こんにちは、弟子の芝吹です。
先日、香川県漆芸研究所へ行ってきました。


ここは、香川県の漆芸の伝統技法である蒟醤、彫漆、存清を学ぶところです。
今年から新しい場所(香川県文化会館の上の階が、漆芸研究所になりました)へ移転して、きれいな内装になっていました。
私は昨年度の卒業生で、師匠の松本さん宮崎さんもここの卒業生です。
※香川県漆芸研究所 公式HPさて、ここで香川県漆芸研究所の説明を少し…。

香川県漆芸研究所は、研修科と研究科があります。研究科は、週1で授業があり、研修科卒業生も再び受験をして入ります。私は研修科だけを卒業しているので、そちらのことをご紹介しますね。
研修科は、基礎科のようなもので、週5日朝から夕方までみっちり授業があり、3年間通います。3年間で、道具作りから始まり、下地の作業〜塗り〜3技法(蒟醤、彫漆、存清)を学びます。木地は、乾漆とらん胎(竹ひごを編んで作る器胎)が学べます。1〜2年生できゅう漆(下地〜塗り〜艶上げ法)と3技法を一通りしてから、3年生では、3技法の中から専攻する技法を一つ選びそれに専念します。
香川の3技法を学ぶところなので、一番メジャーな(?)漆芸技法である蒔絵は学べませんが、香川の3技法を学びたいと思っている方にはうってつけだと思います。
さて、今回は一階の事務所にご挨拶をして、昨年の11月に行った
工房の五色台の公開漆植栽に参加してくれた、後輩たちに工房の記事が載った
WEDE ウェッジ2月号を持って、各教室へ行きました。
現在の施設は、蒟醤、彫漆、存清と各技法が階ごとに分かれて教室があります。
私の時は、学ぶ技法の部屋へ各自が移動していく方法でした。多分いまもそうだと思います。各部屋の先生の趣味(?)によってその各技法の部屋の雰囲気がかなり違ってて、おもしろいんです。
ここは彫漆の部屋です。

在学中お世話になった先生にも読んで頂けました。
「お久しぶりです。」

私は彫漆を専攻したので、彫漆の部屋に長くいました。
つい最近まで私もここの生徒でした。
先生が「ちょっとその器物、貸してみい〜」と制作中の器物を持ち、目の前でお手本を示していただけたのが、懐かしいです。ありがたいですねえ。
わからない時にすぐ質問出来る環境で、それってほんとに凄い贅沢なことだなと思います。

一階にはホールがあります。

定期的に展示内容が変わり、玉楮象谷からはじまる讃岐漆芸の作品が展示されているようです。今回は、彫漆展でした。
ここは一般の方が自由に入って観られるところで、全国的には珍しい香川の蒟醤、彫漆、存清が観られます

卒業生の制作した作品の展示販売をしているコーナーもあります。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
私の時と場所が違うのであまり懐かしい感じはないけれど、きれいになると嬉しいですね。3月には修了展があるので、(会場は多分上の写真の場所なのかな?)また観に行こうと思います。
ありがとうございました。
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宮崎です。
昭和29年に創設された香川県漆芸研究所…。(石川県立輪島漆芸技術研修所より歴史が古いのですよ)
思えば十数年前、私が「漆で生きてこう」と決心し、足を運んだ場所でした。その後の道のりは、かなりハードでしたが…。
今回は、弟子に「お世話になった研究所をもっと世にPRするため、詳しいレポを作成せよ」と特殊指令を出していたのですが… フッ、まだまだ…。ここの研究所の本当の素晴らしさを十分伝えていないですね。
移転して、初めての修了展も来月あるので、またレポしてもらおうかな〜と思います。
どうぞ、お楽しみに。^^