2009年11月22日(日)、五色台の農地(香川県高松市中山町)にて、
和うるし工房あい主催で漆の公開植栽が行われました。
今回、植えた漆の苗は徳島産の阿波漆。
徳島の漆かき職人、東官平さんが代々伝わる優良木を分根した苗から増やしたものです。

東官平さん(73)
今日は講師としていらっしゃいました。
集まった参加者の皆さんを、現地の畑へ誘導。
午後2時より、東さんの指導により、苗の植栽が始まります。

クリックで写真が拡大します。

奥の黒い実がいっぱいぶらさがっている木が、以前植えた漆の木たちです。(すごく大きくなっています)
参加者の方々は、地元のボランティアの皆さん、香川県漆芸研究所の生徒さんなどです。スタッフや取材の方も含めると30人近くの大人数となりました。
あいにく、この日はお昼から小雨が…。

今日の主役の、阿波漆の苗たちです。


簡単な紹介の後、東さんによる漆の苗の植え方の説明です。

↓詳しくは動画をごらんください。(約1分程度です)
で、参加者の方に一本ずつ苗を手渡しして、印のクイを打ったところに、手順通りに苗を植えていきます。

うわ… けっこう大きな苗もありますね。
「こんな大きい苗植えるの、なんか責任感じるわ〜」
↓助手・芝吹も会の進行に大忙しです。ボランティアのおじさんのお手伝いもいただいて、苗を参加者の皆さんにお渡しする様子です。
この動画をごらんになると分かるのですが… この畑は、場所によってかなりな斜面になっています。
足をすべらさないように、お願いします。

皆さん、夢中になって植えてくださいました。






みんなで取りかかったので、はやく植えてしまうことができました。

講師の東さんを囲んで、お話がはずみます。

それにしても、植えるのが珍しい「漆の木」ということもあって、参加者の方からの東さんへの質問が絶えません。

「何年くらいで漆が採れるようになるの?」「プランターでも育てられるかしら?」「ふだんの世話はどうするの?」などなど…。
あまった苗や根っこは、希望される方におすそわけしたりしましたよ。^^ もらった方は「私が育てて大きくする」と、大事そうに抱えて帰られました。
(ちっちゃくてもウルシ、苗の切り口の汁でかぶれることがありますので、気をつけて下さいね〜)それにしましても…。
小雨の降る肌寒い山の中、お忙しい中から駆けつけてくださいまして、ありがとうございます。(_ _)
中には県外からわざわざ来られた方も数名いらっしゃいました。…本当にありがたい思いでいっぱいです。
取材の方も、足場の悪い中、たくさん写真を撮られたり参加者の方からコメントをもらったりと奮闘されていました。
↓今回、皆さんで漆の苗を植えた畑の基礎情報です。
和うるし工房あい漆畑
■場 所/五色台(香川県高松市中山町)
■土地所有者/松本宮子(松本和明の祖母)
■植栽期間/2002年〜2017年(予定)
■広 さ/約3反
■植栽苗木/ウルシの木(分根法による阿波漆)
■植栽方法/畑を15分割して、15年間毎年植栽
■漆採取開始年度/2018年(予定)
※2009年11月に秋植え、約20本程度参加者の方の中には、一番最初に苗を植えた
2002年の公開植栽にもいらした方もおいでて「あの時の苗がこんなに大きくなって…

」と感慨深そうでした。
こうした公開イベントは、工房の仕事が忙しくなってなかなかできなくなっていたのですが、長い間気にかけてくださっていた方もいるんだなあと思うと、しばらく地元の方に経過をお知らせできなかったことを申し分けなく思いました。
これからもお世話になりますので、よろしくお願いいたします


さて、こちら…。
初期(2002〜2004)に植えた漆の苗の一つです。うんとたくましくなっていますよ。樹皮もいい感じで、どことなくみずみずしくたっぷりと漆が出そうな面構えをしています。
(にやり…)実際に漆を掻くのは、まだ数年先のことですが… 楽しみですね。その時はぜひ、今回の参加者の方に見ていただこうと思います。
posted by 宮崎佐和子 at 21:57|
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漆の植栽