2009年11月13日

■「壱木呂の会」のクロメ会・植栽会のレポ/2

こんにちは、弟子の芝吹です。
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先日11月2日〜3日に茨城県の奥久慈で開かれた「壱木呂の会」の行事に、勉強のために参加してきました。※レポ1はこちら
今回は、2日に行われた手クロメ会の様子をご報告したいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。晴れ

◆11月2日(月曜日)

いよいよ本番の壱木呂の会のクロメ(精製)会の日。

この壱木呂の会では、漆・クロメ道具などは個々で持って来て精製します。
私が工房から持参した漆は、茨城県の漆です。
飛田さんが2008年に盛りの終〜末の頭にかけて、掻いてくださった漆1キロです。※この漆です。


バッド(下向き矢印)この生漆を黒呂漆にします。
 なので、鉄粉を入れました。

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鉄粉の量がとても大事で、0.7〜0.8%です。この量が多いと粘度が高くなり、ねちょっとした漆になってしまうそうです。
鉄粉は毛針屋さんの針の先を削ったものなんだそうで、これにも鉄の種など色々な要素があるようです。


バッド(下向き矢印)鉄分に反応して、だんだん色が変化してきました。

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いつもの青い作業つなぎを着ているのが、私です。あせあせ(飛び散る汗)


カイ(漆を混ぜている棒の事)で鉄粉とともに漆を混ぜていきます。(ナヤシという作業です)グレーになってきました。この黒の漆は、鉄粉と漆の化学反応によって黒くしていきます。
カイは、持って行ったものより、荻房さんにある形のほうが良いとの事で、貸して頂きました。ありがたいです。
お隣の若林さんは赤呂(生漆に何も入れずに精製)なので、色が茶色く変化しています。




バッド(下向き矢印)だいぶ黒くなってきました。慣れない私を、会津で漆掻きをされている谷口吏さんがご指導をしてくださいました。ありがとうございます。もうやだ〜(悲しい顔)

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バッド(下向き矢印)この後はストーブの熱によるクロメです。
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桶を斜めにして、カイで漆を下から上に持っていきます。上から流れてくる間は何もせず待ちます。この流れてくる間に、ストーブの熱により徐々に水分を飛ばしてゆきます。この作業をクロメといいます。


バッド(下向き矢印)水分が飛んできましたexclamation グレー調の色が変わり、透明感のある黒色に変化してきました。

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黒呂漆っぽくなってきて、うれしいですexclamation 


バッド(下向き矢印)最後に調子を見て、完成ですぴかぴか(新しい)

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漆の質感が変わって、タライの底に私の姿が鏡のように写り込んでますぴかぴか(新しい)
最後は付け(サンプル)をとり、漆を光に透かして色味などをみて水分具合を感じて、良い所でやめます。微妙な所が私にはわからないため、一番最後は見てくださいました。

この手クロメ会では、私はもたもたとして、皆様にご迷惑おかけしてしまい、申し訳ないです。皆様、お助けくださり、本当に感謝しております。ありがとうございました。



おまけ夜
この日の夜は、懇親会が催されました。
壱木呂の会の方々や茨城県の地元の漆関係の方々と、私もご一緒させていただきました。めちゃめちゃ緊張しまくりでしたが、いろんなお話が拝聴でき、勉強になりました。
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次は3日の漆苗植栽の様子です。
いつもありがとうございます。


* * * * * * * *

宮崎です。
何度も「緊張しました もうやだ〜(悲しい顔)」と言っていた弟子ですが…。本当にはんぱなくバッキバキになっていたらしいですよ。;; (荻房の本間健司さんや奥久慈漆生産組合の小野瀬さんから、その様子をのちほどお聞きしました。汗)

11_2_supu-n_.jpgこうしてできあがったのが、この黒呂漆です。ぴかぴか(新しい) ここまで来るのに、ほんと、多くの方に助けていただきました…。よい作品に生まれ変わらせてあげたいと強く思いました。
翌日は、苗の秋植えですね。そのレポもいよいよ楽しみになってきましたよ。



posted by 宮崎佐和子 at 23:21| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 壱木呂の会
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