今日もとってもいいお天気でした。

毎日こうだったらいいのになあとつくづく思います。
さて、今日は工房にお客さまが見学に来られましたので、賑やかでしたよ〜〜。地元で漆の仕事をされている若いご一家で、漆の話で盛上がりました。


張り切って、地下貯蔵中の漆の樽を出す松本…。

五貫樽はとっても大きいので(約20kg)ひと仕事なんですが、ときどき取り出してお見せすることがよくあるんですよ。

この漆は、岩手県の浄法寺漆。大森俊三さんの2009年産の末辺漆、五貫樽です。
※この時の漆です。 秋の漆なのですが、まったりしてだいぶいい感じに熟成しているみたいです。
(クリックで写真が拡大します)
さて…話は変わるのですが、
「天使の取り分(天使の分け前)Angel's Share」 という言葉をご存知ですか。
(以前、そんなタイトルのドラマがありましたね…)お酒の製造、つまりワインやブランデーなどのお酒は「樽などでの熟成」という工程を含んでいるんですが、その長期間の熟成が完了すると、当初よりナゼカお酒の量が減っている??…という現象のことです。
(なので、きっと『天使さんが持って行っちゃった』と表現するんですね)
これに近いと思われる現象が、漆の樽にも起こります。

ちなみにこの樽では、この1年で2cmほど水位が下がっていました…。

(もともとの水位は、指で指しているあたり… かなり減っていますよ)
お酒の場合は、熟成とともに水分やアルコール分も揮発しているんじゃないかと思いますが、漆の場合は主に水分が抜けるようです。
仕入れるときは、この「目減り分」も、もちろん価格にシッカリ入っていますので、経年で減っちゃうのに納得いかない人もいるかもしれませんね。

でも、おいしいウィスキーが出来た証しと同じように「いい漆に熟成している〜〜」と、私たちは喜んでいるんですよ。


さて、今日のおまけ写真はむぎ君です。今日はお客さまにチヤホヤされて?いい気になっていたむぎ君…。ちょっと態度がでかくなっていました。

でも、地元の漆仲間と漆の話が思いっきりできるっていいですね。若い世代でがんばらなきゃ〜!と今日はつくづく実感しました。
posted by 宮崎佐和子 at 21:36|
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工房に届いた漆たち