2014年02月28日

■ウルシの木のうつわです。

ふと気がつけば、日が長くなっていて、午後6時をまわっても周囲が明るくなっていますね。
ちょっと嬉しくなります。^^
店長探しで夜中に捜査に出ていた日は、月のない真っ暗な夜でシンシンと世の中が冷えきっていました…
これって永遠に続くのか?と思いましたが、ぶじ夜は明けて、むぎ君は戻ってくれました。
寒い冬もあと少し。花開く春はとっても待ち遠しいものです。ムード

そんな今日はこれをお見せしたいなと思います。



バッド(下向き矢印)ウルシの木のうつわ達です。
ウルシの器
今年に入って作り始めていたものです。 ※木地挽き  ※目止めの様子  ※中塗りの様子

一部を先行して仕上げてみましたよ〜。ツヤツヤの塗り肌です。

ウルシの器3ウルシの器2
上塗り漆は、2005年産の岩手県、大森俊三さんの末辺機械精製漆です。
にごりのないクリアな輝きで、ウルシ材の個性的な木目がよく見えますよ〜。ぴかぴか(新しい)
今年5月に伊勢丹新宿店さんで、壱木呂の会さんの記念会員展があります。そこに出品する予定です。



お花さて、今日のおまけ写真は…

工房のお庭で今年も咲いたお花です。(何のお花?)
明日から3月ですね。春はもうやってきています。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2014年02月27日

■漆室の中です。

うう眠い…。でも、仕事が押しています。
店長探しがたたったのか、松本も私もなんだか体調が今ひとつです。あせあせ(飛び散る汗)
でも、今日は久しぶりにあったかい雨が降って、一気に過ごしやすくなりましたexclamation さすがにもう雪が降ったりはしないんじゃないかと思います。もう3月になりますし、順調に春が来てほしいなあ。

さて、今日は簡単ですがこんな様子をお見せしようと思います。


バッド(下向き矢印)漆室の中です。
漆室の中
フリーカップその他の中塗りの器たちがいっぱい入っております。
フリーカップは、もう中塗りが終わりましたので、次は上塗りですよ。
気温
漆室の中は、こんなふうにヌクヌクでした。ムード


むぎさて、今日のおまけ写真は…
 むぎ君です。
腎臓の数値がよくなかったので、サプリメントで治療中です。(新商品のサプリだそう)
娘がむぎ君にせっせとこのサプリを運んでいるんですよ〜。
娘と仲良くなりますように。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 工房の仕事

2014年02月25日

■工房の猫、むぎ君が無事戻りました。

2月21日の夕方に脱走したむぎ君を、24日深夜に確保しました。
まるまる三日、行方をくらましていました… 一度、ご近所さんの目撃情報がありましたら、それっきりで音沙汰なし。
もう店長は帰れないほど遠くに行ってしまったのかな? 戻ってこないのかなーと本気で思いました。


バッド(下向き矢印)今日は病院へ行ってきましたよ〜。
むぎ
腎臓が弱いむぎ君ですが、やっぱりオシッコにストルバイト結晶が出ていました…。


失踪当日  → 夕方、宅配の人が来た時に脱走。(その時私は不在)いつもの脱走と違いそれきり姿が見えなくなってしまう。むぎ君探しの名人、うり坊も手ぶらで戻ってくる
失踪1日目 → 近所を探しまわってもまったく気配なし。あいにく週末に突入。
失踪2日目 → 探し猫チラシを作って、地元のスーパーなどに貼ってもらう。ご近所に聞き込み、チラシ配り。(この時に目撃情報あり)
失踪3日目 → 月曜日になったので、保健所に問い合せ。日中、夕方も探すも出会うのはいつもの野良ちゃんばかり…。しかし、日付が変わる前の捜査で、すぐ近所でむぎ君確認。捕獲成功exclamation

発見現場は、唯一の目撃情報があった場所と同じところでした…。
ここ、何度も見回ったのにあせあせ(飛び散る汗) 
むぎ君は、塀の上の遠くの暗闇で目をキラーンとさせたまま近寄らないので、ネコ缶をカパカパさせて呼びました。(この時、いつの間にかミルも加勢)

