さて、恐怖の
漆菓子/その1の続きになります。

先日、なぞの手紙とともに東京から届いた、一つの包み。それは、風の便りに聞いていた「漆のお菓子でした。

「うるしを使ったお菓子が届くよ」と、東京の漆チームの一人から連絡があった時、「え?」とびっくりしました。
まず、脳裏に浮かんだのは、次のようなもの。


漆樹液そのものとか漆の葉っぱを砕いて生地に練り込んだお菓子なのかなあ? なんて大胆すぎる…
(食べたくないような)でも、そのお菓子をプロデュースした人物は、漆をこよなく愛する変人?ですが美的センスにもたいへんすぐれた人なんですよね…。
まさか、そんな野暮なものは作りますまい。
どんな代物なのか、興味津々で待っていました。
意を決して?その謎のお菓子に対峙です。

そのあやしいお菓子の姿は…。

なんとも可愛らしい、焼き菓子たちでした。


漆フィナンシェのお次は、クッキーです。
「カフェ・ノワ」。

上のクッキーがカフェ・ノワ。
下はふつう菓子のレモンサブレです。

この子は、漆コーヒー&胡桃の、滋味深いクッキーです。
南部小麦の全粒粉が使われており、力強い味わい… う〜ん、元気になりそう。^^ 砂糖はきび砂糖で、より深みを出しているみたい。

お次は、ちょっと気分を変えて「キッフェルン」。

三日月型のかわいいキッフェルン…。
アーモンドが利いておいしいお菓子ですよね。^^
さて、この子はどうなんでしょう?

ちょっとほろりとした口当たりの、やさしい感じ。ほっとするようなお味です。
この子には、漆の材料は入っていませんが「漆」という商品名がついた砂糖(沖縄産黒糖ブレンド)を使っており、おだやかな感じの中にもつよいコクがありますよ。
…ほんと、ふんだんに良い材料を使っているんです。(市販品ではありえないグレードの高さです)
なんてぜいたくなお菓子たちなんでしょう…。

H+urushi. ちょっと変わった名のクッキー。

漆のアイスボックスクッキーです。
ブラウンカラーの「H」の部分が漆コーヒー配合。
アイスボックスクッキーらしい、生地がしっかり詰まってカリカリとしたクッキーらしいクッキーですよ。
子供のころ、こんなクッキーをおなかいっぱい食べたいと思ったものです。


今回のオリジナル漆スイーツ、作って下さったのは、
Mim*Rさん。ポイントになる材料(漆コーヒー、上赤糖・漆、南部小麦など)は、東京のプロデューサーから送られてきたんだそうですよ…。
Mim*Rさんは、和歌山県でご活躍なので、和歌山県の素材(みかんハチミツなど)を使い、こだわりを出されたそうです。味にうるさい(しかも甘党)の松本も大満足の腕前でした。
今回は漆プロデュース菓子以外にも、Mim*Rさんおすすめの焼き菓子も入っており、中でも絶賛だったのが写真の
「Fille d'automne (秋娘)」。南瓜、さつま芋を使った、豊かでどこか懐かしいお菓子です。おいしい煎茶が飲みたくなりました。

…それにしても、「漆」というテーマで、こんなに濃厚な内容のものが作ることができるのですね。
漆菓子をプロディースしたという話を聞いて、粗野なものをまずイメージした、自分の発想の薄さをちょっと反省。

なお、これらの希有なお菓子は、趣味人が暇と予算を惜しまず、友人の誕生日のために余興でつくったもの、市販品ではありません。
でも、いろんな楽しみ方があるんだな〜と、つくづく感心した一品でした。
posted by 宮崎佐和子 at 23:55|
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