2013年07月31日

■デビューを待つ漆のうつわたちです。

冷た〜い麺がおいしいこの時期。しかし、香川県民は冷やし中華よりも冷たいうどんが人気!
最近は「冷やししっぽくうどん」や「冷やしカレーうどん」などの新種?も登場、グリーンスムージー流行にあやかった「スムージーつけ麺」なども誕生しているそうです。あせあせ(飛び散る汗) (どんな味なんでしょう?)
うどんもどんどん進化中なんですね〜。現状の人気に満足せず、いろいろ挑戦していく意気込みは大事ですね。


さてさて…。
工房の仕事の一部をお見せしたいなと思います。上塗りの終ったうつわたちは、どうしていると思いますか?
わりと早くつつんでしまい込むこともありますが、たいていは広い場所に広げて安置しています。


バッド(下向き矢印)こんなふうに… 
完成品置き場1
完成品は、こうして暖かく広い場所に1ヶ月くらいを目安に置いています。
上塗りが乾いて締まると漆のうつわは触れますが、ミクロの世界で考えると厳密には長い時間をかけて、さらにしっかりと硬化してくものなんだそうです。

確かに、上塗りホヤホヤのものと、少し時間が経過したものは輝きが違うのです。
どう違うかは、その個体によってやや異なるのですが(より艶が出たり逆に艶を押さえた感じになったり)、共通しているのは「しっかりした感じ」「塗膜がキュッと締まった感じ」になることでしょうか?

頼もしい、しっかりした雰囲気になると「よし!」と、納品したり作品展に出品したりと世の中に出て行くのですね。
こうした準備期間は、かなり大事だったりします。

完成品置き場2
みんなデビューする日を待ち望んでいます…。ムード


国産漆の弁当箱さて、ショップ和×和ですが、8月1日にめんぱのお弁当箱をアップします〜。
先月にも一つ入れていましたが、有り難いことにあっという間に売切れてしまい… お問合せをいただいていました。今回は無地と銀彩入りの2タイプが出ます。
写真のように、保多織の袋付きです。(風呂敷ではないところがこだわりですハートたち(複数ハート)

ほかにも、漆の湯飲みなどがアップされますので、ぜひごらんくださいね。ぴかぴか(新しい)


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posted by 宮崎佐和子 at 19:01| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2013年07月30日

■お椀の塗り下地の様子です。

今年もやってしまいました…。
アゲハの幼虫さん工房の庭に小さなサンショウの木があるのですが、毎年アゲハチョウさんがたっぷり卵を産みつけるので、あっという間に丸坊主になってしまい、残された幼虫さんは食糧難に陥る、というのがいつもの出来事だったりします。ふらふら
不毛なので、今年こそは見ないふりをしてやり過ごそうと思ったのですが…。
しかし、ついに根負けしてしまい、炎天下で途方に暮れる生き残りちゃん3匹をレスキューしてしまいましたあせあせ(飛び散る汗)
店をハシゴして時期外れのサンショウの苗木を探し、ああ〜いい年して何しているんだろ?と思ってみたり。でも、シワシワの餓死寸前の幼虫さんが柔らかい葉っぱを一生懸命食べて、みるみる生気を取り戻す様子を見て、ホッとしました…。
うう、でもみんなすごい食欲なんです…涙  また苗木を探しに探索せねば〜〜。


さて、今日は昨日の作業の続きをお見せしたいなと思います。
下地の「目どめ」の終ったお椀を研磨したあとの続きですね。
ベンガラ入り漆での塗り下地の様子です。


バッド(下向き矢印)漆刷毛でベンガラ漆を塗り込んでいきます。
塗りの作業 国産漆 1 
なんともいえないいい赤色ですね。鉄由来の古い顔料で、自然な色味と丈夫さ安全性などで根強い人気の顔料でもあります。
顔料が練り込まれている分、重たい漆になっています。
しかし、キレのよい漆刷毛でスパスパとリズミカルに塗り込んでいきます。


