や内装の布着せをした時は、どんぶり一杯とか一気に作っていましたが…。
普通のうつわの仕事なら、今の少し作ってすぐ作り足す方法が、むだが少ないしいつも新鮮な糊漆が使えるので気に入ってます。

バッド(下向き矢印)貼ったばかりの和紙。
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木地はお重箱の蓋で、和紙は明治時代の大福帳です。(文字が浮き出ているのは当時の字ですね)
じゅうぶん乾いたあと、よぶんな紙をよく切れる刃物できれいに落とします。

…で、いつも思うのですが、糊漆の賞味期限ってどうなのかな?
かなり古くなっても乾くことがあるみたいですが、あまり時間がたった糊漆は匂ったりするし、もう「糊」の接着は期待できない気がするので、私はやっぱり新しいものの方が安心します。



7_22_uribou_.jpgさて、うり坊です。
ネコって顔をあちこちにグリグリこすりつけますが、これは扇風機にアゴをこすりつけているんですね。こんなふうに、よく扇風機に接近するうり坊ですが、扇風機のスイッチをグッと踏んで、勝手につけたり消したりしてしまいます。あせあせ(飛び散る汗)



posted by 宮崎佐和子 at 20:05| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2009年07月23日

■新商品がアップされました。



OMエコショップすがさんのショップページに、少しだけですが工房のうつわが入荷しました。人気のフリーカップをはじめ、こだわりの一品もののお椀も新しく入っています。
今回の注目は、同じ形で中塗りまでは全く同じだけど、上塗りの漆だけが違う、というお椀です。二種類あります。
一つは「大常椀」というベーシックな形のやや大ぶりなお椀で、黒無地なのですが上塗りの漆が片方が真夏の漆、片方が秋の漆です。
もう一つは「鎬 tea bowl」という高台の小さくすぼまったお椀です。鎬(しのぎ)を入れた個性的なお椀ですが、片方はつや消し、もう片方はつやありの仕上げになっています。
そして、贈答におすすめの「手削り箸 桐箱入り」も新しく入りました。^^

しょっぷちーふさんが、大きくて見やすい写真をたくさん入れて下さっているます。ぜひごらんになって、塗り肌の違いを見比べて楽しんでくださいませ。ムード


posted by 宮崎佐和子 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ お知らせ

■弟子の漆かき研修5/5辺目です。

こんにちは、弟子の芝吹です。
急に日差しが強い日々が続いて、へばっていたら最近曇りが多くなりました。ありがたいです。毎年日差しに弱くなっています、、たらーっ(汗)


さて、漆掻きの報告です。6/16に1辺目(目立て)をした漆の木の5辺目を、7/19にいれました。
今回は初めて最初から最後までひとりで掻いたので、順序を考えながら進めました。

バッド(下向き矢印)まず、一本目の傷を入れました。

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次に2本目の傷を入れて、戻ってきてから2回に分けて掻きました。

バッド(下向き矢印)掻き前と掻き後です。

P1060200.jpg


傷が長くなってくるので、難しさアップです。深さ、形どこを見ても不安定になり、一定につけられません。
傷をつければ漆層から漆が出てきますが、しっかりとした漆を取るためには、きちんとした仕事ができないとなあ、、精進です。

ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
松本の出張中、晴れ間のよい日をみつけて漆掻き5辺目をしたらしいですね。(気づかなかった私‥ ;;)
確かに辺(掻き傷)を伸ばすと、いっそう仕事は難しくなります。また、すこし上向きに刃物を入れないと、いろんな箇所から漆樹液がだらだらとあふれてきて、回収率も悪くなります。でも、仕事している木がたった2本だけなので、慣れるのは時間がかかりそうです。

次回は、そろそろ動画を撮ってお見せしようかな。ムード

7_23_semi_.jpgさて、ウルシの木にでっかいクマゼミ君(この子はオス)がやってきました。セミは、ウルシの木が大好きなんです。ブスッとストローを突き刺して、甘い樹液をたっぷり飲んでゴキゲンです。
(漆の幹は、セミのあけた小さい傷がいっぱいできます。黒いホクロみたいな傷あとです)


posted by 宮崎佐和子 at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) |   弟子の漆かき研修

2009年07月22日

■東京の作品展、終了しました。

7_22_kanabun.jpg


今月15日からはじまった、三越日本橋本店さんでの作品展はおかげさまでぶじ終える事ができました。今回も、本当に多くのお客さまが足を運んでくださいましたよ。本当にありがとうございますexclamation 
中には、東京で催事のたびに顔を見せてくださる方もいらっしゃるのですが、変わらず元気なお姿をみると、こちらもとっても嬉しくなったりします。^^
こうした漆のものはどうしても嗜好品になりますので、ご心配ごとがあったり調子がすぐれないとやはり「ゆっくり見てみよう」という気にはなれないものです。なので変わらずに、楽しみに足を運んでくださる方がいらっしゃるのはとても嬉しいし、そして「もっとよいものを作らなくては」という原動力にもなります。
今回もお世話になりました。
これからも、漆のよさを追求してがんばっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(写真は、けさ庭で撮ったカナブン君です。今年咲いたカールドンの花につられてやってきましたムード

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posted by 宮崎佐和子 at 11:57| Comment(2) | TrackBack(1) | ■ 日記
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