作品展の片付けも終わり、工房はいつものように仕事をまわしています。
工房の庭のウルシの木には、大量のクマゼミさんが鈴なりになって、私たちが近くを通るたびに『ジッ!』と鳴いて迷惑そうにブンと飛び立っていきます…。(それを見て目をエッと見張る娘でした…;;)
セミのミンミンを聞いているだけで、ほんと暑さ倍増ですね。

さて、そんな今日はこれをご紹介したいなあと思います。
本日もお客様からのオーダーのお品なんですよ。


実はこれ、朱溜変わり塗りの飯椀を制作しています。
以前、工房で作っていた作風のもので、同じようなものがまとまった数でほしいとお客様からのご注文がありまして…。かなり時間がかかっていますが、製作中です。
この地割れのようなテクスチャは炭粉を使って表現しています。
これが「仕掛け」になって、なんともいえない風合いの朱溜変わり塗りが出来上がる予定です。

なんだかゴジラの背中みたいかも…。
数年ぶりに再制作しているんですが、当時の表情を出すのにちょっと手間がかかりました。
何度か挑戦して、やっと近いと思えるような仕掛けを作る事が出来てホッとしたところです。
今は真っ黒なお椀ですが、朱漆の塗りが入るとうんと華やかになりますよ〜。その朱漆の下のゴツゴツした「仕掛け」によって、表面の表情に面白い変化をつけるというわけです。
こちらのお品も長くお待ちいただいていますので、仕事が進みやすいこの季節にがんばって作業をしておこうと思います。


椅子の上でおねんねのうり坊です。
ほんといつも思うんですが、猫は小さな幸せを見つけるのが上手ですよね。
うり坊も目が覚めると戦いが待っているんですが、しばしの男の休息です。