2010年02月27日

■材木置き場の面々。

大雨のあと、2月とは思えない陽気が訪れて、庭はもう春のようです。
いま、横浜の高島屋さんで展示会中ですが、この日記をごらんになってご来場くださる方もいらっしゃるそうで…。
本当にありがとうございますexclamation

6_15_neko_2_.jpg陽気につられてか、最近姿を消していたミルミルのお友達のオレンジ君(写真)も、家の周囲に戻って来ましたよ。^^
(オレンジ君はフガフガ鳴きながら塀を歩いています…)

さて、工房の外には木工場兼材木置き場がありまして…
そこは工房の猫・ミルミル様のナワバリになっています。
そうなのです。そこはお宝が満載の場なのですよ〜。


バッド(下向き矢印)ナワバリを確認するミルミル様。
材木
今日も異常はないようじゃの。猫


このミルが鎮座している材には、ウルシ、ヒノキ、トチなどいろいろな種類のものがあります。
そうそう、ちょっと風変わりな?材もありますよ。


バッド(下向き矢印)先日、高松の木工所さんで薄挽きしていただいた材なんです。
材木
木肌は白く、緻密で詰まっておりずっしり重量があります。そして木目が目立ちません。
なんの木だと思われますか…?

材木

実はミカンの木なのでした。
(愛媛のお隣、香川県もミカン産地なのです)


そしてこんなものも…。
材木

トチ材の一部なのですが、美しいトラ杢。きれいに研磨して漆で仕上げると、とてもすてきなものが出来上がると思います。
まあ、原石みたいな状態ですね。^^


その一方、工房の守護神ミルミル様は…。

ミルミルミルミル

日だまりの中、大アクビしながら転げ回っておりました。
(腕の内側のハゲがいつの間にか増えているし…あせあせ(飛び散る汗)

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posted by 宮崎佐和子 at 23:47| Comment(4) | TrackBack(0) |   素材

2010年02月26日

■桐箱が届きました。

うつわを収納し管理する容れ物として、桐箱は欠かせません。
普段使い用のお椀には、工房では桐箱に入っていませんが、格式の高いうつわや、また贈答のお品の時など、桐箱は大事なものなんですよ。^^


バッド(下向き矢印)新しく届いた桐箱たちです。
桐箱

中に入れるうつわによって、さまざまなサイズのものが入っています。今回は、小さなものを入れる箱が主流かな…。


桐箱
一番小さな桐箱です。
装身具を入れます。ムード


いつか、お嫁入りするその日を楽しみにしていてね…。


うり坊さて…。お留守番中、悪い事ばかりしているうり坊です。お外へ脱走はする、高いところに登って置いているものは落とす、猫立ち入り禁止部屋に入って暴れまくる… 悪い子ですあせあせ(飛び散る汗)
思い切り叱ったら、顔を隠して寝ていました… (反省ポーズ?まさかね…)

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posted by 宮崎佐和子 at 23:22| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2010年02月25日

■『漆の実のみのる国』著/藤沢周平

漆の実のみのる国

『熟すれば漆の実は枝先で成長し、いよいよ稔れば木木の実が触れ合って枝頭でからからと音を立てるだろう、そして秋の山野はその音で満たされるだろう』

これは、貧窮する江戸時代中期の米沢藩、その若き藩主(上杉鷹山)と執政たちの人間ドラマ。


人に例えるなら「瀕死の重病人」にひとしいこの貧しい藩に、豊かさを、少しでも人びとにまともな暮らしを、飢えない日々を、と苦心する青年藩主は、起死回生の策を打ち出します。
「漆木百万本、桑木百万本、楮百万本を植栽する」

十五万石の貧しい藩を、実高三十万石に……。
文字通り、命を削るごとくの財政立て直しに、一縷の望みをかける人びとにとって『漆の実のみのる国』とは、わが愛する郷土が息を吹き返し、しあわせな生活がおとずれる象徴でもあったのです。
(作中では、樹液よりも実から採れる「木鑞」を主に当てにして計画が始まります)

