8月15日は、工房の庭で天日精製をしました。
今日はその続編のレポです。

天日精製・天日くろめとは、専用の「フネ」と「カイ」を使い、自然の太陽熱と人力で漆を精製する、ノスタルジックな作業です。
(現在はもちろん、機械精製が主流です)この日の作業の内容は、
9時前〜10時前/2008年の大森清太郎さん(浄法寺産漆)の盛辺一貫。
10時〜11時/2009年の大森俊三さん(浄法寺産漆)の末辺一貫。
午後〜/2009年の飛田祐造さん(茨城産漆)の盛辺一貫。 で、昨日は、2009年の大森俊三さん(浄法寺産漆)の末辺一貫の精製の様子をレポいたしました。
※レポはこちら。そして今日は、2008年の大森清太郎さん(浄法寺産漆)の盛辺一貫の精製を、すこしお見せいたします。
作業内容はかぶりますが… 少し違う角度でごらんくださいね。

天日精製のために作った作業スペースです。
(ミルミルが参加していますね…;;)日除けにタープを張り、フネをよい角度に調節できるようセッティングし、ヘラ、ツケ用のプラ板、ウエスなどを用意しています。
朝一番から、予告もなく突然行われた、清太郎さんの漆のクロメ…。
…アシスト&カメラマンの私は寝坊していて、スタートする時の写真がなかったりします。
(いえ、起きてはいたんですが…紫外線さんさんのお外に出る装備の準備に手まどって ←言い訳)
私がカメラを持って駆けつけた?時には、もうすでにかなり精製が進んでおりました。


わあ〜〜 キレイ。

この清太郎さんの漆は、やや固めに感じてしまいました。
(実はすごくサラサラなんですが… 慣れている俊三さんの漆がシャバ過ぎるので、なんだかこちらの感覚が現実離れしてきています)
…こんなのとか →
※俊三さんの漆の「漆カーテン」
精製の度合いをチェックする松本。


フネの漆が鏡面になって、周囲の景色をクッキリ映し出します。

もう、だいぶいいようです…。
さて、真夏の太陽の熱を使って、精製しますが、温度の上がり過ぎには十分注意しないといけません。
常に、温度計とにらめっこ

一定以上の高温になってしまうと、漆の中の酵素が作用しなくなってしまうのです。
…大事なうるしをいい状態に仕上げるまで、気が抜けません。

動画もぜひ、ごらんください。(一分程度)
精製が終わって、樽に戻すところまで入っています。^^
さて、この日の午後からは「2009年の飛田祐三さん(茨城産漆)の盛辺一貫」を仕上げました。
…が、私は午後から親戚の集まりに行きましたので(だってお盆なんだもん)残念ながら、飛田さんの漆の画像・動画はありません。
飛田さん、ごめんなさい。

そうそう、たくさん虫がやってきました…。

ブイブイさん。
ハチ、カ、ハエ、ブイブイなどの虫さんたちが、虫さんたちが…。漆のニオイに釣られて、大勢やってきました。ひ〜〜

「あっちいけ〜〜」と追ったりするんですが、哀れ、漆の中にドボンするブイブイさんもついに登場。
「ここにつかまれ!」とヘラを差し出し、レスキューしたものの、漆漬けになってあっという間にお亡くなりになりました。
…うるし樹液って、かなりの引力があるみたいです。


さて、今日のおまけ写真。うちで育てている白いおたまじゃくしさんです。…強烈な紫外線のせいか、なんだか色が濃くなってきています。(以前は目立たなかった模様が…
※8月始めの姿)ちぇ〜。
それでも、成長の気になるかわいいおたまさんです。
posted by 宮崎佐和子 at 20:48|
Comment(2)
|
TrackBack(0)
|
漆の精製