バッド(下向き矢印)下地のベンガラ漆を塗り終わったお椀。
2013塗りの作業 国産漆 2
鏡みたいになって、カメラも移り込んでいますね〜。
このように、片面ずつ塗っていきます。これが乾いたら、次は裏面を塗ります。


バッド(下向き矢印)漆室の中で乾かすと…。
塗りの作業 国産漆 3
色味が黒っぽくなり、静かな感じになりました。

前回、目止めをして表面をきれいに研磨してあるので、よい感じに漆が乗っていますね。このベンガラ漆は何度も塗り重ねて、しっかりした塗りの厚みをつくります。

このベンガラ漆の塗り下地が終りましたら、次は中塗りの作業ですね。



うり坊さて、今日のおまけ写真はうり坊です。新しくやってきたデジカメで接写!!
しかしピントぼけぼけで、男前には写りませんでした…。

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2013年07月29日

■お椀の研磨をしました。

7月もいよいよ終わり…。たしか、昨年の今頃も暑かったなあ。あせあせ(飛び散る汗)
初めての出産を控えていた昨年のこの時期、万が一のことも考えていた私は、生まれて初めて自分の遺言書をしたためていました。新しい命を生み出す身であったはずなのに不安でもあり、人生で一番終焉について考えていた時期かもしれません。
そんなことをぼんやり思い出していた最近ですが… 
今日の朝一番、思いがけない人の訃報をいただき、びっくりしました。なんとも言えない気持ちで過ごした今日一日となりました。
この仕事をはじめた10年あまりの短い間にも、職人のおじいちゃんやお世話になった方のお別れがたびたびありましたが、今でも変わらずお元気でいるような気がしてなりません。



さて、気を取り直しまして…。
今日は、塗り仕事の前の研磨の様子をお見せいたしますね。^^


バッド(下向き矢印)「目どめ」の終ったお椀を研磨している松本です。
国産漆のお椀 中塗り前の研磨1
お椀のような「丸もの」の木地は、こうしたろくろを使って耐水ペーパー等で研磨をします。(このろくろは、亡くなった松本の父のものです)
これを使うと、早く確実に研磨が出来ます。「目どめ」の終ったお椀の表面をなめらかにして、次の作業のための準備をします。


そして…。


バッド(下向き矢印)立ち上がりの箇所は、ペーパーでなく砥石を使うのが松本の好み。
国産漆のお椀 中塗り前の研磨2

バッド(下向き矢印)伊予砥石の小さな破片です。
国産漆のお椀 中塗り前の研磨 伊予砥石

シャッキリスッキリと、仕上るんですよね〜。ぴかぴか(新しい)
この研磨が終りましたら、きれいに洗浄して…。


バッド(下向き矢印)次の下地になる、ベンガラ漆の塗り下地に入ります。
国産漆のお椀 中塗り前の研磨
鉄由来の顔料のベンガラを練り込んだ漆で、しっかり塗り重ねをして頑丈にします。
布を貼ったりしないで、とにかく漆できちんと下地をするのがこの工房のやり方なんです。漆をたっぷり使ってコストはかかりますが… やはり、漆下地が一番堅牢で安心ですね。(のちの修理なども楽です)

このお椀ちゃんは、ショップ和×和の看板の飯椀、汁椀たちです。
(現在、一個残らず売り切れ中… グスン)
少しずつの歩みですが、いつかお店に納品できるよう、忙しい合間合間にちゃんと進めていきますね。わーい(嬉しい顔)



ハスの立ち葉さて、今日のおまけ写真は… 工房の庭で育てているハスです。
まだ弱々しいですが、立ち葉がすーっと出ています。ハスの葉の色は、奥ゆかしくなんとも不思議な緑色をしていますね。