その起死回生の計画の末路は…。


漆の実(左写真は漆の熟した実)
本作は、著者の藤沢周平さんが病床で綴った最後の作品で「遺書」とも言える作品だそうです。

いま、私たちは「漆を育てて漆の樹液でものづくりをする」ことで生活をするという、たいへんありがたい仕事をさせていただいていますが…。ふと油断すると、自分たちだけで漆を守り、自分たちだけが漆を理解しているという、不遜な錯覚に陥りそうになってしまいます。
先人たちが苦しみ、励み、苦境に負けず地道な営みを続けていた、その「残滓」が私たちの手元に残されている…。
そう考えると、うまく表現できないのですが、私は先人の累々たる死体を踏みしめて生きているのだなという、なんとも不思議な、そしてうまく表現できないような畏れの気持ちが、鈍化した体の内側から、わき上がってくるようです。

多くの方に手にとっていただきたい一冊です。

posted by 宮崎佐和子 at 15:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ BOOK

2010年02月24日

■横浜の作品展、開催中です。

本日から、高島屋横浜店さんでの作品展に松本が、在店しております。^^
さっそくご来場して下さった方々、本当にありがとうございますexclamation
会場では、カトラリー類の木地を実演で彫っております…。
漆について、なんでもお答えしますので、ぜひお立ち寄りくださいね。どうぞ、よろしくお願いいたします。ムード


さて…。
お留守番の私の方は、先日、なんとか確定申告用の書類を税理士さんにお渡しする事ができました。ああ…よかった。
あとはプロの方におまかせするのみです。あせあせ(飛び散る汗)


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posted by 宮崎佐和子 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) |   作品展の様子

2010年02月23日

■明日から、横浜展に松本が滞在します。

9_17_dokudami_2_.jpg
和うるしの器展
会期/2月17日(水)〜3月2日(火)
※23日までは展示のみ、
24日(水)以降は会場が拡大して松本が滞在します。

会場/高島屋横浜店
7階 特選漆器売場


****************************************

現在、高島屋横浜店さんで開催中の作品展。
明日の24日からは、展示会場に松本が立っておりますので(展示品数を増強exclamation)いつでもお気軽にお越し下さいませ。^^

手に取って、本物のうるしのあたたかさを、感じ取ってくださいますと幸いです。
また、日本一の漆おたくを自負する?松本の漆談話も、ぜひお楽しみくださいね。

posted by 宮崎佐和子 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ お知らせ

2010年02月22日

■香川県漆芸研究所へ行ってきました

こんにちは、弟子の芝吹です。

先日、香川県漆芸研究所へ行ってきました。晴れ

P1050301.jpg

ここは、香川県の漆芸の伝統技法である蒟醤、彫漆、存清を学ぶところです。
今年から新しい場所(香川県文化会館の上の階が、漆芸研究所になりました)へ移転して、きれいな内装になっていました。
私は昨年度の卒業生で、師匠の松本さん宮崎さんもここの卒業生です。
※香川県漆芸研究所 公式HP

さて、ここで香川県漆芸研究所の説明を少し…。ぴかぴか(新しい)

香川県漆芸研究所は、研修科と研究科があります。研究科は、週1で授業があり、研修科卒業生も再び受験をして入ります。私は研修科だけを卒業しているので、そちらのことをご紹介しますね。
研修科は、基礎科のようなもので、週5日朝から夕方までみっちり授業があり、3年間通います。3年間で、道具作りから始まり、下地の作業〜塗り〜3技法(蒟醤、彫漆、存清)を学びます。木地は、乾漆とらん胎(竹ひごを編んで作る器胎)が学べます。1〜2年生できゅう漆(下地〜塗り〜艶上げ法)と3技法を一通りしてから、3年生では、3技法の中から専攻する技法を一つ選びそれに専念します。
香川の3技法を学ぶところなので、一番メジャーな(?)漆芸技法である蒔絵は学べませんが、香川の3技法を学びたいと思っている方にはうってつけだと思います。


さて、今回は一階の事務所にご挨拶をして、昨年の11月に行った工房の五色台の公開漆植栽に参加してくれた、後輩たちに工房の記事が載ったWEDE ウェッジ2月号を持って、各教室へ行きました。
現在の施設は、蒟醤、彫漆、存清と各技法が階ごとに分かれて教室があります。
私の時は、学ぶ技法の部屋へ各自が移動していく方法でした。多分いまもそうだと思います。各部屋の先生の趣味(?)によってその各技法の部屋の雰囲気がかなり違ってて、おもしろいんです。