ホント、この三日間とても長かったです。ふらふら
娘を背負って、また母に見てもらって、また寝静まっての捜索はけっこうしんどかったです。
保健所より、同じ市内のトラネコを収容したとの話があったんで「違うだろうな〜」と思いつつ、松本に見に行ってもらいましたが、やっぱり全く違う猫ちゃんでした。
同じトラでも長毛猫で、松本めちゃ好みのイケメンワイルドキャットだったそうです…。
保健所の方に「この子いかがです?」と言われ、ちょっと心が動いたけど、グッとこらえました。
香川県は、殺処分率全国ワースト1位で、猫にいたっては97.7%だそう。
可哀想に、このワイルド猫ちゃんも数日後は…と思うと胸が痛みます。もうやだ〜(悲しい顔)
猫や犬を飼いたいな〜と思っている方、ペットショップで選ぶ前に、ぜひぜひ保健所や里親募集のNPOさんに行ってみてくださいね。
被災地のペットちゃんもわんさか待っていると思います。


さて、対策として…。
やぱり札付きの首輪を付けなくてはあせあせ(飛び散る汗) 以前は付けていたんですが… 
むぎ君は毛皮が弱いのか、すぐ摩耗して皮膚が出てしまうので、かわいそうでやめていました。
でも、これから暖かくなって脱走のチャンスは増えるし、そうは言ってられないですよね。



バッド(下向き矢印)今日は病院で、フードの試供品をもらいました。
フード
腎臓の弱いむぎ君、いつも専用のフード1種類しか食べさせてませんでした。
むぎ君が食事に不満タラタラだったのは、以前から知っていたんですが…。
ストレスを減らすべく、違う味も増やしてみようと思います。

それにしても…。
猫捜索のチラシを作る時、最近の写真のむぎ君の顔がどれもつまんなさそうだったので、とても後悔しました。
きっと、うちに子供がきて生活が変わって、むぎ君はいろいろガマンしていたんでしょうね。
むぎ君に100%合わせた暮らしはできないんですが、少しは気を使ってあげなくては〜。
そして、ご近所さんとも話したんですが、いなくなったのが我が子でなくてよかった!
猫でさえ仕事どころでなくなったし、ずっと脳裏から離れませんでした。
犯罪被害に巻き込まれたりしたら、本当に一生を捧げる覚悟でいないと… 
でも私をはじめそんなに強い人ばかりではないし…。

日常の平和って、はかないものだなあとつくづく考えさせられた数日でした。
心配して下さった皆さま、本当にありがとうございました。ムード

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posted by 宮崎佐和子 at 23:51| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 工房のネコ

2014年02月24日

■上塗り前のスプーンです。

今日は一年半ぶりに会うお客様がご夫婦で工房にいらしてくれました。ムード 
なんと6ヶ月の息子さんと一緒にです。
男の子って可愛いですね〜exclamation とてもいい子ちゃんでした。ゴソゴソした娘も少し前はこんな赤ちゃんだったなあ〜と、目が釘付けになりましたよ。お昼にちらし寿司を漆の丸めんぱに入れてお出ししたら、とても喜んでくださいました。
…たしか1年半前は4人でお会いしたのに、あっと言う間に6人になっちゃいました。とても楽しかったです。わーい(嬉しい顔)


さて、そんなよい日だった今日は、これをお見せしようと思います。



バッド(下向き矢印)中塗りが終わりました… スプーンです。
国産漆のスプーン 上塗り前1
ほとんどがランチスプーンなんですが、ベビースプーン(ロングハンドル)もあります。

国産漆のスプーン 上塗り前2
これでも十分きれいなような漆の塗り肌です。ぴかぴか(新しい)
これを仕上げ研ぎをして、次は上塗りに入ります。



帰ってきたむぎ君 失踪猫さて、今日はほかにもイイ事ありましたexclamation

さっき戻ってきたむぎ君です。
今回は延々と3日以上の奔走でした。ふらふら
帰って来てくれてホッとしましたが、また逃げ出しそうな気がします。
(チラシ渡したお店やご近所さんにお礼参りに行かねば〜あせあせ(飛び散る汗)