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2013年07月27日

■炭粉上げの花紋ブローチです。

夏祭りの時期ですね。
暑くてうんざりするような日々ですが、夏は花火や踊り、夜店などいろんな楽しみがあるからウキウキします。ぴかぴか(新しい)
今は人混みに出られませんが、子供がもう少し大きくなったら一緒に出かけたいなあ〜と思っています。


さて、今日はお久しぶり?の私の仕事です。
少し前から進めているんですが、雰囲気が出てきましたので、少しお見せしようと思います。^^


バッド(下向き矢印)炭粉上げの花紋ブローチたちです…(まだまだ作業中なんですが)
ブローチ 炭粉上げ1
ちょっとレトロな雰囲気のブローチちゃんでしょう?作業進行はそれぞれまちまちです。
この一風変わった風合いの紋様、これは漆と炭粉で盛り上げていているんです。
仕上げは、アンティークな感じで大人っぽくしたいなあ〜と考え中。(この香合みたいな感じでしょうか)

娘が午後に2時間程度のお昼寝をするので、その時に時間がとれたら少しずつ進めるという、スローペースの作業です。あせあせ(飛び散る汗)
それでも、少し仕事ができるのは有り難いことですね。


梅の紋様。
ブローチ 高蒔絵2
この梅もまだまだ途中…。
一度粉固めをして最初の加飾の吸いを止めてから、しべや花のがくを重ねて盛り上げていこうと思っています。もう少し肉感的になりそうですね。
メキシコあわびや夜光貝のブローチのように、キラッと目立つブローチではありませんが、シックな装いに似合うものにしたいなと思っています。ムード




すごいタオルさて、今日のおまけ写真は、以前お祝いでいただいたタオルです。
愛媛県の今治タオルさんの、その名もズバリ「すごいタオル」exclamation 包みを開けたとき、「うわっすごいタオルだなあ」と思ったのですが、それが商品名だとは…。
ふっくら空気をふくんだ、すごく肌触りのいいぜいたくな国産タオルです。この夏はほんとうに重宝しています。ぴかぴか(新しい)

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posted by 宮崎佐和子 at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2013年07月25日

■女性に向くめんぱのお弁当箱、サイズ比較です。

大暑を越えた頃から、夜になっても気温が下がらなくなったような気がします…。
寝る前に一杯お水を飲むと、体にいいそうです。簡単なので私も毎日お茶を飲んで休んでいます。



さて、めんぱのお弁当箱のサイズについて、ちょこちょことお問合せをいただきますので、今日はお返事用に撮っていた写真をご紹介したいと思います。
もしも気になっている方がいらしたら、ご参考になれば嬉しいです。^^


バッド(下向き矢印)左から容量が約260ml、約400ml、約570ml。
めんぱ、曲げワッパの木地2

サイズは260mlが奥行8cm×幅14.5cmくらい、400mlが奥行10cm×幅16cmくらい、570mlが奥行12cm×幅18cmくらい。いずれも蓋をした外寸の大きさとなります。(手作りの木地なので、若干個体差があります)
めんぱは、身より蓋がかなり大きいので、お弁当の入る身自体の大きさは一回り小さいです。

大人の女性が使うとすれば、400ml、570mlあたりでしょうか?
260mlはほんとうに小さいので、お子様用かデザート入れとなりそうです。(私は娘用に一個キープしているものがあります)


バッド(下向き矢印)400ml、570mlの外観の比較をしてみました。
めんぱワッパ弁当箱国産漆比較1
めんぱワッパ弁当箱国産漆比較3
…こうしてみると、それなりにサイズが違いますね。
もう少し、分かりやすくなるように写真を撮ってみましたのでごらんください。


バッド(下向き矢印)市販のおにぎりを一個入れてみての比較です。
めんぱワッパ弁当箱国産漆比較4
570mlのお弁当箱、身の内寸は奥行10.5cm×幅16.5cm深さ4cmくらい。
400mlのお弁当箱、身の内寸は奥行8.5cm×幅15cm深さ4cmくらい。