ここは彫漆の部屋です。
バッド(下向き矢印)在学中お世話になった先生にも読んで頂けました。
「お久しぶりです。」

DSCN2646.jpg

私は彫漆を専攻したので、彫漆の部屋に長くいました。
つい最近まで私もここの生徒でした。
先生が「ちょっとその器物、貸してみい〜」と制作中の器物を持ち、目の前でお手本を示していただけたのが、懐かしいです。ありがたいですねえ。
わからない時にすぐ質問出来る環境で、それってほんとに凄い贅沢なことだなと思います。


バッド(下向き矢印)一階にはホールがあります。

DSCN2648.jpg

定期的に展示内容が変わり、玉楮象谷からはじまる讃岐漆芸の作品が展示されているようです。今回は、彫漆展でした。
ここは一般の方が自由に入って観られるところで、全国的には珍しい香川の蒟醤、彫漆、存清が観られますexclamation 卒業生の制作した作品の展示販売をしているコーナーもあります。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。

私の時と場所が違うのであまり懐かしい感じはないけれど、きれいになると嬉しいですね。3月には修了展があるので、(会場は多分上の写真の場所なのかな?)また観に行こうと思います。


ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
昭和29年に創設された香川県漆芸研究所…。(石川県立輪島漆芸技術研修所より歴史が古いのですよ)
思えば十数年前、私が「漆で生きてこう」と決心し、足を運んだ場所でした。その後の道のりは、かなりハードでしたが…。
今回は、弟子に「お世話になった研究所をもっと世にPRするため、詳しいレポを作成せよ」と特殊指令を出していたのですが… フッ、まだまだ…。ここの研究所の本当の素晴らしさを十分伝えていないですね。
移転して、初めての修了展も来月あるので、またレポしてもらおうかな〜と思います。
どうぞ、お楽しみに。^^


posted by 宮崎佐和子 at 22:43| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 香川県漆芸研究所について

2010年02月21日

■制作中のスプーンやフォークの木地です。

先日、納品しましたオーダーのサービススプーン

サービススプーン←これです。
ご依頼主さまから、たいへん心のこもったお葉書をいただいて、とてもうれしくなりました。
…気に入ってくださって、本当によかったexclamation
本当にありがたいことだと思います。


バッド(下向き矢印)このサービススプーンは、1本しか作らなかったので、少しまとめて数を作ってみようかと松本が準備中です。
木のさじ作成中

本当に、お客さまから教えていただくことばかりです。


そして、いま松本が別のカトラリーのご注文もいただいており、そのサンプルを1本作っていました。


バッド(下向き矢印)フォークです。材はミズメザクラ。
フォークの木地

ほんと、カトラリーの注文が多いです。あせあせ(飛び散る汗)
ほかにもカトラリーに限らず、オーダーいただいてお待ち下さっているお客さまが、たくさんいらっしゃいます。お待たせしてたいへん恐縮ですが… 順次仕事を進めていますので、どうぞよろしくお願いいたします。(_ _)


鯉のキンモさて、今日は工房の水槽の中の住人を紹介します。ヒドジョウ(緋泥鰌)と鯉のヘビーです。このベビーちゃん、金色の体色で変な顔?をしているので『キンモちゃん』という名前がついています。
この『キンモちゃん』、オレンジ色のドジョウさんが大好きでいつもドジョウさんにくっついているので、かなり迷惑そうな顔をしているドジョウです…。

posted by 宮崎佐和子 at 22:36| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆のスプーン制作

2010年02月20日

■確定申告…。

2月も後半になり、2月15日から確定申告のCMが流れるようになりました。
いま、私は確定申告の入力中です。あせあせ(飛び散る汗)
…みなさんはもうお済みになったでしょうか。(律儀で勤勉な皆さんはもうスッキリされているかと思いますが)

いつも、お世話になっている税理士さんから

『もうそろそろですか〜?』

…というお電話をいただいて、そのたびに

『い、いままさにやっていますう〜 ふらふらと、答える私…。税理士さん、こんなに遅くてごめんなさい!