捕物劇で今日はつかれましたので… 詳しくはまたご報告しますね。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆のスプーン制作

2014年02月23日

■漆室の扉を替えました。

ソチオリンピックがいよいよ閉幕ですね。
もともと、テレビをほとんど観ない暮らしなのであまり話題についていけないのですが… 
女子フィギュアのフリーは頑張って途中まで観ましたexclamation
あんなに頑張って頑張って、長年練習を積み重ねて、舞台で花開く時間はわずか数分なんですね…。
手元にとどめておけない美、というのでしょうか。ちょっとせつない気持ちになります。もうやだ〜(悲しい顔)
どの選手も美しく、真剣に挑む姿は、とても素晴らしく胸に迫るものがありました。


さて、そんな今日は…
平凡な私たちの日常ですがあせあせ(飛び散る汗) ちょっと仕事場を改善しましたので、少しお見せしたいなと思います。。


バッド(下向き矢印)それは、漆室なんです。
漆室
仕事量が増えに増えて、松本が以前に合板を使って増設した漆室ですよ。
中に入っている器たちが丸見えになっていますが、ちゃんと蓋をした状態です。
つまり、透明な蓋で「中が見える漆室」というわけです。

2014IMG_1629.jpg
このはめ込み式の扉ですが、透明なアクリル板です。
漆室を作った当時、うっかりして白い不透明のアクリル板を買ってしまいあせあせ(飛び散る汗)しぶしぶ不透明なまま使っていましたが…。(アクリル板ってけっこう高いです;;)
しかし、「あれ、もう十分乾いたんじゃない?どこ?」という時に一発で出てこず、中に入っているものが見えないってすごい不便だな〜〜と思っていましたが、結局数年ガマンしてしまいました。
しかし!先日、ついでがあったので、松本がついに透明なものに替えましたexclamation
するとあらまーー!思った以上に快適に漆室が使えるようになったんです。
もっと早く替えたらよかったなあ〜と思いました。



さて、脱走猫猫のむぎ君ですが、二日経ちましたがまだ帰ってきません。
いったいこの寒空でどこで何しているんでしょう…? 
今日、写真を持って近所を回ったら、2軒先のご近所さん(すぐ近くだ!)で、「あれ、この猫今日見たわよ〜」と言われました。
…なぜうちには帰ってこない〜exclamation×2 心配ですがちょっと腹が立ちます。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) |   道具

2014年02月21日

■桜紋入れ子椀(十七の椀)をアップいたしました。

ショップ和×和に、桜紋入れ子椀(十七の椀)をアップいたしました。ムード

2014-2IMG_1623.jpg
もう、この一連のお椀はもうなくなっているかと思いました…。
セットで組もうかと思いましたが、工房のお箸などはもうお持ちの方も多いので、単品でご紹介です。
満開に近い桜のイメージですね。

香川県の桜2
←昨年のお花見の桜です。
立体的でとてもキレイでした…ぴかぴか(新しい)


どんなに時代が移り変わっても、季節は健気にめぐり戻ってくれますよね。
また、ごらんくださると嬉しいです。




脱走=(>ω<)=・゚・。君さてさて、今日の日記は簡単ですみません…。
またむぎ君が脱走してしまいました。もうやだ〜(悲しい顔)
宅急便のオジサンが玄関を盛大に開けて長々といた間に、トコトコ来てスル〜〜っと出て行ってしまいました。(左の写真は昨年末に脱走したむぎ君の図です)
うり坊を捜索に出していますが… 今回も戻ってきてくれるのかどうか…。
今日は寝ずの番になりそう… むぎのバカ〜むかっ(怒り)

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2014年02月20日

■春が待ち遠しいですね。

肩凝り&背中凝り&腕凝りに悩んでいた私ですが…。
いっこうにおさまる気配がなく、凝りで背中がズキズキして気になっており「こりゃ〜そのうち首凝りもくるのかな?」と憂鬱だったんですが、気がつけばかなりおさまっていました。
葛根湯や、お客様に教えてもらったストレッチが効いたのかな?
まだまだ寒さが続くらしいので、血行が悪くならないように気をつけなければ〜と思います。あせあせ(飛び散る汗)

さて、今日はよく晴れた香川県でした。晴れ


バッド(下向き矢印)ウルシちゃんですが、当然ですがまだ芽が出るのは先ですね。
ウルシ

ひこばえや、昨年作った苗木ちゃんたちもいっぱいあります。
春になればにぎやかになるでしょうね。ムード

あ、そういえば!


