明日は冷え込むところが多いとか…。
工房のある香川県も、気温が10度近く下がるそう。一応病み上がり?なので、厚手の服をあわてて出しています。

皆さんも、急な冷えに注意して下さいね。
さてさて、今日は一つのお椀をご紹介したいと思います。
ショップ和×和に追加しようかなと思って、出してきたお椀の一つなんですが、ちょっと設定が難しいので出すのを躊躇しているお椀です。このままお蔵入りになるのでしょうか。



ケヤキ材の高台が少し高めのお椀。工房初期のころによく作っていた形です。
ケヤキは導管が大きい材で、堂々とした木目には多くの愛好家の方々がいらっしゃいます。ただ、この派手な導管が漆の作業上はくせもので、導管を一個ずつたんねんに下地で埋めていく必要があるのです。
そうして導管をつぶしていかないと、ストローのようにいくらでも漆を吸ってしまいますから、たいへんなコスト高になりますし、また深部に吸い込まれた漆が乾くのにとても時間がかかっちゃうのですね…。
さて、ここで松本の性格から「もしや…」と思われた方。
おそらくそれは「ピンポーン」です。

そう、導管を埋めていないケヤキのお椀なんですね。
松本が趣味が作りました…。
一見、アッサリした塗りに見えますが、無意味に?むちゃくちゃ漆を吸い込んでいます。




このお椀、艶消しの塗り肌なんですが…。
それも、霞がかかったようにぽわ〜〜〜っとした塗り肌をしています。
岩手県の盛漆を生のまま、しかも指で塗ったものらしいです。(当時は、指塗りがちょっとマイブームだったのです)
この時の漆は、ものすごくコンディションが良かったです。
工房初期には、いろんなことをして遊びつつ模索していたなあ。
(そうして、こんな行き場の無いお椀もたくさん誕生しちゃったんですが…)
当時をちょっと思い出して、懐かしかったです。

