2010年12月21日

■友人のお椀の修理、やっと終わりました。

さて、修理のお椀のその後をお見せしたいと思います。
覚えておいででしょうか??

バッド(下向き矢印)このお椀です。(今年2月に紹介しました)
使っているお椀
前回の記事 → ※友人が使用した工房のお椀です。

工房立ち上げの時、一番最初に制作した(2001年)お椀なんですが、毎日毎食大事に使ってくれていたものです。
とってもきれいに使ってくれていたんですが、いささかくたびれた感じになったのと、実は木地の収縮によって底にほとんど見えない小さな亀裂ができているらしく、お湯を入れると音がするようになったので、修理依頼がやってきました。


バッド(下向き矢印)そして、夏頃にはこんな状態に…。
IMG_5181.jpg

亀裂がたくさんあるようなので、お椀全体を漆に漬け込んで減圧をかけて「これでもか!!」というくらい漆を吸わせ補強し、十分乾かしました。
(できれば、絵付けを損ないたくないというご要望だったので、こんな方法をとってみました)

上の写真は、補強がすんで、表面を研磨した状態です。
そして、ドキドキしながら、亀裂が閉じているかテスト。がく〜(落胆した顔) お椀にあつあつのお湯を張り、亀裂がないかチェックです…。

その結果、大丈夫でした。ホッexclamation

IMG_5180.jpg
でもこの補修と研磨によって、絵付けしたオリーブがややかすれてしまったので、このあと元の絵柄の雰囲気を損なわないように描きたしました。

…そして今月。

バッド(下向き矢印)上塗りが完了しました。ムード
IMG_6379.jpg
修理のお椀3

上塗り漆は、大森俊三さんの2000年盛辺の生漆です。
この年は「当たり年」で、とってもいい漆です。扱いが難しい漆なんですが…あせあせ(飛び散る汗)  熟成された、上質の国産の初辺(初夏の漆)らしい、品のあるマットな塗り肌となりました。


バッド(下向き矢印)この塗り肌をアップでごらんください。ぴかぴか(新しい)
修理のお椀2

品のあるつや消しの漆なんですよ。ムード
(使っていると、手ずれによる自然の研磨でツヤが出てしまうんですが…;;)

何ヶ月も待ってもらいましたが、今年中には渡せそうです。^^


posted by 宮崎佐和子 at 23:33| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事
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