400mlちゃんの方は、ごらんのとおりおにぎり一個入れるとそんなに残りスペースはありません。(以前は私もこの400mlちゃんの方を使っていました)
しかし最近の私のように?ちょっと多めに食べる方、ゆとりを持って使いたい方は570mlの方がいいかもしれません。


さて…。
こうしていろいろと資料写真を撮っていたのですが…。
よく見るとその中にあやしい写真も入っているのを見つけてしまい、ゾゾッとしました。


バッド(下向き矢印)この写真です…。
めんぱワッパ弁当箱国産漆比較2左下に、なぜか人の顔が…。

こ、怖い!!! がく〜(落胆した顔)


デ、デジカメもこんなことがあるの〜〜〜???
…とビビっていたら、どっかで見たことあるような… 実は娘の顔でした。あせあせ(飛び散る汗) (な〜んだ)

私の後を追って、ズリズリと這ってきて、いつの間にか寝転んでいたらしい… 本当にびっくりしました。
気がつかず、お問合せのお客様にもこの写真を送ってしまい、平謝りでした。

いろんな意味で油断できませんね。たらーっ(汗)
気をつけようと思います。



ウルシの木とクマゼミさて、今日のおまけ写真は、ウルシの木で休憩中のクマゼミちゃんです。
新しいデジカメで撮りました… 今度のは望遠レンズが付いていましたので、かなり大きく写ってビックリ。野趣あふれる姿ですね。ぴかぴか(新しい)


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2013年07月24日

■めんぱ弁当箱の木地調整をしました。

今年の秋〜年末にかけての作品展の予定を、入れてみました。
もうこれ以上は増えないとは思いますが、今年もけっこう詰んでしまいました…あせあせ(飛び散る汗) 国産漆のうつわにご興味のある方、現物をごらんになりたい方、そして松本の濃い漆の話をお聞きになりたい方?は、ぜひチェックしてくださいね。ハートたち(複数ハート)


さて、今日は先日木曽から工房に届いためんぱのお弁当箱の木地をご紹介したいなと思いますので、ごらんください。^^


めんぱ、曲げワッパの木地1←なんともすがすがしい、きれいな白木地。
容量が約570ml、約400ml、約260mlの3種類です。





さて、このめんぱの木地たち。
いきなり漆の仕事に入る、ということはありません。
必ず「木地調整」という仕事をしているんですよ〜。
このままでもよく出来た木地なのですが…。
使いごこちがもっとよくなるよう、そして漆の仕事が美しく仕上るよう、白木地の段階でいろいろを削って調整します。
たいへん地味な仕事なんですが、ささやかな腕の見せ所のひとつでもあります。





バッド(下向き矢印)さて、どんな作業中かおじゃましてみましょう。
めんぱ、曲げワッパ弁当箱1

まず、最初にするのはメンパ木地の接着部分のおそうじ。
木地の側面は、木曽サワラの天板に曲げた木曽ヒノキの薄板をぐるっと巻いて留めた構造になっています。
この際の接着剤が表面に出ている場合があるのです。

その部分をたんねんに探して…。


バッド(下向き矢印)彫刻刀で、ていねいに削り取ります。
国産漆 めんぱ、曲げワッパ弁当箱3
表面に出た接着剤が残っていると、漆がきれいに乗らないのですね〜。
最初にしておくのが肝心なので、ていねいに取り去ります。

そして…。


バッド(下向き矢印)次の仕事は、角の部分です。
めんぱ、曲げワッパ弁当箱2

白木地の状態では、かなり角が立った状態です。
このままですと、手に当たって使用感がよくないんですね。なので角の部分を、豆鉋(まめがんな)を使って、やさしく丸めていくのです。