バッド(下向き矢印)今年も工房の庭にスミレの花が咲きました。ぴかぴか(新しい)
スミレ

昨年の2月末、庭の片隅に小さなスミレの株があるのを見つけたんです。
もうそろそろかな〜と思ってその辺りに行くと、すでにお花が咲いていました。ハートたち(複数ハート)

この可憐なバイオレットカラーを見ると、なんだか元気が出ますね。
明日、娘にも見せてやろうと思います。わーい(嬉しい顔)



2014IMG_1600.jpgさて、今日のおまけ写真は…

カメラを持ってウロウロしていると、必ず現れるミルちゃんです。
ミルミルも春が大好きですよ。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 日記

2014年02月19日

■梅の花の蓋付き椀、黒溜バージョンです。

今日は晴れていたので、近所の公園へ一歳四ヶ月の娘を連れて行きました。晴れ
が! 高さ180cmはあるすべり台が気に入ったと身振りで主張する娘…。私の身長をはるかに超えるすべり台のステップをトコトコと、てっぺんまで一気に登ってしまいました。こわ〜がく〜(落胆した顔)
何度かてっぺんから一緒に滑りましたがやっぱり怖いので、ステップ半分くらいの所で降ろして、すべり台の途中から乗せ直して介助しながら滑らせるという、私にとってはかなりの重労働をくり返し、20回はすべったかな…? 
子供は満足したようですが、けっこう疲れちゃいました。あせあせ(飛び散る汗)


さて、そんな今日はこれをお見せいたしますね。


バッド(下向き矢印)絵付けが終わりました。梅の花の蓋付き椀です。
梅の花の蓋付き椀 黒1
今回は黒溜バージョンです。
先月は朱溜でしたが、とっても可愛かったです。お気に入りの作でした。ぴかぴか(新しい)

梅の花の蓋付き椀 朱1梅の花の蓋付き椀 朱2
          絵付けの状態       →      上塗りして完成した状態。

白銀のお花は、上塗り漆の色をまとって、ゴールドカラーになります。
この色味は時間をとともにだんだん冴えてくるので、より明るい雰囲気のお花になることでしょう。

黒地なら、もっと大人っぽい感じの仕上がりになるかな…?
次シーズンの上塗りに加えてもらう予定です。わーい(嬉しい顔)
今晩は女子フィギュアの中継がありますが、待って観ることが出来ないので、翌朝のニュースを楽しみにして寝たいと思います。


うーちゃんさて、今日のおまけ写真は…

ホットカーペットでぬくぬく寝のうり坊です。
こんなに寒くても帰ってこない夜もあるので(そんな時はたいてい木工場でご就寝らしい…)
やっぱり夜は家でいてくれると飼い主も安心します。


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2014年02月18日

■ウルシ材の器、中塗り中です。

うう…寒いふらふら 暖かくなるのはまだ先のようですね。
娘が寝たあとに毎晩デスクワークや作業をしているんですが… 冷え込みと相まって、ただいま肩凝り&背中凝りに苦しんでいます。葛根湯もあまり効かなくて、ここ2年ほど遠ざかっていた塗り薬のお世話になっています。(に、においが…) 
出産を機に肩凝りはほとんどしなくなってたのに… 血行がわるくなっているんでしょうね。
本当は運動がいいんだろうなあ〜と思いつつ、地味に悩んでおります。たらーっ(汗)