私がしているのは簡単な出納と領収著の整理くらいなんですが… 昨年度までは、1年の間でちょこちょこつけていたりしていたんですか、今年度はまったく手を付けておらず… いまちょっと苦しんでおります。

ほんと、もうちょっとなんだけどな…。


話は変わりますが、工房にはパソコンが数台ありますが、全てMacintosh なんです。(出納もMacのソフトでずっとつけています)
しかしここ数年で、Macの周辺機器の環境がさらに厳しくなって、驚くことでいっぱいです。
そろそろ工房のパソコン環境も変えていかないといけないみたいです。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ 日記

2010年02月19日

■工房の庭のウルシの木の様子。

今朝の香川県は、ほとんど雪といっていいようなみぞれの降る、寒〜い朝でしたが、皆さまのお住まいのところはいかがでしょうか?

こんな寒い冬の食卓には、漆のお椀がぴったりきます。
ご飯茶碗は、漆のお椀だとアツアツのご飯がうつわに熱を取られにくくとてもおすすめなんですよ。^^

…さて。
こんな寒い朝を迎えましたが、日中は陽光たっぷりで気持ちのよい一日でした。晴れ そこで庭のウルシの木たちをチェックです。


バッド(下向き矢印)漆の芽、ちょっとは大きくなっているかなあ…。
漆の芽

…と思って、期待のまなざしでチェックしたのですが残念。
昨年末とあんまり変わりませんでした。ちぇ〜。


バッド(下向き矢印)こちらは移植されたウルシの木たちです。
移植したウルシの木
先月の電線工事のため、小さな庭の中を移動することとなりました。笑福亭鶴瓶さんにちょっと似た?園芸師さんがいらして、可愛らしく植え替えしてくださったんですよ。

空の色も陽光も土の色も、春のそれに近づいているのですが、もうちょっと待たないといけないみたいですね。


冬眠中のヤモリさんさて、木工場で見つけた冬眠中のヤモリのちびさんです。眠くてぼんやりしています。あせあせ(飛び散る汗) ちゃんと春になってこの子がしっかり目覚める前に、うちのミルミルに見つからないようにしなければ…ふらふら


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posted by 宮崎佐和子 at 23:26| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ ウルシの木の記録

2010年02月18日

■オーダーの絵付けをしました。

昨日から、高島屋横浜店さんで作品展が始まっています。2週間もの会期なので、前半は展示だけ、そして後半24日から内容をパワーアップして、松本が会場に立つ予定です。

…さっそく初日から見に入らしてくださったお客さまもいらっしゃったようで… 本当にありがとうございますexclamation (不在にして申しわけありません;;)

さてさて…。
今日も先日納品しました、オーダーのお客さまの商品を少しご紹介させていただきたいなと思います。^^


バッド(下向き矢印)桐長角皿とぐいのみ。2セットです。
ぐいのみと角皿

ぐいのみはオリーブとサンキライを銀彩で描いたもの。
以前、このぐいのみをご購入くださったお客さまから、このぐいのみに呼応する絵を、無地で出していた桐長角皿に描いてほしいとのご注文をいただいていたものなんです。やっとできあがりました…。

描く時期によって、絵柄のタッチが微妙に変わってしまう私…。
お客さまお手持ちのぐいのみをお借りして、合せながらの絵付けの仕事ととなりました。

ぐいのみと角皿

桐長角皿の右下にオリーブとサンキライを描きましたが、お皿を上下逆にお使いいただいても、なるべく違和感のないようにしています。
オーダー主様は、ご夫婦で仲良くお酒をいただくんだそうですよ。
いろんな楽しみに使ってくださると、とてもうれしく思います。ムード



うり坊さて… こちらは、先日私のコンタクトレンズを飲み込んだ犯人・うり坊の顔です。本人はすっかり忘れてしれっとしています。そして今日、注文していたコンタクトレンズがぶじ届き、私はいつもの視力を取り戻すことができました。少々お財布は痛かったけど;; これからは気をつけなくちゃ!


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posted by 宮崎佐和子 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(3) |   オーダー品制作
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