バッド(下向き矢印)こ〜んな小さな豆鉋ちゃんが大活躍!!
国産漆 めんぱ、曲げワッパ弁当箱4
シュルシュルと、お弁当箱のふちをすべるように動いて、細いヒノキの削りかすを出していきます。
ヒノキの爽やかないい香りがたちこめます。ぴかぴか(新しい)
国産漆 めんぱ、曲げワッパ弁当箱5
(わんさか削りかすが出てきます)


この木地調整で、かなり角は丸めます。
角を丸めてもパッと見の印象はあまり変わりません。しかしです。ささやかな差ですが、その効果は絶大です。この作業でびっくりするくらいフンワリと手に馴染むお弁当箱になるのです。ムード

そして…。


バッド(下向き矢印)彫刻刀で、平らだった天板にはつりを入れました。
国産漆 めんぱ、曲げワッパ弁当箱6

ほのぼのとあたたかみのある作風になります。
また、平らなままだとテーブルとの接触でキズの入りやすい部分なのですが、こうしてはつりが入るとあまり目立ちません。
見た目だけではなく、そうした効果もあるのですね。


H.K様K.H様、K.M様M.K様、T.K様K.T様

うつぜみさて、今日のおまけ写真は…この季節の名物、空蝉ちゃんです。工房の庭の各所にひっそりと脱ぎ置かれた自然のオブジェ。
中身は生き生きと空を飛んで、きっとおいしい漆のジュースを飲んでいることでしょう。


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2013年07月22日

■2007年産の浄法寺漆を精製しました。

毎日毎日鉄板の上でいるみたいですね〜。
朝8時くらいから、もうセミがわんわん鳴いていて、いっそう暑さをそそります。

さて、そんなお天気晴れの今日は、漆の精製にもってこい!
…ということで、太陽熱を利用した「天日精製」を行いましたので、ちょっとお見せいたしますね。ムード


舟と櫂1←この大きめのタライと、自作のカイを使います。



今回、精製する漆は、2007年産の浄法寺漆です。
大森俊三さんの末辺漆。よい漆なのですが…個性的な我が工房の漆たちの中では、いまいちキャラが弱いので、ちょっとテコ入れ?して特長を出そうということになりました。
(なんという理由…タレント事務所みたいですねあせあせ(飛び散る汗)

このままでは、個性派ぞろいの工房の国産漆の中で、埋もれてしまいそうです。
そこで精製で、ちょっと表情にエッジを立てるのが目的です。





バッド(下向き矢印)このおとなしい子ちゃんの漆は、2キロちょっとくらいあります。
国産漆の天日精製1
ちょっと風がありましたので、漆液がなびいています。
(量が少ないから、このタライでいけるだろうと思っていたのですが、これが後ほど困ったことに…)


タライに入ったばかりの漆。
国産漆の天日精製2
空気に触れた箇所は色が濃くなります。


漆樹液は、ウルシオールと水分その他の成分のエマルジョンです。
「漆の精製」は、その漆樹液を加熱撹拌することで、水分を飛ばし成分を均一化させることが一般的な目的です。
通常は、品質のよくない生うるしを精製して保存できる状態にすること、精製漆にして油や他の素材が混入しやすくするために行います。
人工熱で加熱し、専用の機械で撹拌することが大半の精製漆ですが、ここはノスタルジックにお日様の熱と人の手で行います。(だから、うちの工房では夏によく行われるんですね〜)


バッド(下向き矢印)天日精製は、こんなセッティングでやってみました。
国産漆の天日精製4
(ひそかにイベント好きのミルミルが控えています)

一般的ではありませんが好みのポイントとして、
(1)上にタープを張って、漆液の表面に当たる太陽光の量を調整
(2)扇風機で漆液の表面に送風
(3)パン発酵用のパンメーターを設置、温度を測る
…などがあるでしょうか。


バッド(下向き矢印)ということで、漆液を手製のカイでゆっくりと持ち上げて落としていきます。
国産漆の天日精製3(ひたすらこのくり返しです)
国産漆の天日精製5
…カラメルみたいな色ですね。いい漆はなんだか美味しそうな雰囲気を持っています。

国産漆の天日精製6
温度を常にチェックします。最終近くはドライイーストのメモリあたりに上げていきます。

国産漆の天日精製7
だんだんといい感じになってきました。もうちょっとで出来上がるかな?