さて、そんな今日はこれをお見せしようと思います。


バッド(下向き矢印)ウルシ材で挽いた器たちです。
ウルシの器1
もう中塗り中です。しっかり漆の色が乗ってきましたね。ムード

壱木呂の会 出品ウルシ材の器1
最初は、こんな感じの白木地(黄色木地??)でした。 → そして、木地固め・さびの目止めした状態。


ウルシの器2
こうしてみると、器がどんどん成長しているようで、うれしくなりますね。ムード
今年5月にある伊勢丹新宿店さんで開催される、壱木呂の会さんの記念会員展に出品する予定です。



スズメさて、今日のおまけ写真は…

バードレストランで、お食事中のスズメちゃんです。冬はご飯がなくてスズメさんも大変ですよね。娘にも見学させてやると「んーー!」と大喜びです。
ただ、マジックミラーのフィルムがもう劣化してきて、もう「こっち側」がかなりスズメさんに見えちゃっているようです…。

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2014年02月17日

■2006年に制作した、ちょっと変わったお椀です。

昨日、ショップ和×和にちょっと変わったお椀を入荷しました。
もうすでに販売済みとなってしまいましたが…たらーっ(汗)
思い出のあるものだったので、今日はご紹介したいなあと思います。



バッド(下向き矢印)2006年ごろに制作した、孫椀(朱溜変わり塗り)です。
孫椀(朱溜変わり塗り) 1
ケヤキ材のお椀なんです。炭黒漆で仕掛けて朱漆を重ね塗りをして少し研ぎ出して仕掛けをし、溜にしています。
ケヤキの木目も景色の一つとなり、たいへん面白い雰囲気になりました。

そしてexclamation
このお椀の面白いところは、なんと言っても上塗り漆の表情です。
シャラシャラした、超ドライな塗り肌は、いっけん「漆器」とは思えないもの。
これは、名人・大森俊三さんの採取した、2005年岩手県産の裏目生うるしを、なまのままで上塗りしてあらわれた表情なんです。

さて、裏目漆とは…?
漆かきの時期は、初夏〜秋(地方や流儀によって微妙に時期は異なります)ですが、おおまかに分けて、初夏の漆を「初漆(はつうるし)」、真夏の漆を「盛漆(さかりうるし)」、秋の漆を「遅漆(おそうるし)」と言います。(呼び名は地域でやや異なります)

ウルシの木の幹から採取する、最後の漆が「裏目」と呼ばれ、辺漆(初辺・盛辺・末辺)とは区別されています。
読んで字のごとく、今まで傷を入れていない幹の裏側に幹を一周する傷をつけて採る漆です。メインの辺漆さえ需要の落ちたこのご時世、この「裏目漆」を掻く漆かきさんはほとんどいなくなりました。
本来、裏目漆は、盛漆より品質が落ちるとされます。
が、大森俊三さんの裏目は、盛漆にひけをとらない、高品質の漆なんです。
しかも、たいへん個性的な表情を出すことが多く、当時松本も夢中になりました。


バッド(下向き矢印)この塗り肌… 超アップになりますので、ごらんください。
孫椀(朱溜変わり塗り) 2

孫椀(朱溜変わり塗り) 3

ううむ… ほんとうに漆とは思えない雰囲気ですね。
当時の売場では「なんじゃこりゃ〜?」言われ、たいへん不評でした…たらーっ(汗) 悲しくなって、ひっこめて忘れていたらしいのを最近になって見つけました。(こうした玉手箱が、工房でときどき見つかります)

さてさて、おまけのお話なんですが…。
この2005年産の裏目は、成分分析に出してデータをとっていました。
なんと、ウルシオールがほぼ7割の69,38%、水分は21,7%というビックリの高品質。盛漆に迫る好成績の漆なんです。
オリンピックではありませんが、初老の男性選手が、今が盛りの壮年選手と記録を競り合う?ような感じです。
しかも、たいへんこなれた演技をするんですね…。

さらに、手を加えていない(精製をしていない)生うるしで、見応えのあるテクスチャーを纏える力のありましたので、より原始に近い生命力あふれる姿になったのかもしれませんね。



うり坊とむぎ君
さて、今日のおまけ写真は…

微妙な距離感のむぎ君とうり坊です。こんな距離だけど、実は仲が良い…と思いたい。あせあせ(飛び散る汗)


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posted by 宮崎佐和子 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 和うるしの作品
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