10/13に18辺目を掻き終えて、裏目まで待っていたのですが、ようやく12/25に裏目を掻きました。



15センチ間隔程で幹に1周傷を入れました。


裏目は深くしっかりと傷を入れていきました。


水っぽさはなく、すごくねばい漆が出てきました。



葉を虫に食われてしまい、9/13に13辺目を掻き終えて休ませておいたもう一方の木も裏目をかきました。両方合わせての量です。今までで1番の量かも

このあとはついに切り倒しです

ありがとうございました。
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宮崎です。
「裏目うるし」とは…
この漆の木の幹から採取する、最後の漆が「裏目」と呼ばれ、辺漆(初辺・盛辺・末辺)とは区別されています。
読んで字のごとく、今まで傷を入れていない幹の裏側に幹を一周する傷をつけて採る漆のこと。辺漆を採り終わったあとに採取する漆です。メインの辺漆さえ需要の落ちたこのご時世、この「裏目漆」まで掻く漆かきさんはほとんどいなくなりました。
漆かきの時期は、初夏〜秋(地方や流儀によって微妙に時期は異なる)ですが、おおまかに分けて、初夏の漆を「初漆(はつうるし)」真夏の漆を「盛漆(さかりうるし)」秋の漆を「遅漆(おそうるし)」と言います。(呼び名は地域でやや異なります)
漆の木の最後の命の燃え残りのような漆でしょうか…。
そう思うといとおしさを感じます。
漆としてのランクは下位とされていますが、下地にたいへん重宝された使いやすい漆です。工房でも好んで使っているのですよ。
採取の仕事を面倒がられて漆生産の原風景からさえ、消え去っていこうとするのはなんとも惜しいものです。
次は、いよいよ伐採ですね…。
人と漆の木のかかわり、「殺し掻き」の漆の木の最後。どうぞおつき合い下さいますと幸いです。