…と、思っていたんですが…。


なかなか仕上りません。ふらふら

ま、まだあがらないのはなぜ〜〜?
国産漆の天日精製8
10時から開始して、すでに12時前…。
たった2キロの漆なので、もうお昼に余裕に間に合う予定だったのですが、意外とてこずっています。


バッド(下向き矢印)もうちょっとなんですけど…。
国産漆の天日精製9

どこまでを「仕上がり」をするかは、ガラス板に漆を薄く乗せて(いわゆるツケを取る)見てから決めます。


バッド(下向き矢印)精製している漆をチェックする松本。もう少しのはずなのに、まだまだ。
国産漆の天日精製10

12時半過ぎてから、やっとゴーサインが出て、精製完了となりました。ぴかぴか(新しい)



国産漆の天日精製11精製の終った漆ちゃん、キラキラです。


バッド(下向き矢印)このあと、濾し上げされたました。
国産漆の天日精製12
それにしても、けっこう時間がかかったのは意外でした。
ちょっと、このタライでは小さいうえに、深かったのかもしれません。あせあせ(飛び散る汗)
松本いわく、精製して表情を変えて見てみたい漆はわんさか控えているので、大きな精製用のフネをこしらえるかもしれないとのことでした。
…確かに、今回は2キロ強でしたが、五貫樽の漆(約19キロ)を精製しようと思ったら、かなり果てしないですものね〜。

さてさてそれにしても、大森俊三さんの末辺漆はとびきり変わった個性派ぞろいなので、おとなしめの漆は珍しいです。
どんなふうに表情が変わったのか楽しみです。ハートたち(複数ハート)


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posted by 宮崎佐和子 at 23:36| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆の精製

2013年07月21日

■漆を精製する道具、櫂を作りました。

今日、写真撮影中に、デジカメが急に動かなくなってしまい… ご臨終が確認されました。もうやだ〜(悲しい顔)
ショック〜〜。急きょ新たにデジカメを買うことになってしまいました。
(機材が新しくなるので、松本は嬉しそうですが;;)
最近、よくものが壊れるような気がします… でも、この暑さは関係ないですよね?
パソコン関係に、何か来ないように祈りたいです。


さて、そんな今日は新しく作った「ある道具」をお見せしたいなと思います。


バッド(下向き矢印)真ん中の白木の道具です。
舟と櫂1
大きなタライといい…いったいこれは何の道具でしょうか??

実はこれ、漆精製用のフネとカイなんです。

精製してみたい漆がありまして、フネにするタライはあるのですが、カイがなかったので松本が木工で作りました。


バッド(下向き矢印)タライの中で、太陽熱を当てながら、カイで撹拌します。
舟と櫂2

お天気のいい日に、天日にて精製する予定です。
また、詳しくお知らせいたしますね。ムード



涼んでいるうり坊さて、今日のおまけ写真はうり坊です。
この猛暑の中、お外で何をしているかというと、涼しい場所でマッタリとしているんです。
このように車の下は猫さん大好きですね。きっと風が良く通って涼しいんでしょうね。ぴかぴか(新しい)


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posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の精製

2013年07月20日

■薄挽きのカップです。

9ヶ月の娘のハイハイがいつの間にか高速になっておりました…。
まだお昼寝していると思っていたら、隣の部屋にバッタバッタと音を立てながらやってきてビックリ。さらに、「キャハー」と興奮しながら猫さんを追いかけ回すので、工房の猫たちは戦々恐々としています。がく〜(落胆した顔)

