

←研修生時代のやせていた松本です。
さかのぼること14年前…。
松本は2000年度の長期研修生として、岩手県二戸市浄法寺町に滞在し、漆掻き研修生として漆掻きを学びました。
そのご縁で、ときどきこのような研修があったりします。
(でも、最近は工房の繁忙期と重なり、ほとんど行けなかった)
研修生の仲間から「アイツ最近付き合い悪いなー」と言われており、ごめんごめんと思いつつもなかなか機会がありませんでした。今回は、幸いなことに2月になり、参加することが出来たのです。(ただし、大雪に見舞われるというアクシデントがありましたが

今年の行き先は、栃木県の日光東照宮です。


なぜ、日光東照宮が研修先なのでしょう?
実は、ここは間違いなく、日本で国産漆を最大に消費している場所なんです。
この日光東照宮は壮大な歴史的建築物で、2007年より大修復作業が行われている最中です。
その修復には漆が不可欠ですが、この「平成の大修理」とよばれる大プロジェクトには、すべて浄法寺漆が使われるようになりました。
どんなに「国産漆はすばらしい」と言葉でほめていただいても、それを買って使っていただく場面がないと市場は縮小していく一方です。
そんな浄法寺漆の大半がやってくるこの修復現場は、浄法寺漆にかかわる人々にとってはたいへん大事な場所なんですね。


今回は、特別に修復現場の見学と撮影を許可していただきました。
おかげで貴重な現場を間近でみることができましたよ。





わあ、びっくり!?
みやびだった建物の内部は、いまはこうなっているんですね〜。
ガッチリ足場が組まれて、資材が積まれて
ライブな作業現場となっていますよ。
これを見ただけでも、修復作業はたいへんな作業だということが伝わってきます。
さて、場面は変わりまして…。
次は別の修復現場へ案内していただきました。



←そして別の職人さんが、
使っている浄法寺漆をみせてくださいました。


それにしても、寒くて漆がなかなか乾きにくい環境でのお仕事、本当にたいへんだと思います…。
お忙しいところ、貴重な作業現場を見せてくださいまして、ありがとうございました。
実際の現場では苦労の連続のことでしょう。
漆かき職人さんが苦労して採取した漆たちが、こうして美しい国宝や重要文化財に姿を変えて、日本の文化を支えているというのはとてもすばらしいことですね。
見ていた私たちもとても励まされました。

名残惜しいのですが、あっという間に時間が過ぎ去り…。
積雪の交通マヒのニュースを聞いて、余韻に浸る間もなくあわてて四国にもどった松本でした。


工房ではチャレンジャーのミルミルが、雪の中を必死で探索していました。
(ううっ寒そう…)