2008年02月22日

■蒟醤 太田儔展の開会式に行きました。

今日から国の重要無形文化財蒟醤保持者(人間国宝)に認定されている、太田儔先生の展覧会蒟醤 太田 儔(きんま おおたひとし)高松市美術館 で始まります。
その開会式に松本と行ってきました。^^
初の本格的な個展です。

私たちが香川県漆芸研究所の研究生(松本は研究員)だった頃、太田先生は籃胎蒟醤の講師として指導されており、たいへん熱心に教えて下さいました。
その太田先生の作品が60点も鑑賞できる…ということもありますが、これほどの方が個展を開くということは大変なこと。
数年かけて準備をされたというその晴れ舞台は、ぜひ目にしておきたい気持ちが強かったのです。

2/22太田 儔展1
2/22太田 儔展2漆の美術品、といえば真っ先に蒔絵が思い浮かぶと思います。しかし、香川の漆は江戸時代に玉楮象谷が中国伝来の漆芸技法を讃岐の地に開花させたことから始まるのですが、その一つが蒟醤という技法です。
籃胎という竹を編んだ素地に下地を施し蒟醤で加飾する太田先生のスタイルは、おそろしく高度で精細なもの。
蒟醤は刃物で表現する技法で、鋭い表現もみごとですが、柔らかい表現には目を見張るものがあります。使い慣れた筆でさらさらと描くような、時には友禅のようにそっと染め重ねたような、または大島紬のように丹念に織り上げたような、人の手技の極地とも言える仕事です。

また、たいへん自然を愛される方であり、モチーフも天真爛漫な童心あふれるものです。かまきりやバッタなどの小さな虫のユーモラスな肢体、庭に訪れる小鳥たち、四季の可憐な花々を、愛情あふれる視線で、美しいパステルカラーでこれでもかと繊細に表現していくさまは、漆がまったく分からない方でも吸い込まれるように見てしまうはずです。


この個展のお話があった4年前、太田先生は退院されたばかりで体重が18キロも落ち疲労困憊されていた時でしたが、やるなら満足のいく内容にしたいとこつこつとご準備されたそうです。
そんな中やっと迎えた初日、多くの方々に祝福され、熱心に見る地元の小学生の質問にもにこやかに答えてらして、とても幸せそうでした。

また、後日出直して、ゆっくり鑑賞したいと思います。
今日は本当におめでとうございました。



posted by 宮崎佐和子 at 23:53| Comment(2) | TrackBack(0) |   展覧会鑑賞・イベント参加
この記事へのコメント
2/24行ってきました。
籃胎蒟醤箱「赤い貝殻」と作品名は忘れましたが
入り口から向かって右にあった、 籃胎の皿?
朱と黒のグラディエーションのが特に惹かれる
ものがありました。
 ところで話は飛びますが、去年灸まん美術館
に松本さんが出品されていた、黄瀬戸風のカップ
は手にとれませんでしたが、よさそうでしたね。

Posted by at 2008年02月25日 12:35
お返事が遅くなってしまい、すみません。
コメントをくださいまして、ありがとうございました。^^

見に行かれたのですね!

>籃胎蒟醤箱「赤い貝殻」と作品名は忘れましたが
入り口から向かって右にあった、 籃胎の皿?
朱と黒のグラディエーションのが特に惹かれる
ものがありました。

「赤い貝殻」はどきっとするような情緒あふれる作品ですね。^^
朱と黒の作品は、波紋でしょうか。太田先生の籃胎ならではの大変緻密な作品で、私も好きです。
籃胎は私も習ったはずですが(箱ではなく比較的簡単な盛器を習作で作りました)今はもう作る自信はありません。;;

>去年灸まん美術館
に松本さんが出品されていた、黄瀬戸風のカップ
は手にとれませんでしたが、よさそうでしたね。

わわっ、覚えていてくださったのですね。
あの黄瀬戸風は日本産漆ならではの白漆の溜めです。
Posted by 宮崎佐和子 at 2008年02月26日 18:13
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