…どんどん猫さんたちのエリアを浸食しつつありますね。あせあせ(飛び散る汗) 猫さんたち、ゴメンナサイ。



さてさてそんな今日は、松本が挽いた木地をお見せいたします。
またもやマタギ姿で仕事して出来たものですよ〜。

バッド(下向き矢印)たくさん誕生しました…。カップ類です。
カップ類
ツリーのようになっていますね。たらーっ(汗)

先日まである程度挽いて準備していたものを、今日仕上げたんだそうです。
かな〜り薄く繊細に挽いています。すごく軽いです。


バッド(下向き矢印)ふちの所を持つと、たわみますので注意注意。あせあせ(飛び散る汗)
薄手のカップ

これから木地固めの予定です。



ウルシの木とセミ今日のおまけ写真は、ウルシの木でお食事中のクマゼミさんです。
今年もウルシの木はセミたちのジューススタンドとなっています。
ウルシのジュース…きっと甘くておいしいんでしょうね。ハートたち(複数ハート)



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posted by 宮崎佐和子 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) |   木工旋盤

2013年07月19日

■国産漆のチューブ詰めの様子。

おととい、岡山の素敵なお店で仕事の打ち合わせをしてきた松本。
乾杯のベルギービールのたった一杯がきいて、昨日は一日中ぼーーっとしていました…。
そうです、みかけによらず松本は下戸なのでした。たらーっ(汗)私が代わりに飲めたらいいのにな〜。

さて、今日になってから、やっと通常モードに戻って仕事をこなしていました。
先日から開始している、漆のチューブ詰めもしていましたので、写真を撮りましたので、お見せいたしますね。^^


さて、どんな様子で「チューブ詰め」の仕事をしているかと言いますと…。



バッド(下向き矢印)手製のスタンド(旋盤挽き)に、開いた方を上に立てらせたチューブに…。
国産漆のチューブ詰め1
そこに、漆を慎重に注ぎ込みます。(計量器の上での作業です)
ちなみに、注ぐ容器などは製菓用のボール等を使っています。この作業のためにいろいろ道具を探しましたが、やはり製菓の道具はとってもよく出来ています。
ほんとうは溶けたチョコレートなんかが入るのでしょうね〜。あせあせ(飛び散る汗)


バッド(下向き矢印)200g用のチューブなので、中の漆が200g入ったらストップします。
国産漆のチューブ詰め2
これから、チューブの開口部を閉じていきますよ。
作業の様子の写真を並べてみますね。


国産漆のチューブ詰め
国産漆のチューブ詰め4
国産漆のチューブ詰め5
国産漆のチューブ詰め6
国産漆のチューブ詰め7
国産漆のチューブ詰め8

国産漆のチューブ詰め9

バッド(下向き矢印)しっかりと閉じて、チューブ詰め完了です。
国産漆のチューブ詰め10

中身の漆の表記をします。浄法寺漆です。2005年産の岩手県大森俊三さんの盛辺生うるしですね。
国産漆のチューブ詰め11

まだまだ果てしない道のりです。
国産漆のチューブ詰め12
まだ60本ちょいしか詰まっていません。(500本以上のチューブが待っています)

まあ、塗りや旋盤の仕事もしないといけないので、あせらずぼちぼちしていこうと思います。わーい(嬉しい顔)




さて、今日のおまけ写真ならぬおまけ動画です。
漆を濾しましたので、動画を撮りました。これはいったい、なんの漆でしょうか?



けっこう透けた、わりといい漆なんですよ〜。
これも浄法寺漆なんですが「盛辺で」とかではなく、辺数の指定でオーダーした漆です。(ぜいたくですね〜)
漆をちょっとご存知の方でしたら「あ〜精製漆だな」と思われるかもしれませんが…。
じつはこれ、生うるしなんですよ。
こういったランクの漆は、いろいろ工房にあります。見るだけでも楽しいです。ムード


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posted by 宮崎佐和子 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事
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